Mar 11, 2008
INVISIBLE
ひとりでファミレスに入って席についたら、
水がふたつ、取り皿が2枚、おしぼりもふたつ持って来られた。
なぜ?
ひとりなのに?
まさかぼくには見えないもうひとりが見えた、
とか。
ヴィジュアリストという肩書柄、眼に見えるものだけを扱っていると思われてますが、
そうでもないです。
眼に見えないものこそ大切です。
見えないものを信じられないなら、見えるものもうまく扱えないというか。
たとえば音は眼に見えませんよね。
しかし、音楽がらみの仕事もけっこうやっています。
今日もカラヤンの取材があったり、夜はレコード会社で打ち合わせがあったり。
とはいえ、
ぼくはミュージシャンではないから、音楽を作ったり演奏したりは不得意ですが。
そういえば、
バウハウスのニューアルバムが出ましたね。
びっくりです。
とっくに解散していたかと思ってました。
彼らの音楽は、かつては「オルタナ」なんて呼ばれたものです。
スタイルだけでいえば、ヴィジュアル系バンドの元祖的存在かしら。
XとかBUCK‐TICKとかのルーツで、
ゴス・バンドの原点でもあって・・・
ヴィジュアルが大事な音楽
てのもあるものですね。
今年生誕100年になるカラヤンも、映像にこだわり続けてました。
バウハウスとカラヤンを一緒に語るのは乱暴ですが。
Feb 28, 2008
B POPS
ときどき無性にB級映画が観たくなるように、
B級ポップミュージックが聴きたくなるときがあります。
80年代のテクノ・ポップやノイズ・ミュージックはそんなB級感覚にあふれていて良かった。
で、
ムカシ聴いたアレがまた聴きたい、
という感じでつい買ってしまったのは、
Thomas Leer、SPKにJim Foetus。
テクノ・ポップは存在自体がB級なんですが、その中でも胡散臭いというかインチキ臭いというか、
1〜2枚のアルバムだけで消えていったアーティストがいます。
ザイン・グリフとかパッションとか。
トーマス・リーアもそんなひとりで、
当時に詳しい方は吹き出す名前かもしれないですね。
クネクネしたサウンドに載せてメロウ(笑)なフレーズがオーソドックスに展開する、軟派エレポップ。
なかでも「甘い降伏」という曲がなかなかです。
一方、SPKはもともと過激な変態ノイズユニットでしたが、精神病患者だった中心人物ニール・ヒルが自殺(奥さんがダイエット剤の飲み過ぎで植物人間になったのを苦に心中)してからは相棒の元看護士グレアム・レヴェルのB級インダストリアルぶりがすさまじく、
中でも今回タイミングよく再発してしまった『Machine Age Voodoo』のノイズアーティストらしからぬ軟派ぶりは、あまりの潔さにディスコのヒットチャートにも登場してしまい、
「鉄工所の盆踊り」といわれておりましたが、
「メタルダンス」はぼくもよく踊りました。
イアン・カーティス自殺後のジョイ・ディヴィジョンがニューオーダーに成り下がって売れた感じに近いですね。
(違うか)
グレアム・レヴェルは最近すっかりB級映画サントラ作曲家になってしまいましたが。
その点、変わらずマイナーでジャンキーなポジションをキープするジム・フィータスは頑固な堕落者です。
彼の場合、テクノとかノイズのカテゴリーでくくれない独自の「オレさま」ポップス。
何度か日本でライブを観たけど、まったく本当に「オレさま」ぶりが潔かった。
音楽としてはライブよりは録音で愉しむアーティストですけどね。
才能豊かでダメなアーティストのお手本というか。
その堕落者ぶりが愛しいです。
こういうB級に生きるアーティストがいることは、なにか日々の励みになります。
馬鹿にしているようですが皮肉じゃありません。
なんだかんだ言っても好きなんですよ。
Feb 18, 2008
QUATRO
昼間はロケハンに行き、
夜は渋谷クアトロの恒松正敏さんのライブへ。
恒松さんとも、もう15年くらいのおつきあいですが、
もちろん『白痴』の美術もやっていただいて、
今日も安吾つながりでした。
クアトロはひさしぶりです。
ムカシはよくライブを聴きに来たものでしたが、
最近はちょっと脚が遠のきました。
今日はさすがに恒松さんだけあって、観客の年齢層が高い。
筋金入りの、ぶっといRock’n Rollですからね。
ところが今日はそれに加えて、
なんとホーンが入り(!)、キーボードにヴァイオリン、バックボーカルがあるかと思えば女性ボーカルまで入るという、
超ゴージャスなステージでビックリ!
