Tezka Macoto' 6D

プロフィール

1961年東京生まれ。世界でただひとりのヴィジュアリスト。

高校で映画製作を始め、17歳の処女作が日本映像フェスティバルで特別賞を受賞。大島渚に激賛され、以後インディペンデント映画を多数発表。8mm映画『MOMENT』でカルト的な人気を得る。

大学生のときにテレビや雑誌で仕事を始め、ショートホラーのルーツである番組『お茶の子博士のホラーシアター』(「もんもんドラエティ」)が評判になる。また『ねらわれた学園』で俳優としても怪演。
85年、ロックミュージカル映画『星くず兄弟の伝説』で商業監督デビュー。

以降、実験映画から商業作品まで様々な映像製作の傍ら、小説の執筆やイベントの演出、音楽のプロデュースなどを行う。Vシネマの草分けとなった『妖怪天国』を監督し、数々のMTVを演出。黒澤明監督の現場に取材しメイキング・ビデオを撮る一方、開発初期のハイビジョンで東大寺を撮る。

黎明期からデジタル・メディアに接し、生物ソフトのエポックメイキングとなったCD-ROM『TEO~もうひとつの地球』をプロデュース。世界19か国で58万本を売り数々の賞に輝く。
10年を費やした意欲作『白痴』が99年のヴェネチア映画祭でデジタル・アワードを受賞。フランスでも劇場公開される。

93年に自身のオフィス「NEONTETRA」を設立。モデルの橋本麗香らのマネージメントも行った。
また手塚治虫の遺族としても活動を行い、記念館やホームページをプロデュースする。

近年はアニメの監督も行い、テレビアニメ『ブラック・ジャック』は東京アニメアワードの優秀作品賞を受賞。監修を行っているマンガ『PLUTO』(浦沢直樹)がヒットし、数々のマンガ賞に輝く。
最新作は劇映画『ブラックキス』。(2006年)

