Tezka Macoto' 6D

プロフィール

1961年東京生まれ。世界でただひとりのヴィジュアリスト。

高校で映画製作を始め、17歳の処女作が日本映像フェスティバルで特別賞を受賞。大島渚に激賛され、以後インディペンデント映画を多数発表。8mm映画『MOMENT』でカルト的な人気を得る。

大学生のときにテレビや雑誌で仕事を始め、ショートホラーのルーツである番組『お茶の子博士のホラーシアター』(「もんもんドラエティ」)が評判になる。また『ねらわれた学園』で俳優としても怪演。
85年、ロックミュージカル映画『星くず兄弟の伝説』で商業監督デビュー。

以降、実験映画から商業作品まで様々な映像製作の傍ら、小説の執筆やイベントの演出、音楽のプロデュースなどを行う。Vシネマの草分けとなった『妖怪天国』を監督し、数々のMTVを演出。黒澤明監督の現場に取材しメイキング・ビデオを撮る一方、開発初期のハイビジョンで東大寺を撮る。

黎明期からデジタル・メディアに接し、生物ソフトのエポックメイキングとなったCD-ROM『TEO~もうひとつの地球』をプロデュース。世界19か国で58万本を売り数々の賞に輝く。
10年を費やした意欲作『白痴』が99年のヴェネチア映画祭でデジタル・アワードを受賞。フランスでも劇場公開される。

93年に自身のオフィス「NEONTETRA」を設立。モデルの橋本麗香らのマネージメントも行った。
また手塚治虫の遺族としても活動を行い、記念館やホームページをプロデュースする。

近年はアニメの監督も行い、テレビアニメ『ブラック・ジャック』は東京アニメアワードの優秀作品賞を受賞。監修を行っているマンガ『PLUTO』(浦沢直樹)がヒットし、数々のマンガ賞に輝く。
最新作は劇映画『ブラックキス』。(2006年)

手塚眞
NEONTETRA

Apr 27, 2009

ACADEMY 2009 3

おかげさまで「手塚治虫展」は大盛況。


「手塚治虫アカデミー」

も無事おわりました。


観に来てくださった皆さま、ありがとうございました。


「火の鳥」も豪華なパネラーの皆さんから貴重かつぜいたくな話をたっぷり聴けて、

こちらも幸せでした。


岡野玲子の感動的な秘話とか、

松岡正剛さんの含蓄ある話も期待以上に凄みがあって、

さりげなくおっしゃる瞬間も聞きのがせなくて

――そうか〜、ゲーテの『ファウスト』の原型は『ヨブ記』なのか、とか――

勉強になりましたね。


本当いえば、

あと2時間くらい話していたかった。


まだまだ、皆さん核心まで行き着かないうちに時間となりました。

松岡さんがおっしゃっていたように、

「まだまだ手塚治虫については語られなければならない」。

この「手塚治虫アカデミー」も、続けるつもりです。

たとえ1年に1回でも。


楽屋でパネラーの皆さんから

「こんなに父親のことに一生懸命な息子って、珍しいね」

と言われたのですが、

たしかに自分でも珍しいと想ってます。


皆さんだって、

自分の父親のこと、そんなに一生懸命やらないでしょう?


まあ、ぼくは変わり者ですから。

親に反抗期もまったくなかったし。

そういえば、

父が亡くなって以来、
ずっと何か手伝ってますね。


亡くなってすぐにNHKで番組作ったし、

手塚治虫記念館をプロデュースして、

公式サイトも立ち上げ、

デジタル・ソフトも出したり。


2003年のアトムの誕生日ではいろいろイベントにも参加しましたっけ。

『PLUTO』の監修をはじめ、

テレビと映画の『ブラック・ジャック』を監督したり、


なんだか、やってること多岐にわたってるなあ。

あと、実らなかったものでは

アトムを3DCGで作るプロジェクトとか(結局、いまハリウッドで作られてますが)

