Jul 9, 2009
WHITE
講演などで質疑応答の際に
「その白髪は染めているんですか?」
と聞かれるのですが
もちろん自然にこうなったわけではありません。
正確にいえば
「染めて」いるのではなく
「色を抜いて」います。
月に1回程度、サロンで白く抜きます。
もう10年以上も続けてます。
専門用語で 「ブリーチ」 というようです。
多少ご存知の方には
「そこまで白く抜いて、痛くないですか」
といわれます。
色を抜くための薬の刺激が強いためです。
実際、痛さに耐えきれず、脱色を断念するヒトも多いようです。
特に、男性は苦手みたい。
ところが、ぼくは平気。
痛くもかゆくもない。
肌は弱いはずなのに、
手塚眞の七不思議のひとつです。
なぜ白くしたのですか?
と聞かれますが
最初は部分的なメッシュでした。
10年前、映画『白痴』の撮影を始めるときに、
験(ゲン)をかついで
『白痴』だから白くしよう、
と思いきって色を抜きました。
すると気持ちが軽くなって、なんか生きるのが楽になった。
自分の外見的アイデンティティーにもなったし、
友だちからも
「やっと中身と外見がつりあったね」
といわれたので、
以来ずっと、この髪でいます。
いきつけのサロンはとても巧くて、
髪や地肌をケアしながら色を抜いてくれる。
おかげで髪をさほど痛めることなく
かなり白くできる。
人混みでも見つけやすいというメリットもありますが
目立っちゃうので
悪いことはできませんね。
Jul 8, 2009
D‐EX
ご指摘ありがとうございます。
そうです、
鬼門ではなく鬼籍です。
疲れて頭がぼんやりしてると、とんでもない間違いをします。
さて新潟のビデオも無事完成し、
(12日よりテレビで流れるそうです)
いまはロンドンに持ってゆく映像の仕上げ中。
最近プライベートな映像作品は、フリーハンドで描くように8mmフィルムを手で露光して作り出す、
“ダイレクト・エクスポージャー”
という技法を使っています。
造語ですが。
アナログの手技の世界です。
デジタル主流の時代だからこそ、
アナログが新鮮です。
さて今日は午前中にアニメの打ち合わせを渋谷でしてから
午後は京都で講演会です。
夜はおそらくビデオの編集作業です。
いったりきたりです。
Jul 3, 2009
FAREWELL 80
ピナ・バウシュさんが鬼門にはいってしまいました。
なんだか、
自分の中の80年代が終わった感じがします。
最初の日本公演は、本当に衝撃的で
ぼくは彼女の影響を多分に受けました。
誤解と偏りを承知で
彼女の中に“ヨーロッパ”を見ていました。
ジョン・フォックスのアルバム「ザ・ガーデン」と等しく。
ピナのタンツテアターとタデウシュ・カントールが、
ぼくの中のダンスと演劇の概念を変えた。
彼らを継ぐ人たちがいまいるのか、わかりませんが
彼らのおこなったことは誰にも真似できないでしょう。
M.ジャクソン、ファラ・フォーセット・Mが時代のイコンだとしたら
ピナやローリー・アンダーソンは
ぼくの永遠のアイドルかもしれません。
そして
自分の中の神話でもあり
― もっともぼくに影響を与えたアーティストである ―
ジョン・フォックスさんから展覧会の参加のお誘いを受けました。
7月27日から5日間、
ロンドンのギャラリーに映像作品を出品します。
ジョンに影響を受けたアーティスト、クリエイター、映像作家たちが参加する
DNA
という展覧会です。
http://www.arthertz.com/
そのための新作映像をいま作っています。
これから踏み込む新しい神話のために。
Jun 26, 2009
RYUJIN
新潟市内から車で40分ほどの郊外。
山と海に囲まれた自然の中での撮影。
前日に現場下見も万端です。
夜明けとともに撮影を始めたいというカメラマンの希望で
準備の時間も考えて
午前2時集合。
ひさびさに早い、
というより早すぎ。
暗い中でスタッフみんな集合して
現地に着くと、
な、
なんと ドシャ降りの雨が!
ハンパなく、
道は川になり、崖から滝になって流れ落ちている。
晴れ男、晴れ女がそろっているはずなのに、
そんなバカな。
朝までに止むだろう、
と現場待機しましたが、
午前6時になっても雨足は弱まらず。
眠いし、気温も低くて寒い。
さすがのぼくもメゲてきました。
現場は携帯もつながらない郊外。
あたりは店どころか人家もない。
誰も口をききませんが、
「監督どうしますか?」
という無言のプレッシャーが襲ってきます。
このまま待つのか、
中止にして帰るのか。
プロデューサー(と現場制作)も兼ねているので、
なにか決定しなければなりません。
延期したとして、翌日が晴れる保証はない。
東京から呼んだスタッフは明日までしかいられない。
なにも撮れなかったとしても、
経費はかさむ、
締め切りは迫る。
さあ、どうする!