手塚眞
NEONTETRA

12/31/2008

LAST DAY OF THE YEAR

年末年始はだいたい恒例の行事ですぎていきます。


家や仕事場の片づけ、
掃除、ゴミ出し、
正月の買物。


門松や玄関飾り、鏡餅を飾り、

神棚にお供えをして拝礼し、

家族と過ごす時間。


案外ふつうのことばかりでしょ。


除夜の鐘を聞きながら年越しそばを食べ、

深夜には町内の神社に初詣にいきます。


でも、すべてが分刻みというか、


大慌てで行われる。


というのは、

それらの隙間を縫って、

仕事の整理や準備をするからです。


だから完璧は無理。

ゴミは残るし、部屋は片づかない。

必要なものも揃わない。


でも、

忙しさにかまけて正月の行事を欠かしたりはしません。


けじめは大切です。

すぎた1年を振り返り、

想いを確認し、

考えを新たにする機会というのは。

少しずつ何かが新しくなってゆきます。


それに伴って自分も新しくなる。

成長の次は洗練へ。


というわけで、

来年からこのブログの記事も少しだけ新たにするつもりです。

これまでよりエッセイ色を強くします。


インフォメーションは記事とは別にまとめます。


そして、今まであえてコメントに返事を書きませんでしたが、

その分ていねいな表現を心がけてきました。


これからは、質問されたことにはできるだけ答えます。


コメントから時差がかかるかもしれませんが
必ず答えます。

これまで読んでくださっていた皆さん、


ありがとうございました。


皆さんに素敵なタイミングが訪れますように。

2009年も

よろしくお願いします。

21:47

12/28/2008

SNOW LAND

新潟は雪です。


今日は柏崎にきていますが

日本海からの風がしびれるように冷たいです。


指先も耳も凍りそうですが、

地元の若い女性は短いコートから素足を見せています。


さすがだなあ。

いつもなら車でスルッと来るところですが

今日はやめて新幹線にしました。


車内では年末年始の予定をぼんやり考えていましたが

何をするにも日にちが足りません。


せめてあと2、3日、

欲をいえば1週間ほしいところです。


欧米ではクリスマス休暇をたっぷり取りますね。

そのかわり正月休みがなくて年始のスタートが早い。


ぼくも来年にはクリスマスから休みを取ろうかな。


なんて思っていても来年末になればまた同じ調子なのでしょうね。


今年のはじめを振り返ると

いろいろ考えていたことが半分もやれていません。


来年は、年間の計画を最初にしてみようかなと想っています。


イベントだの映画だのでいろいろありそうだし。

(すでに忙しいことだけはわかっているんです)