テーマパーク「手塚治虫ワールド」

やら、

ゲーム「ジャングル大帝」

なんてのもありましたっけ。


どれも数年越しのプロジェクトでしたが。

だから、特別に80周年で一生懸命ということでもないのですよ。

さてしかし、

そろそろ息子仕事ばかりじゃなく、

ヴィジュアリストの自分の面倒もみなければ。

年頭に、

「初心に戻って映画を」

といったわけだし。

自分の映画の企画は、少しずつ進んではいますが、

そろそろ本腰をいれなくちゃ。

あと今年は、

映画『白痴』から10年を記念して、

また新潟でなにか企みます。


夏には、ロンドンで、ある展覧会に参加する予定。

それも新しい映画に関連するのですけどね。

ヴィジュアリスト、突っ走ります。

とはいえ、

連休はひと休み。


「突っ走る」準備しなくちゃ。

03:15

Apr 20, 2009

ACADEMY 2009

いまごろバレンタインデーにもらったチョコ食べてます。


1日、家でぼんやり。


先週末は「手塚治虫展」開催で、

数千人におよぶ、

本っ当に多数のご来場ありがとうございます。

そして土曜日は 「手塚治虫アカデミー2009」でした。


まずは

「日本アニメの未来」。


パネラーに

杉井ギサブロー監督  …はぼくが子供の頃から存じている、というより子供の頃のぼくを知っている方。

マンガ家のゆうきまさみさん  …はぼくが「究極超人あ〜る」のファンでサインをもらったことのある方。

アニメプロデューサーの竹内宏彰さん  …は初対面でしたが、『アニマトリックス』などをプロデュースされた国際的な方。

多摩美教授の片山雅博さん  …とは学生時代からのおつきあい。
ですが、今年アカデミー賞を捕った『つみきのいえ』の加藤監督は彼の教え子です。

『鉄腕アトム』から始まった日本のアニメ産業。

その現状とこれからを考える、というテーマでした。


細かな内容はここで触れられませんが、


ひとつの結論として上がったのが

「多様性」

というコトバ。

実はこれマンガやアニメの話を越えて、日本の文化や社会を考える上でタイヘン大事なキーワードで、

この一語が出ただけでも収穫の大きかったディスカッションでした。

ふたつめのシンポジウムは

「アートへの道」。


パネラーは

リリー・フランキーさん  …とは初対面が映画の現場で、ふたりとも出演者で、しかも石井輝男監督の遺作でした。

アーティスト日比野克彦さん  …とは、とっても久しぶりに対面。

メディアアーティスト岩井俊雄さん  …はかつてぼくにCG(Amiga)を教えてくれた師匠です。

現代美術館キュレーターの長谷川祐子さん  …は初対面ですが、日本のコンテンポラリー・アートに一番詳しく、貢献されている方。

日本のマンガ、アニメはアートになりうるのか、

という、やや愚問ともいうべきテーマでしたが、

― つまり、この場合「アート」が定義できないので。

「美術」なのか、「表現」なのか、または新しい「文化」そのものなのか ―


この話の帰結は(まとまることは期待していませんでしたが)、

日本のマンガやアニメはアート以前に偉大な文化なのであって、

その

「自覚」

が大事ということでしょうか。

1940年代以降に日本で生まれて育っていれば、それは身に染み込んでいるはずで、

だから特別に意識しなくとも個人の表現に顕れる。


では、はたしてその奥には


というのが次回のテーマで、

「永遠の火の鳥」。

そこにこめられた日本の歴史、日本人はなにを語ってきたか。


「いのち」をどう見てきたか。


マンガを読み解きながら、

日本の精神の根源に迫ります。


その前に、


ちょっとひと休み。


しばし呆けます。

21:14

Apr 18, 2009

OPEN

さて、今日から

『手塚治虫展』

スタートです。


http://www.edo-tokyo-museum.or.jp

昨日の開会式では400人のホールに立ち見が出るという異例の状況で、


内覧会も大盛況でした。

まずはホッとして  
…はいられません。

今日は午後から

『手塚治虫アカデミー2009』

です。