(しかもみなスゴ腕のアーティスト)
かつてのフリクションのファンも仰天したことでしょう。
(ツネマツサウンドにホーンですからね!)
あと個人的に驚いたのは、20数年前にぼくのサインを本にもらったという観客に声をかけられたり、
(なんで覚えているの?)
20年前に出した本にサインしてくれと持ってこられたり、
(なんでここにその本を持ってきてるの?)
10数年ぶりの知人に次々出会ったり…
と、時間が飛ぶ1日でした。
実をいうと恒松さんのニューアルバムは、お恥ずかしながら、ぼくがライナーノーツを書いています。
Sep 6, 2007
TG
仕事の合間にタワレコに立ち寄りました。
ひさびさにCDを物色。
スパニッシュギターのスーパーデュオ、ロドリゴ アンド ガブリエラ、アフリカの新しい歌姫アンジェリック・キジョー、ネパール語マントラを熱唱する中国の新時代のポップスター、サ・ディンディン・・・。
世界には素敵な実力派が増えています。
おや?
こ、
これは・・・ !
なんと、
スロビング・グリッスルのニューアルバムがっ!!!
見つけてしまいました。
びっくり。
まだ生きていたんだ、このヒトたちは。
そんな感じですよ。
しかもオリジナル・メンバーによる、24年ぶりのスタジオ録音。
あまりに意外な再結成。
TGといえば世界のノイズ・ミュージックをリードしてきたカリスマ・グループ。
血も体液も流れる過激なパフォーマンスも話題でした。
学生時代、彼らの音も存在も大きな刺激だったし、影響は計り知れない。
B級映画音楽屋に堕落してしまったSPKのグレアム・レヴェルと違って、さすが元祖の風格というか、老舗の意地というか。
あくまでマニアしか相手にしないその潔さがインディーズの真骨頂。
これぞ正真正銘のオルタナティブと想います。
曲は、多少聴きやすくなったと感じるのは録音が良くなったせいかな。
ジェネシスPがジョン・フォックスのようなロマンティックな歌声を聴かせる曲らしい曲もあって、なんか大人っぽい。
そうか、大人のノイズ・ミュージックか。
(そんなのアリ?)
ついでにぼくの音楽趣味遍歴を書くと、
小学生で効果音レコード(つまりノイズ)にはまり、それから映画音楽に行き、クロスオーバー(今で言うフュージョン)からジャズ、そして80年代はテクノからニューウェーブ、オルタナティブ、ノイズと正しく歩み、最後にワールドミュージックに行き着いた感じです。
だからノイズは心のふる里。
逆に、
まったく聴かなかった(いまも聴いてない)のはJポップかな。
それでみんなが知っているような歌手やバンドわからないんです。
だからカラオケ無理。
曲知らないんだもの。
Jul 20, 2007
TAARAB
ザンジバルのターラブを聴きに行きました。
いつもながら、
何でしょうか、それは。
ザンジバルは東アフリカのタンザニア沖、インド洋に浮かぶ小さな島国です。
歴史の中で、様々な民族の文化が入り乱れた国。
アフリカ、イスラム、ヒンドゥー・・・。
ここで19世紀から流行っている大衆音楽が「ターラブ」。
現地を代表する人気バンドが今回来日した「カルチャー・ミュージカル・クラブ」です。
(ボーイ・ジョージではない)
これ、いきなり聴くと、どこの国の音楽か、さっぱりわかりません。
アラブ音楽がベースで、イスラム的な味付けですが、メロディはインド音楽でもあり、ときにインドネシアやマレーシアのポップスのニュアンスもあり、リズムはしっかりアフリカで、歌はスワヒリ語なんです。
楽器編成もアラビアの楽器やアフリカン・パーカッションに混ざって、ヴァイオリンやウッドベース、バンドネオンがあったりと、西欧的な香りすらある。
いや〜。
参りました。