1月もラジオやテレビに出たり、イベントに出たりします。


本を出す話やら映画の企画やら、音楽制作やCDの手伝いやらもあります。

ところでいま事務所「ネオンテトラ」のホームページをリニューアル中です。

1月中には新たにオープンできそうです。


そうしたらいろいろ情報がもっと出せますので

よろしくお願いします。


あっ

太陽が顔を出してきました。


少しでも暖かくなるといいな。

14:20

12/27/2008

A YEAR―END PARTY

年内、会社は今日まででした。


仕事納め、

といいたいところですが

仕事はまだ残ります。


おそらく来年に持ち越しです。


もし1年が400日くらいあっても足りないでしょうね。

とはいえ

1年の区切りでもあるので

仕事場や家の中を片づけなければなりません。


1年分の資料やら書類やら手紙やらが

ごそっ と溜まってしまっています。


整理しなければ。

まあその前に

忘年会に行きましょう。


面倒だとか

ただ飲むだけじゃないか

というヒトもおりますが


1年間働いて

その苦労をお互いにねぎらい合う

感謝の気持ちを

態度と言葉でしめす。


これもまた気持ちよく生きるための知恵というものです。

そして二次会は三々五々わかれて

それぞれにまた別の店で飲みます。

今年最後に一緒に飲んだのは

いろいろ仕事でもお世話になっている

奥平イラさん。


グラフィック・アーティストでテクノ・ミュージシャンの草分けで、漫画家で画家で、アート・ディレクターでもある。


なにげに長いつきあいで、

なにしろ最初に会ったのはぼくがまだ18だか19だかの未成年の頃でした。


そのときはよもや30年後に年末を共に飲んで過ごすとは

思いも寄りませんでした。

縁とは不可思議なもので

時もまた奇妙な効果をみせるものです。

それにしても今日は寒いです。


タクシーはなかなか捕まりませんです。


さすが年末。

03:30

12/24/2008

EVE

クリスマスというと、

橋本麗香ちゃんを思い出します。


彼女はクリスマス生まれなんです。


そういえば初写真集が出ましたね。


彼女は以前ぼくの事務所に所属していました。


もちろんいまも女性誌でバリバリの人気モデル。


ネオンテトラに8年いる間に、

女優として『白痴』『実験映画』『ブラックキス』と立て続けにぼくの映画に出演してくれました。

最初に会ったときはたしかまだ17歳。

初々しい高校生でしたっけ。

あれから10年。

すっかり大人っぽくなって


と、オジさんのように言いたいところですが


写真で見るかぎり初めて会ったときから少しも変わらず、

キュートできれい。


魔法のように。

懐かしいといえば


ぜんぜん話題が変わりますが、


ディビッド・バーンとブライアン・イーノの新しいCD

「Everything That Happens Will Happen Today」

が出ました。


このふたりのアルバムといえば、

80年代に出た『ブッシュ・オブ・ゴースト』を思い出さないわけにはいきません。

当時もっともぼくに影響を与えたアルバムのひとつです。


映画の影響はもちろんながら、

音楽からの影響がぼくには一番大きいかもしれません。


『ブッシュ・オブ・ゴースト』はあらゆるジャンルから解放されて、

時代も国も超越した感性が渦巻いていました。


そんな映画を作りたいと想ったものです。


ところでその新作は、そんな気負いもなく、

どこか懐かしい“ホーム・ミュージック”。


もちろん相変わらずひねくれてますが


そこが魅力です。

01:54

12/23/2008

KUROSAWA

17年前に作った

黒澤明監督のドキュメンタリー

『黒澤明・映画の秘密』

がクリスマスの日にNHK・BS2で放送されます。

12月24日
午後10時53分〜
NHK・BS2


ちなみに本編『八月の狂詩曲』は午後9時から。

ぼくには珍しいドキュメンタリーです。


今年、BS2では没後10年になる黒澤監督の特集をやっていて

その一環なんですが


これは幻の作品。

販売ビデオとして制作され、

その販売会社が潰れたために絶版のまま

オリジナル・マスターの行方もわからなくなっていました。


黒澤プロからうちに問い合わせがあったぐらいです。


とはいえこちらは演出のみを依頼されたので、

作品の制作管理は別の会社でした。

NHKのライブラリーからマスターのコピーが発見されたそうです。

映画『八月の狂詩曲』の撮影現場を記録したビデオで


出演していたリチャード・ギアのインタビューなどもありますが、

なんといっても黒澤明監督そのヒトにカメラがとても寄るのが圧巻だと想います。


黒澤監督のドキュメンタリーはいろいろありますが

現場の監督に一番接近した映像ではないでしょうか。

黒澤監督は厳しい方で、撮影現場でメイキングのビデオカメラがうろうろするのを嫌っていましたが、


お話がアットホームだったのと、

当時としては最新の小さなハンディカメラだったのが幸いでした。


「後生のために参考になるビデオを」

という黒澤監督の意向を汲んで

気をてらわず、ていねいなメイキングになっていると思います。


監督が絵コンテを描く姿や、俳優の前で演技をしてみせたり、

貴重な姿がたっぷりと記録されています。

黒澤監督は

ぼくの知る限り

もっとも映画監督らしい映画監督

でした。


短い時間でしたが
同じ現場にいられて良かったと思いました。

現場には演出補佐として『ゴジラ』の本田猪四郎監督も参加していましたが、


そう想うと

『七人の侍』
『ゴジラ』
『鉄腕アトム』
という、
50年代の日本のコンテンツを代表する作品の作者を知っていたことになりますね。


いまも世界中で通用している日本の作品はこの3つです。

14:40

12/21/2008

AFTER PARTY

クリスマスにひと足はやく、

ホーム・パーティを開きました。


今年は例年になくお客さまが多く、

70〜80人は来たでしょうか。


ホーム・パーティなのにクローク係がいたり、バー係がいたり(大澤くんサンキュー)、コンシェルジェがいたりと、なんか本格的なんですが、

なにしろゲスト人数がハンパじゃありません。


その場で調理してくれるケータリングを用意していたのですが、

料理もぜんぜん足りません。


やむなく家内の岡野がバタバタと料理を追加するハメとなり、

彼女はパーティの間、キッチンに立ちっぱなしでタイヘンでした。

(T_T)

バーでは氷が底をつき、いろいろ行き届かないことが起こりましたが、


そんな騒ぎも含めて、

やっぱりホームパーティはやるものです。


店などのパーティと違って、客の親密度が上がるし、

寛ろぎ感も増します。

気持ちも洗われます。

今年はKojiさんの魔法とやのさん(&ジーザス)の生テルミン演奏が場を一層フシギな空間にしてくれて、

夢のような時間になりました。

パーティの様子は何人かのブログで紹介されていますが

橋本一子さんのところが写真豊富かな。

http://ub-x.txt-nifty.com/


でも申し訳ないのですが〜

このパーティには、
特別に親しい友人や、美しいヒトや不思議なヒト、アーティストしか参加できないのです。


そんなヒトたち「だけ」が集まる場

ってないでしょう。

ちなみに集まったメンツは
(いつもながらですが)