昨年11月に引き続き、

今回も3回のシンポジウムが開かれます。


ぼくは 企画・プロデュース と ナビゲーター(司会) のふた役プラスα 。


詳しくは また 次回に。

09:57

Apr 15, 2009

EXHIBITION

いよいよ今週末から

『手塚治虫展』

はじまります。


江戸東京博物館です。

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp


生誕80周年を記念する一大イベント。

ということで、2年ほど前から企画書もってまわって、

営業して、

やっとこうした形で実現にこぎつけました。

感無量、


といいたいところですが

しかし、最後はやっぱり時間がなくなって、

バタバタと準備しています。


展示はまだダメ出し中です。

とにかく今回の展覧会は手塚治虫の全体を網羅しようと、

作品だけじゃなく

手塚治虫の生い立ちから生涯も知ってもらうような欲張った展示です。


子供時代に描いたマンガや昆虫の細密画から、

自宅の仕事机や本人の医師免許までありったけ展示します。


絶筆の生原稿や、浦沢直樹さんの『PLUTO』原画も飾ります。


会場の音声ガイドも、
ぼくとアトムとブラック・ジャックでお届けします。


図録には宮崎駿さんの特別インタビューも載ります。

実は、

ぼくらが基本と思っている手塚治虫についての情報も、

意外と世間は知らなかったりします。


どれほど天才であったかも。

それを少しでも知ってもらうイベントです。


日本が世界に誇る、マンガとアニメの文化。


その原点でありながら同時に先端でもある手塚治虫を再確認してほしい。


そんな気持ちをこめています。


6月21日まで開催されていますから、

江戸へおでかけの際は、

ぜひお立ち寄りください。

17:22

Feb 14, 2009

RATOM

すでにご存知かもしれませんが

設立20年を迎える avex と、 生誕80周年になる 手塚治虫 が組んだプロジェクト

「ravex」

が始動しています。

avex アーティストが参加したオリジナル曲に 手塚プロがビジュアルを提供するという ぜいたくな プロジェクトで、

BOA と 後藤真希 がそれぞれボーカルをつとめるシングルCD のジャケットは 『火の鳥・未来編』のカットをフィーチャーしています。


ravex の音楽はとにかく クラブで踊ってもらうためのダンスミュージックで

クラシック好きだった手塚治虫にはまったく異質な…

ところが面白くて、チャレンジ。

いや、よく考えてみたら

宝塚歌劇のレビューが大好きだった 手塚治虫だから

むしろこれは原点なのかもしれませんね。

3月に発売されるアルバムにはそのためのオリジナル・アニメが用意されていますが、

なんとそこには、アトムが進化した


「ラトム」


というキャラクターが登場します。


もちろんぼくが作ったキャラなんですが。

今日やっと、アニメが完成したところですが、

なかなかとばしてます。


どんなキャラが出現するか、

お楽しみに。

今日は豊島区でも
「トキワ荘記念碑建立記念」
ということで講演会をしてきましたが、

本当に日々、手塚治虫漬けです。

しかし、そろそろぼくの本業である映画を始めなければなりません。

新作の脚本に取りかかりながら、

明日はひさしぶりに8mm のアート・ムービーを撮影しにでかけます。


ちいさなことでも映画作りに関われるとうれしいものです。

23:01

Dec 13, 2008

ANIME ANIME

いま5つのアニメーションに関わっていて

ひとつは一昨日書いた『ASTRO BOY』。

立場はコンサルタントかアドバイザーというところでしょうか。


それから avex と組んでやっている『ravex』のプロジェクト用のアニメ。

こちらは企画とプロデュースをやっていますが、

一部キャラクター・デザインやシナリオもやっています。


それから短編の『森の伝説 第二楽章』。

これは父の跡をついで監督をやっています。

いまだコンテの段階ですが、

父の跡をついで遅れています。

(>_<)