とりあえず現場でしょげていてもしょうがないので、
隣の浜の民宿をみつけ、
そこへスタッフは一時的に避難、待機。
せめて昼までは待ってみよう。
と覚悟をきめていたらば、
少し雨が弱まった。
すかさず、撮影の藤井さんが
「8時に撮影開始!」
と判断。
少しの雨なら撮影する覚悟。
そこで出演者もメイクを済ませ、
ぴったり8時にカメラの前に立つと
奇跡が起きました。
女神に扮したモデルの民谷さんの背後から、
青空が広がってゆくではありませんか。
そして1時間のうちにすっかり晴天となり、
以降、1日中、
雲ひとつない大快晴になりました。
喜んだスタッフたちは一丸となって大張り切り、
するすると現場は進行し、
予定通りに撮影はすべて無事終了。
ハレルヤ!
撮影が済んだ夕方の空に、
まるで龍のような雲が
フワッ
と現れて、
山の彼方に飛んで行きました。
そうだ、
新潟は龍神の土地。
雨を操るのも龍神の力。
あの大雨は龍神さまのいたずらではなく、
恵みの雨であったことでしょう。
このところ、
雨がちな天気の中で、
いつも晴らしていましたが、
今回は壮絶でした。
ドシャ降りから一転、
晴天なのですから。
この映像は
7月に新潟のテレビなどで見られます。
Jun 23, 2009
WATER & EARTH
ひさしぶりに
新潟市で映像の撮影をしました。
市ではこの夏から
「水と土の芸術祭」
というイベントが行われるのですが
そのCMというかプロモーション映像を作っています。
イメージは自由に、
ということなので
「女神が出会うとき」
というコンセプトで
水の女神と土の女神を登場させることにしました。
それを
新潟の地で
地元のヒトたちと一緒に作るのがよかろうと、
地元のツテを伝って
スタッフや出演者を紹介してもらったり
知り合ったヒトビトでやることにしました。
新潟には
「美少女図鑑」
というフリーペーパーがあり、
これはいま全国展開しつつありますが
その元祖で、
プロではない地元の美少女がモデルで登場するので人気なのですが
そこのイチオシモデルで
民谷有花さん
という学生さんにモデルをやってもらうことになり、
ヘアメイクは
「秘密基地」
という楽しい名前の美容室が担当。
さらに
i‐mediaという映像の専門学校から機材とスタッフを貸してもらえることになり、
生徒さんも撮影に参加します。
撮影は東京から藤井春日さんに参加してもらえることになりました。
そして、橋本一子さんが音楽。
藤井さん、橋本さんとぼくとは、
『NUMANITE』や『実験映画』などの短編アートシネマで組んだ、ゴールデン・トリオです。
新鮮な地元の感性と東京のベテランクリエーター陣が揃い、
素敵な現場になるだろう、
と夢みていましたが、
撮影日にとんでもないことが起きちゃいました。
そのハナシは次回。
Jun 19, 2009
INFO:
友人が映画を作りました。
『築城せよ!』
という題名で
6月20日より新宿ピカデリーほかで上映されます。
戦国武者が現代に甦り、ダンボールで城を築くという
かなり無茶な設定のドラマですが、
その荒唐無稽ぶりが楽しく、
登場するキャラクターも微笑ましい。
この映画、なにが痛快かというと、
監督の古波津さんは映画業界とはほとんど関係のない一映像作家。
アマチュアとはいわないまでも、
金もコネもない彼が、
「ダンボールで城を建てたい!」
という一途な夢を抱き続けているうちに、
この商業映画ができてしまった
ということです。
そんな彼の、業界スレしていない純粋な感性そのまま
といった感じの映画です。
純粋さがささやかな感動を生みます。
気持ちにゆとりのある方はぜひ。
Jun 17, 2009
109
渋谷109といえば
コギャルの殿堂で、
中へ一歩でも踏み込めば
ひしめき合うギャルたちと漂うギャル臭に、
思わずオジサンは逃げ出してしまう恐怖の建築ですが、
その最上階になんと
寿司屋がある。
という情報をきいて
ずっと気にしていました。
たまたま近くに来たので怖いもの興味、
ついにチャレンジ。
ギャルたちに混ざってエレベーターで8階へ行くと、
いかにもギャル向け雑貨やエステっぽい店舗の中に、
ありました、寿司屋が。
入口の通路から熱帯魚の泳ぐ水槽が並び、
しまった!