ミュージシャン、歌手、ダンサー、モデル、写真家、振り付け師、映画作家、女優(美女)、男優(イケメン)、漫画家、イラストレーター、グラフィックアーティスト、ファッションデザイナー、インテリアデザイナー、ジュエリーアーティスト、切り絵アーティスト、エディター、マジシャン、催眠術師、占い師、ロボットエンジニア、プロレスラー、ジーザス・・・。

03:01

12/16/2008

2525×8

第8回国際ニコニコ映画祭 の公開審査会が
昨日、生放送で行われました。


あっ

という間に1周年なんですね。


1年で8回、という変則的なイベントですが。


今回はレギュラー審査員の松嶋初音さん、スメリーさんに加え、

ゲストがとても豪華で、

前回に引き続き2回目の登場となる評論家の山田五郎さん、ホリエモンこと堀江貴文さん(!)、明和電機さんに、吉本芸人のR藤本さん。


やっていることもキャリアもバラバラな面子ですが、

さすがマスコミで鍛えられているヒトたちは違います。


はじめての席で パッ と場になじみ、

いきなり本番でも問題なくこなします。


というより皆さん自分の役割がよくわかっていらっしゃる。


すべてその場のアドリブで、

主張もしつつ、それなりにウケを取ったりもでき、

さすがだなあ、と。

ぼくは相変わらず司会進行ですが、

投稿動画を紹介しつつ、

各審査員に「おいしい」ところを演じてもらうべく采配するのが役目。

ふつうの審査会と違うところは、

これが一般公開されて

それなりにエンターティメントでなければならないところでしょうか。


もちろん、ニコニコ動画というメディアの特性上、

完璧ではなくて、

てきとなユルさも必要なんですが。

次回は3月に、

沖縄から生中継予定です。


ビーチで審査会。

楽しみ。

12:52

12/13/2008

ANIME ANIME

いま5つのアニメーションに関わっていて

ひとつは一昨日書いた『ASTRO BOY』。

立場はコンサルタントかアドバイザーというところでしょうか。


それから avex と組んでやっている『ravex』のプロジェクト用のアニメ。

こちらは企画とプロデュースをやっていますが、

一部キャラクター・デザインやシナリオもやっています。


それから短編の『森の伝説 第二楽章』。

これは父の跡をついで監督をやっています。

いまだコンテの段階ですが、

父の跡をついで遅れています。

(>_<)


ほかに手塚治虫原作による長編劇場アニメの企画が進んでいて、

そちらはプロデューサーか監修として関わりそう。

手塚治虫とは関係ないものでは、

子供の施設のためのアニメ作りがあって、

5分程度の話をふたつ作ります。


一応監督なんですが、

制作チームがメキシコにあり、

絵コンテは描いて送ったものの、

日本でチェックを入れるという変則的なスタイルで進んでいます。

なんだか気がついたらアニメの仕事が多くなって、

子供の頃に

「マンガとアニメの仕事だけはすまい!」

と誓ったのがウソのようになってしまいました。


生まれと立場を考えれば逃れようがない運命ですけどね。

中途半端に絵が描けたりするのがまたいけません。


実はそれほどうまくないのです。


みんなは「うまいよ」というのですが

デッサンとかちゃんと勉強したわけではないし、

落書きの延長です。


もっとも、

父も自分でそういっていました。


なんでも経験を重ねればうまくなるものですが、

ぼくは毎日絵を描いているわけではないし、


監督やプロデューサーはどちらかといえば、
ペンよりも口を使う仕事で、

だから絵がうまくなることはないかもしれません。


まあしかし、

アートの領域では、
うまいからいいというものでもない。

テクニックは少しあった方が便利かもしれませんが、

むしろ何も知らない、

できないという方が

新鮮な感性で表現できるものです。

中途半端にあれこれ知ってしまっている自分は、

だからたまに知らないフリをしています。


一度おぼえたテクニックを忘れるのはなかなか難しいものですが、

幸いなことにぼくは


とっても忘れっぽい


のです。

14:55

12/12/2008

ASTRO

帰りのJALの機内食がなかなかで、

鴨胸肉のハニーロースト、フォアグラと旬野菜のケーキ仕立てに、シュリンプとホタテのマリネ。

おいしそうでしょ?