ほかに手塚治虫原作による長編劇場アニメの企画が進んでいて、

そちらはプロデューサーか監修として関わりそう。

手塚治虫とは関係ないものでは、

子供の施設のためのアニメ作りがあって、

5分程度の話をふたつ作ります。


一応監督なんですが、

制作チームがメキシコにあり、

絵コンテは描いて送ったものの、

日本でチェックを入れるという変則的なスタイルで進んでいます。

なんだか気がついたらアニメの仕事が多くなって、

子供の頃に

「マンガとアニメの仕事だけはすまい!」

と誓ったのがウソのようになってしまいました。


生まれと立場を考えれば逃れようがない運命ですけどね。

中途半端に絵が描けたりするのがまたいけません。


実はそれほどうまくないのです。


みんなは「うまいよ」というのですが

デッサンとかちゃんと勉強したわけではないし、

落書きの延長です。


もっとも、

父も自分でそういっていました。


なんでも経験を重ねればうまくなるものですが、

ぼくは毎日絵を描いているわけではないし、


監督やプロデューサーはどちらかといえば、
ペンよりも口を使う仕事で、

だから絵がうまくなることはないかもしれません。


まあしかし、

アートの領域では、
うまいからいいというものでもない。

テクニックは少しあった方が便利かもしれませんが、

むしろ何も知らない、

できないという方が

新鮮な感性で表現できるものです。

中途半端にあれこれ知ってしまっている自分は、

だからたまに知らないフリをしています。


一度おぼえたテクニックを忘れるのはなかなか難しいものですが、

幸いなことにぼくは


とっても忘れっぽい


のです。

14:55

Nov 4, 2008

EROS

「手塚治虫アカデミー」

2日めは、ふたつのプログラム。


「アトムの時代」

はパネラーに、 富野‘ガンダム’由悠季監督、荒俣宏さん、大森一樹監督、そして石上三登志さん。


「女性マンガの世界」

は里中満智子先生、萩尾望都先生、手塚るみ子(妹)さん、藤本由香里さん。


という、

今日も豪華で強力なメンバーでした。


180分のシンポジウムが連続ふたつで、
さすがにかなりエネルギーを使いましたが、

無事終わりました。


期待通りものスゴイ密度のディスカッションになり、

2年間かけて企画してきて良かった、

とホッとしました。


詳細を伝えられないのが残念。


とはいえ至極くつろいだ雰囲気で、

かなり専門的な話や深い洞察がありながらも、

堅くならず楽しく話を聴くことができたのは、

これもやはり表現者として一言持った大人たちが集まったから。


なかなか他では聞けない貴重な想い(本音)を語っていたり、

何よりも皆さん全員が手塚治虫を尊敬してやまないという気持ちがダイレクトに伝わってきました。


謀らずも男性チームと女性チームの表現の差がおもしろく、


しかもどちらも手塚治虫マンガを語る重要なキーワードとして

「エロティシズム」

を挙げたところが痛快でした。


参加パネラーの皆さん、本当にありがとうございました。

そして司会をやってくださったさとう珠緒さん、

大役お疲れさまでした。どうもありがとう。


主催していただいた東京都、財団法人東京都歴史文化財団、東京都江戸東京博物館の皆さん、
後援の読売新聞社の皆さんに感謝いたします。


そして、
ご参加いただいた観客の皆さん、

本当にありがとうございました。


この企画は来年も続きます。

01:27

Nov 3, 2008

HAPPY BIRTHDAY DAD

「手塚治虫アカデミー」

まずは初日のプログラムが無事終了しました。

パネラーは藤子不二雄A先生、浦沢直樹先生、犬童一心監督、呉智英先生。

手塚治虫のデビューからの軌跡を見ていきながら、

それぞれの想いや隠れたエピソードを存分に語っていただきましたが、


とにかく話が濃くて、

尽きない!


2時間30分のシンポジウムが、全然時間切れでした。


仕方ありません。

手塚治虫について語るのですから、

これはきりがないのです。

パネラーの方が語るほどに、その天才性がスゴミを増してくるという・・・。


それにしても、

パネラーの皆さんのサービス精神といいますか、

観客を飽きさせず語るテクニックもまた素晴らしかった。

一流の表現をされている方は、やはり一流のエンターティナーでもあります。

ときに笑わせ、ときにうならせ、感心させられます。

エンターティメントを創りだすヒトは本来そうあるべきかもしれませんね。


さて今日はいよいよ、


誕生日おめでとうございます、

お父さん。


そして皆さんにすてきなお知らせは、

来年(2009年)4月に大々的な展覧会

「手塚治虫展」

を江戸東京博物館で開催します。


ああ、

今日発表できて良かった。


詳しくはまた改めて書きますね。


お楽しみに!

00:54

Nov 2, 2008

ACADEMY

東京文化発信プロジェクト

「手塚治虫アカデミー」

いよいよ開催です。


手塚治虫の作品を語りながら、日本のマンガやアニメについて考える2日間。


これを父の80歳の誕生日に開くのは、ぼくの念願でした。

なんとか間にあった、

という気持ちで感無量です。


2年前にこれを思いついたときには、

「まだ2年もある」

と余裕だったのですが、

こうしたフリーの企画は、なかなかうまく進まないものです。


自分で企画書つくって、あちこちの会社をまわりました。

どこに行っても

「いい企画ですね」

と言ってはもらえるものの、

「わたしたちのところではできませんね」

と断られてばかり。

‘手塚治虫’の企画だからって、世間は甘くないんです。


断わられては営業に行き

と繰り返して、

(かなり偶然だったのですが)

