03/27/2008
P O V
『クローバーフィールド』と『REC』という、
似たような映画を続けてみました。
ネタバレになるとつまらないので内容は詳しく書きませんが、
なにが似てるかというと、
どちらもドキュメンタリーのような、ニュース映像というか携帯動画というか、そんな“生”な映像だけでドラマを成立させているってことです。
“POB”つまり、Point Of View(主観撮影)というのだそうです。
だいぶ前に『ブレアウィッチ・プロジェクト』という、素人のビデオ映像を狙ったホラーがありましたけど、
それをもっと緻密にしてお金をかけて作った感じです。
『クローバーフィールド』は完全に素人がビデオで撮っているという設定で、
NYが壊滅してゆく様を、ひたすら手持ちビデオカメラが撮り続けるという、
その徹底したところが新鮮。
アメリカで今いちばん勢いのあるF.F.エイブラハムのプロジェクトで、
内容だけではなく宣伝やイメージ作りも秘密の仕掛けがいっぱい。
ネット世代から情報発信させようという魂胆です。
自由の女神の首が吹っ飛んでくる、何が起きたんだ! という意外性あるCMでした。
本国ではそんな仕掛けが効を奏してヒットしましたが、
日本ではどうでしょうか。
一方の『REC』はスペインで大ヒット、100万人が観たというホラーです。
こちらは素人ビデオではなく、テレビのカメラマンが撮ったビデオ映像という設定で、
密室的緊迫感の中をカメラが行き来します。
遊園地のお化け屋敷のようで、
コワイ、というより気味が悪いというか、
イヤーな印象の話です。
どちらの映画もそれなりに面白いのですが、
若干、映画というより、アトラクション的な印象は拭えない。
逆に、
映画の演出表現というモノを、改めて考えさせられましたね。
作られた‘生’映像と、いかにも演出された世界はどちらが迫真か。
これは、
どんなに精巧に作られたCGも現実にはかなわない、
という問題に似ています。
時代とともに、映画はリアリティを求められるようになりましたが、
映画ならではの美しく印象的な様式を失っていきます。
その様式こそが映画たる所以でもあるのですけどね。
POV映画は様式と非様式世界の狭間で作られています。
必見かどうかはともかく、
そんなテクニックの興味としては、いまお薦めです。
あと、ぼくは職業柄見慣れていますが、
素人っぽいグラグラ揺れる映像は、
大きなスクリーンで見ると、少し酔うかもしれませんね。