どれも悪くない味で満足。


機内では傑作と名高いジョー・ヒルの処女短編集『20世紀の幽霊たち』を読破しました。


文学系ホラーというか、

ホラー系文学というか。


こういう紹介はいけないのかもしれませんが、

ジョーはスティーブン・キングの息子で

お母さんも小説家というサラブレッド・ボーイ。


『ASTRO BOY』の仕事でぼくがハリウッドへ携えて行くのにピッタリでしょう?

俗に「ハリウッド版アトム」と噂されている『ASTRO BOY』は、

正確には香港のimagiというCGプロダクションが製作しています。


ですが、メイン・スタッフはハリウッドのオフィスで働いているし、

さまざまな国の才能がこのために集まっています。

プロデューサーのマリーアンと監督のディビッドはイギリス人だし、

撮影監督はスペイン人。


ほかにもデンマーク、メキシコ、アルゼンチン、もちろんアジアからも、

たくさんスタッフが参加しています。

国際色ゆたかですが、

それがアメリカという国なんですね。


逆に、純粋な米国人のスタッフの方が少ないかもしれません。


脚本家のティモシーは米国人だけどいまはロンドンに住んでいるし、

ぼくたち日本からの客の面倒をみてくれているエイシアは、日本生まれで母親が日本人。

ビバリーヒルズのホテルのレストランでディナーをごちそうになったとき、

エイシアは懐かしそうにまわりを眺めて

「子供の頃ここに来たとき、ちょうどケネディの暗殺があって、足止めをくらったわ」

ですって。


『プリティ・ウーマン』にも登場したこのホテルは歴史的な建物です。

残念ながらぼくが泊まっていたのはそこではありませんが。

マリーアンは屈託なくよく笑います。

『ASTRO BOY』本編の(おそらく最初の)ラフ・カットの試写

――これは日本から訪れたぼくらのためにわざわざ試写室を借りてみせてくれた――

を見ながら、

彼女は面白い場面で自分でウケて笑います。


なかなか日本では少ない光景というか、

まだ完成前の試写でプロデューサーが笑っている姿は。

試写の後、監督のディビッドに

「アトム誕生の場面は、もしかして『フランケンシュタイン』のパロディ?」

と尋ねると、彼は

「ぜんぜん意識してなかったけど」

とキョトンとして、

「だけど『フランケンシュタイン』は大好きだよ」

というので、

「アトムが動き出すのを見て、天馬博士が

Alive! It's alive!