やっと理解と情熱ある方々にたどり着き、

こうして実現できたという。


ひとつひとつ、想いを企画にして、

それを成立させるには、時間と根気が必要です。


人気あって有名なものだから簡単にできるだろう、

なんてとんでもない。


ぼくはあきらめが悪いので、

途中で投げ出さずにがんばると、

運の女神が微笑んでくれるのです。


さて、

これからが本番。


プロデューサーと司会(ナビゲーター)を兼ねているものですから。

00:50

Sep 8, 2008

DISNEY

しかし、

本当は歌舞伎なんか観ている場合じゃなくて、

アニメ『森の伝説』のコンテをやっています。


父の残したシノプシスがあるとはいえ、

なんたってアニメは絵コンテが命

――というかシナリオ代わりで演出の要。


そもそも『森の伝説』は、30年近い構想を経て製作されたものですが、

その企画意図には

「なによりもディズニーの偉業に対する尊敬と追悼の意味をこめて」(手塚治虫 1987)

とあります。


そして今回てがけている第二楽章の説明に

「最盛期ディズニー作風の再現」

と記されています。


ということで、

ディズニーの『バンビ』や『ファンタジア』を参考に見直しているところですが、


観れば観るほど――

そして息抜きに歌舞伎なんか観たものですから、

ディズニーのアニメと日本のアニメは感性の根源が違うなあ、

と感じてしまって。


いや、アニメに関わらずですが。


マンガでもアニメでも、描写は現実の単なる模倣ではなく、

あるところは誇張であって、

ある部分は省略や整理なのですが、


この誇張や省略の芯というかコアになる感性が、

やはり日本と西洋では違うな、と。


つまりディズニーと手塚治虫は何が違うかというと、

ただ時代とか経済とか状況とか才能の差だけではなく、

民族に内包される視覚や感覚や創造力の差があって、


写実の大胆な誇張としての表現と、

情感を意識して抽象化の上での誇張や省略は、

やはり全然ちがう。


もちろん後者が日本的な感性であるのは言うまでもありませんが。


だから、この『森の伝説』という企画は少し難しいです。

西洋の技術(型)と日本の感性(眼)の融合でなければならないので。

まあ、それがそもそもの手塚治虫らしさではありますが。

ところで、

話かわりますが、

歌舞伎の花道の元は、能の橋掛りだと思いますが、

なぜ舞台の左側にあるのか、

ご存知の方はいますか?


「なぜ左なのか?」

が、

いま密かにマイ・ブームなんです。

22:24

Aug 10, 2008

HIROSHIMA 08

第12回広島国際アニメーションフェスティバルに顔を出しました。

手塚治虫回顧上映があって、そこで挨拶をしたのですが、

上映の合間にはトークショーもあって、

その顔ぶれがスゴイ。


銀河鉄道の夜・杉井ギサブロー、銀河鉄道999・りんたろう、あしたのジョー・出崎統、ボトムズ・高橋良輔、ガンダム・富野由悠季(年功序列、敬称略)

と、日本のアニメ界を代表する錚々たる顔ぶれ。

彼らが揃うトークはかつて一度もなかったばかりか、

これからも二度とないかもしれません。


実は全員、虫プロダクションの戦友であり、
(ということはぼくの幼年時代を知っていて)

手塚治虫の元に集って日本のテレビアニメを築き上げてきたつわものたちです。


当時の思い出やエピソードを語っていただきました。


が、通訳が入るので話が分断されるのがちょっと残念でした。


しかし、


りんたろう監督が後輩である富野監督を叱りつける場面があったり、

唐十郎さんが『W3』の脚本を書いていたとか、

それが最後までできなくて、お詫びに金粉ショーで踊ってみせたとか、

(◎o◎)