と思わせるイントロでしたが
店は広々としたカウンター奥に大きな生けすもあり、
生きのよいネタもあったのでちょっと安心。
にぎり全品130円、
というカジュアルさが、
まあ妥当な味でした。
しかし、場所がら客は若い女性やカップル多く、
コギャルはいないにしても、
ファッショナブルな若い子が多い。
寿司屋としては特殊かも。
生けすから新しい魚をおろすとき、
店員が手にした鐘をならし、
「生きのいいアジ入りま〜す!」
とか店内に告知するんです。
そのへんの賑やかなところが、
渋谷ですね。
この週末はPVの撮影で新潟です。
新潟のウマイ寿司屋、
これがたくさんありそうで探すと少ない。
いい店見つけるのが課題です。
Jun 13, 2009
TADPOLES
チャールズ・フォート(1874-1932)
という学者がいて、
彼は一生「幻象」を研究していました。
幻象というのは
石の中のカエルとか、
なぞの飛行物体とか、
ふつうあり得ない、
説明できない出来事。
石川県でオタマジャクシの雨が降ったようですが、
フォートの著作には似た話が山ほど紹介されています。
カエルの雨、魚が降った話… 。
いまに始まったことではなく、
海外では昔から知られている現象です。
古くは1世紀のローマでも記録されています。
いや日本でも、昔から知られた現象で
江戸時代にはお札も降りましたね。
この現象は映画でも取り上げられていて
リュック・ベッソン監督のデビュー作『最後の戦い』では魚が降っていたし
近年の『マグノリア』ではクライマックスにカエルが降ってくる。
これは、幾世紀たっても原因も理由もわからないところが痛快です。
いたずら説、竜巻説、鳥の仕業説がありますが
どれも説得力に欠けますね。
なにしろ
オタマジャクシだけ
が100匹以上も降ったのですから。
いたずらにしては無意味にタイヘンすぎるし(なにしろ飛行機が必要です)
オタマジャクシのみを選んで上手に吸い上げる竜巻なんて聞いたこともなく、
鳥が餌で食べたにしても、100匹以上も消化せずに空で吐き出してみせる芸当をするのか?
フォートはとんでもない説を提唱していて、
それは自然のテレポート説。
自然の中で物体が別の場所に移る。
カエルやオタマジャクシが、あり得ない空中に移動したと。
かなり無理のある説です。
ちなみにぼくが以前書いた小説では
「子供の指」
が数百本降ります。
石川県のオタマジャクシは、きちんと学術的に研究されるのでしょうか。
それとも、無意味なことと片づけられるのでしょうか。
Jun 10, 2009
INFO:
またしても新刊のお知らせ。
手塚治虫について手塚眞が語った本、その2。
書名はずばり
『手塚治虫』。
アスキー新書から。
読みやすい新書サイズで
書き下ろしならぬ、語り下ろし。
ある日、ひとりの編集者がふらっと事務所を訪れて、
「手塚治虫のチャレンジ精神について語ってほしいんです」
といったのが発端です。
何回かインタビューを受けて、
それが一冊にまとまりました。
書き下ろしとはまた違うニュアンスで、
そこが味わいかもしれません。
まあしかし、
手塚治虫本はもういいかな。
2冊も出したし。
もちろん、どちらも一般書店で購入できます。
Jun 9, 2009
DRIVE FOR LOCATION
京都いったかと思えば
東京で撮影し
かと思えば
新潟で撮影し
かと思えば
映画や映像の学校で講義やらミーティングやら。
映像ヅケの日々で本望なのですが。
新潟は、
今月に別途撮影するCMの打ち合わせとロケハンも兼ねてました。
ロケハン
とは撮影場所を探すことですが
小さな作品の場合は
原則自分で探して
自分で段取ります。
それが地方となれば
なおさらひとり旅になる。
新潟市から海岸沿いに車で南下して、
100キロほど走りましたか。
その足で東京まで戻ったから
都合400キロ以上走ったのでしょうか。
さすがに疲れた。
前の日も合わせると
2日で800キロ近く走ってます。
ひとりでよく走ります。
車に撮影機材を積んでひとり旅、
というのは
若い頃よくやりましたが
いまでもたまにやります。
なんか、急に出会ったり見つけたりしたものを撮って、
ストックしとくのです。
そのうち何かに使おうと。
途中の見ず知らずの土地で食堂を見つけて
お昼を食べたり。
(ここは撮影の時も昼ご飯が食べられるかな)
なんて考えながら。
ところで最近は、お陽さまがずっと味方してくれます。
というより、
着いてきてくれます。
曇り空の中、
どこまで行っても太陽が雲間から顔を出していて、
ぼくの周囲だけ晴れにしてくれています。
ありがたいことです。