と叫ぶのかと思った」

とぼくがふざけると、

マリーアンはケタケタと笑ってくれました。


ちなみに彼女はドリームワークで『シュレック』などのチームにいて、

ディビッドは『ウォレスとグルミット』で有名なアードマンのプロダクションで働いていた監督。


今回のプロジェクト・チームはとてもいい雰囲気で、


殺伐とした日本の現場を知っていると、

なんだかうらやましい。

日本のコンテンツがアメリカで映画化される機会が増えていますが、

この『ASTRO BOY』はかなり友好的な

というより

日本側と密ないい関係が築けたんじゃないかしら。

彼らはぼくの話をよく聞いてくれるし、

アドバイスにもきちんと対応する。


もちろんこちらは原作者側で、

契約条件があるからには違いありませんが、


日本で映画化されるときなんかは悲しいことに、

こんなにきちんと対応してくれませんからね。


日本でぼくの立場を理解して、アドバイスを真摯に受け止めてくれるのは浦沢直樹さんと長崎尚志さんの『PLUTO』チームくらい。

ハリウッドのヒトたちは日本人ほど手塚治虫に詳しくはないけれど、

日本の映画会社の人々よりも尊敬を態度と形にちゃんと表します。


それはたぶん、彼らが本当のクリエイター(映画人)だからじゃないかな。


同じ映画人の目線で、ぼくの話を聞いてくれるのは。

「これから音のプランを考えるのだけど、音楽についてはどう思う?」

とマリーアンが真剣な顔で聞いてきます。

「ディビッドはダニー・エルフマンみたいなスタイルがいいっていうけど」

「ほくもそれは賛成。ダニーは忙しくて無理かもしれないけれど」


彼らはぼくを信頼してくれていて、

いろいろ意見を聞いてくるし、

自分たちの意見もきちんと言います。


以前に来たとき、

「ニコラス・ケイジがアトムの大ファンで以前からやりたがっていたよ」

とぼくが話したら、

彼らは早速ニックに当たって、

見事声優としてゲットできたし、


アトムのキャラクターもかなり細かく修正をお願いしたら、

とても良くなったし。


本当に協力的な態度を見せてくれます。


もちろん彼らにも主張はあるし、

譲れない部分もあるだろうし、


ぼくだって彼らの考えをできるだけ理解して、

その上でアドバイスしているつもりです。


頭ごなしに良い悪いと言うんじゃなくて。

でもなにより

スタッフみんなが心からアトムを愛してくれていて、

ぼくが近寄るとみんなニコニコして、

この仕事に関われて良かった、

と言って喜んでいる。


なんか、嬉しいですよ。

インターナショナルな味付けはたっぷりなされていても、

作り手の誠意は作品に現れるんじゃないかしら。


まだまだ完成はずっと先で、


来年の夏以降ですが。

楽しみにしていてください。

01:02

12/08/2008

SEDRIC

最近いろんな人に、

「コウモリの名前、ロッドユールは『ムーミン』からでしょ。あとはわからないけど」

って言われるので、

あ〜、
みんなこのブログ読んでくれているのですね。


いかにも「ロッドユール」はスニフのお父さんの名前です。


「セドリック」というのは、そのスニフが大切にしていたぬいぐるみの犬の名前。


細かいところから名前取ってます。

『ムーミン』は子供の頃に熱中して、

繰り返し読んでいました。

一番読んだ童話じゃないかな。


それで子供の頃は童話作家になろうと思ったこともありましたね。

なりませんでしたが。


空想好きというところは

いまも変わっていません。

話かわって、


友人のAEMIさんが新しい店を霞ヶ丘にオープンしました。


店、とはいってもフローリングの床に漆のバーカウンターがあるだけの、

フリースペースのような、

スタジオのような、

人の家のリビングのような、

フシギに寛げる空間です。


まあAEMIさん本人がフシギな美女だからでしょうか。


オープニングに駆けつけたヒトたちも一癖あるヒトばかりで、


天野小夜子さんとCCBの関口誠人さんのミニライブがあったり、
東京キャバニーのダンスやら、
トンチさんのスティールパンの演奏(これがかなりイイ)やら、
中原昌也さんやら、