ぼくも初耳の話もあって、実に有意義で楽しかったです。

さてそこで、

ぼくもひとつ宣言させてもらいました。


「手塚治虫未完のアニメーション『森の伝説』を完成させる」

こと。


これは父が生前手がけて第1章、第4章だけできていた短編アニメーションで、

その2章と3章にこれから取り組みます。


うまくできれば親子2代で作ったアニメになるので、

そういう意味でも珍しい作品になることでしょう。

20:48

Jul 3, 2008

FUJIMIDAI

練馬、地元のケーブルテレビの番組の収録で、

自分の生家の周辺をまわりました。

練馬区富士見台、

といったらマンガとアニメのメッカ、

聖地です。


なにしろウチがあったのですから。

近隣に大御所のマンガ家先生やアニメ関係者がたくさん住んでいます。


虫プロは今でもありますが、隣接していた家はすでにありません。

とても広大な家だったもので、いまはその後地に10軒ちかい家が建っています。

でも町並みはあまり変わっていません。

40数年前を思い出して懐かしくなりました。


手塚治虫は生涯現役でしたから、いつが最高だったということはないのですが、

やはりこの、富士見台の虫プロ時代が黄金期だったように思います。


子供だったぼくにとって、思い返しても、
すべてが夢のようでした。

家はいつもにぎやかで、
たくさんのユニークな大人たちに囲まれていました。

杉井ギサブローさん、りんたろうさん、ガンダムの富野さん、
みな一緒に仕事していました。


家の中でかけっこや鬼ごっこができて、

2階に上がる階段が3つ、玄関が3つ、トイレが3つありました。

家の中で探検ができたのです。

家のはしからはしまで歩くと、3分くらいはかかりました。

庭は草野球ができる広さで、池がふたつ。

大きな花壇があって、まるで公園のようで、
事実、公園と勘違いして遊んでいる子供がいたくらいです。


今日の番組はレポーターとして吹田明日香さんが来てくれました。

「スター誕生」のチャンピオンでしたよね。

なんか、すべてが懐かしい感じでした。

00:11

Apr 25, 2008

NAF

ひさしぶりの更新です。

この間、

忙しかった、
書くほどの出来事がなかった、
書けないオフレコ話ばかりだった、

などなど言い訳できますが、

まあ、その全部です。

今年は、ネットに上げられないタイヘンな企画が目白押しで。

それは、また、おいおい。


さて、
明日から新潟です。

坂口安吾ゆかりの新津美術館で、今回は安吾ではなく、
少女マンガ展が開かれていまして、

題して「少女マンガパワー!」。

http://www.city.niigata.jp/info/naf/

北米巡回していた展覧会ですが、

日本の少女マンガの歴史といいますか、

つまり、
手塚治虫「リボンの騎士」から岡野玲子「陰陽師」まで、

のカラー原画などが並ぶ、なかなか壮観な企画です。

しかも。

珍しく、(とても珍しく!)
岡野玲子が自身のマンガについてのトークショーをします。


というわけで、
岡野とぼくがふたり揃って行くという、

これまたかなり珍しい事態になりました。

ひとりでもとんでもないのが、ふたりですからね。

天変地異が起きなければいいのですが。


残念ながらトークショーはすでに定員いっぱいだそうですが、
展示は5月25日までやっています。


この展覧会は7月には京都(国際マンガミュージアム)、
9月に高知(横山隆一記念マンガ館)でも開かれるようです。

近隣の方は要チェックですね。

00:49

Jul 5, 2005

怪医黒傑克

アニメ『ブラック・ジャック』の台湾での放送がスタートします。
7月9 日から、TTV(台湾地上波の老舗)にて。
毎週土曜の夕方6時30分からという、おいしい時間帯。
ありがとうございます!
少しずつ、海を渡ってゆくのですね。

00:53

May 29, 2005

OPENING

前に書きましたがテレビ『ブラック・ジャック』のオープニング+エンディングが変わります。
せっかく馴染んだのに、てところですが、永いおつきあいになりますから、このへんで新鮮な気分に。
新曲はglobeとhiroです。

主題曲はぼくが選んでいるわけじゃなくて、これはレコード会社とのタイアップで決まるのです。
監督に選択権ないので、ぼくはただ映像を添えるだけ。
でも前のジャンヌ・ダルクと大塚愛はとても売れましたね。
『ブラック・ジャック』で使われると売れる、て実績がつめるといいのですけど。
ぼくも以前はMTVけっこう作っていたので、ムカシとったキネヅカ、てヤツですね。

03:52

Oct 25, 2004

おわび

ぼくが憤ったり落ち込んだりしているうちに大地震が起きた。
これもイヤなシンクロ。
今夜、放送予定だった『ブラック・ジャック』に地震の場面があったので、急遽放送内容を変更します。
こういう“万が一”の場合に備えた対策を作り手側は考えてるのですが、いざというときなかなか計画が実行できずにヤキモキするものです。
毎週放送の難しさですね。

番組を楽しみにしてくださっている皆さま、本当にごめんなさい。
来週放送の第4話「お医者さんごっこ」はかなりお薦めです!
よろしく。

16:49

Oct 11, 2004

CHALLENGE

血が一滴も出ないというのはですね、
テレビ局の要請でも規制でもなく、これは演出家としての挑戦なのですよ。
たぶん局は少しくらい見せても、と思っている。
たしかに血を見せないと不自然、生命を伝えにくい、と思うかもしれません。
でもムカシ『鉄腕アトム』なんかは血を見せずにそれを伝えてましただ。
いまの世の中、血なんかいくらでも見られる。
ぼくはテレビアニメに関しては考え方が古いのですよ。
なんたって虫プロで育った人間ですから。
(^_^)

血が出るものを観たかったらワタクシの新作映画『シンクロニシティ』へどうぞ!
メスで切り刻んで過激に血が流れますよ!

23:04

Oct 7, 2004

秒読み開始

『ブラック・ジャック』オンエア4日前。
で、まだ製作中。
明日マスコミ試写と記者会見あるから、それまでに仕上げないと。
なかなか生々しい話でしょ。
でもね。
致命的に遅れてるってワケじゃないよ。
画コンテは1クール分以上できていて作画に入ってるし、脚本は2クール分あがってる。
今日は5話のアフレコしていて、画は全部あがっていて“線撮り”はないし。
ただ自分たちのこだわりで少しでも質を良くしようとリテイク(修正)をしているだけの話です。
実は視聴者にはわからないくらいの細かな直しだったりするんです。
ものづくりの最低限の良心として。
もちろん間に合わせますよ。

23:37

Oct 4, 2004

リテイク

商業アニメで最後まで粘るところはですねぇ
なんといっても“画”の直し。
これがカナメ。
なにしろ大勢で画を作ってるから。
みんなキャラクターのお手本みて描くのだけど、やっぱり人によって癖あるし、上手いヘタもね…。
(実は毎週ちがう人が作画を担当してるだよ)
だから一度作った画面を直すのだけど、
時間と予算 ってモノがある。
いつまでも直してると某劇場アニメみたいに9年越しで製作費26億円、なんてホラーな結果が待っている。
この攻めぎ合いが商業アニメ製作のスリリングなところかな。
あー、
オンエアまであと7日に迫っちゃった(ToT)。

21:25

Oct 1, 2004

また危機!?

ダビングなのに音楽がそろってないっ。
ダビング っていうのは映像作品に音をつける作業で、ふつうはこれで完成になる。
はずなのに肝心の音楽ができてこないなんて!
そんなのアリですか。
アニメの場合、画が間に合わないってことはよくあるのだけど。
珍しいな。
あっ 画もまだ完全じゃなかった…。
直しがまだできてこない。
あ〜
10/11からのオンエアにはたして間に合うのか?

17:57

Sep 30, 2004

PLUTO

監修してる漫画『PLUTO』の単行本が本日発売です。
いわずとしれた手塚治虫原作・浦沢直樹リメイクによる『鉄腕アトム 〜地上最大のロボット』。
ぼくは原作者遺族だからあまり客観的なことはいえないのだけど、(自分の責任において)原作のキャラ絵を思い切って変えていい、とは進言させていただきました。
お腹立ちの原作ファンの方、文句はワタクシまで。

豪華本と普及版の同時発売だから気をつけて選んでね。

16:18

Aug 19, 2004

漫画とアニメ

漫画を動かすとアニメになる って単純に考えてるヒトが案外多いんですよ。
でも、表現の性質がそもそも違うから、そうはいかない。
手塚治虫の作品なんかは抽象性が高いし絵で時間までも表現されているから、それが動いたりしゃべったりした時点でイメージ変わっちゃう。
動きや音っていうのはある意味写実に近くなるから。
だから中途半端に原作の絵をなぞるくらいなら、ストーリーを生かしてその主題がわかりやすく表現できる方がいいと思う。
特に子供さんに見せるアニメを目指すなら。

19:56