ミュージシャン、コンテンポラリーダンサー、デザイナー、フラワーアレンジャー、などなど

が、こじんまりした部屋にわさわさいるのが楽しい。


ムーミン谷の仲間たち
って感じ。


よく言うとアーティストの集まるサロンですね。


こういう場所は大事です。

ちいさくても、ここから何かが生まれそうな感じで。


店の名前は「メコンプシス」

だったっけ?
間違えてたらゴメンなさい。

さて、

今日から映画『ASTROBOY』のミーティングでロス行きです。


その間、ブログお休みです、

すみません。

15:11

12/06/2008

BUNRAKU

ふと思い立ち、

文楽の公演を観に行きました。


いわゆる 人形浄瑠璃 です。


「いいご趣味ですね」と言われそうですが、


お恥ずかしい話、

実はちゃんと観るのは初めて。


部分的にみたり、映像でみたことはあったのですが、

公演には行ったことがなく

これが文楽デビューになりました。

能、狂言、歌舞伎、雅楽、舞楽、田楽、浪曲など、

伝統芸能はたまに観るのですが、

文楽だけ、なぜか抜けていて。

今回の演目は

『源平布引滝』

で、


なんのことはない

先だって海老蔵が歌舞伎で上演した、同じネタです。


同じネタを歌舞伎と文楽で見比べるのも、なかなかオツなもの。


江戸の作ですが、
成立はどちらが先だったのか、実はハッキリしていません。

浄瑠璃より先に歌舞伎の上演があったそうですが、

はたしてそれが同じ物語だったのか、

手持ちの資料ではわかりません。

いずれにしても、

日本人は人形が好きですね。


女性の仕草の色気、
男の格好よさは、

もしかしたら生身の役者以上かもしれません。

文楽の、ひとつの人形を三人が姿を見せながら操るという

あの形は独特で

世界に例がありません。

なにしろ右手と左手を別の人間が操るのです。


ここにも日本らしいフシギな「かたち」が何かありますね。


もっと観てゆこうと思いました。

13:31

12/04/2008

HOBBY

コウモリを飼う以外に

どんな趣味があるかと聞かれると、

すぐにパッと浮かびません。

たとえば
映画や芝居を観たりするのは仕事の延長でしょう。

音楽を聴くのも。

ただの趣味といいにくい面がありますね。

仕事から離れて
最近のマイブームでいえば、


「右や左に関する本を読む」


これは前にも書きましたね。


本を読むのは好きなんですが
なかなか時間が作れなくて

旅行に持っていったり

夜ねる前にベッドで読んだり。

だからベッドの横に本が山のように積みあがってしまってます。

「先祖のいた土地を訪ねる」


先祖といっても
江戸の頃は水戸藩の御殿医だったので


もっと古い時代。


平安時代とか。


しかし、これはすぐに仕事に結びついてしまうかもしれません。


先祖の出てくる映画の企画を考えているので。

「友人のポートレートを撮る」


これはいまのところ、かなりの趣味かも。


写真は専門じゃないので、
カメラはうまく扱えないのですが。


実はメカ音痴。


でも中学の頃は「写真部」にいたんですよ。

ほとんど遊んでいただけでしたが。

祖父はカメラマンだったんです。


やはり仕事ではありませんでしたが、

趣味で一生写真を撮っていました。


ちゃんと現像するための暗室もあって。

写真がスキな人は自分で現像してプリントもしますね。

ぼくはそれが面倒で、撮りっぱなし。


いまでもただ「撮る」専門で、

自分でプリントしないので

写真家としては失格ですね。


技術力もないし。


それでも、撮るのはすきなんです。

写真も映画もカメラで撮りますが、

実はずいぶん違います。


最近そのことがやっとわかりました。


まず映画はカメラを縦に構えることはありません。


それでぼくの撮る写真も横長が多かった。


最近、写真家の友人に指摘されて気づきました。


写真の世界では縦長は常識です。

人間は縦長ですからね。

だから
海外ではカメラを縦に構えることを

「PORTRAIT」

と呼ぶんですって。

それから、

映画の撮影は基本が光があることで、

光が足りなければ当てる。


ところが写真は多少暗くても写ります。


むしろポートレートなどは、直射が当たっていない日陰なんかの方がきれいに撮れる。


ということを最近知りました。

(>_<)


でも、まあ、

知らぬが華

というか、


あまり詳しくならない方が、

意外な写真が撮れていいかもですね。


趣味なんですから、

自分勝手に気に入っている方がね。

03:10