ぼくもいろいろな音楽聴いてますが、この味は初めて。
(来日は2度めなんですってね)
もちろん曲はノリノリのダンス・ミュージックですよ。
そして、ゲストとしてステージに現れたのは、推定95歳ともいわれる「生きる伝説」の歌姫、ビ・キドゥデ。
ターラブの女王です。
太鼓を叩いて熱唱する姿に、素直に感動。
DNA内のアフリカの血が騒ぐ。
アラビックに始まったライブでしたが、ラストはしっかりアフリカで締めました。
ここのところインド、イスラム関係のライブが続いてましたが、ついにアフリカが来ましたか。
人類史をエンターテイメントにどんどん遡ってます。
ターラブで腰を振って乱れるコーラスダンサーに見とれていると、
そうか、ベリーダンスのルーツはアフリカか。
なんて思えてきます。
あれは上半身がインド、下半身がアフリカ、ハートがイスラムかしら。
あ、
そういえば。
青山のクラブでポールダンスのショー、初めて間近で見ました。
なかなか美しかった。
コレ、流行ってるんですってね。
ポールダンス。
実はポールダンサーの友達、何人かいるんです。
みんな、ちょっとエロいところがポイント。
チョイエロ・エキゾダンスが女子に人気なんです。
May 12, 2007
JAZZZ
橋本一子さんのジャズ?を聴きに行く。
今日は純粋に客だから(映像プレイもないし)寛ろいで楽しめました。
最近のトリオ“U-bx”でアルバムを出したばかり。
彼女のピアノの美しく破壊的なところは変わってない。
安心できるスリル、と書くと誤解があるかな。
激しいプレイで指を怪我し、息も絶え絶えになりながら、なおも120%がんばろうとしている一子さんは、やっぱり天性のヒトで、そんな姿がウレシイ。
一子さん(ぼくらはいっちゃんと呼んでるのですが)とはかれこれ20年のつきあいになってしまいました。
最近は8ミリ『2006』でも繊細なテーマ曲を弾いてくれました。
彼女の音楽があると、ああ、TZKムービーだなあと自分でも安心できます。
王道のジャズ(ってなに?)でも現代音楽でも演れるいっちゃんですが、どこかズラすところが自分の性に合うのかな。
彼女のブログも炸裂してるそう。
(まだ見てない)
ジャズといえば・・・
スティーブ・キューン・トリオの新譜がいいんです。
日本のヴィーナス・レコードからのリリースはスタンダードなバップが多かったのですが、いつもなんとなく「悪くないけど・・・」という感じでしたが。
今回はリズムが若手からベテランに戻り、かなりアグレッシブな仕上がり。
やっとECMのイメージから脱却して、本当にのびのび楽しんでいる感じ。
ふつうにジャズとして安心できる出来。
(ふつうにジャズ?)
でも、美しい破綻も忘れられないけど。
キューンも、もう70代だし。
話もどって。
余韻に浸りつつ、奥平イラさんの(テクノ絵画)個展に駆けつけ、恒松正敏さんや菊地拓史さんらと遅くまで飲む。
今日も酔っぱらいだ。
Mar 18, 2007
HAPPENING
東京文化会館で開かれた、やの雪さんのテルミン・コンサート。
サエキけんぞうさん、窪田晴男さんの“パール兄弟”ふたりに、赤城忠治さん(ex.フィルムス)も出演するなど80s好きには堪らないゲストに加え、本邦初のテルミン六重奏など、
見どころ、聴きどころいっぱいでした。
「手を触れずに演奏をする」テルミンは、見た目もフシギですが、
その音色は生で聴くと胸を打ち、清らかな涙が出るのです。
しかも。
来られた方には説明の必要もありませんが、とんでもないハプニングが!
なんと、
演奏中に主役のやのさんが、舞台中央で失神して倒れてしまいました・・・
(◎o◎)
病気じゃありません。
それだけテルミンは厳格に‘気’を遣う楽器なんです。
テルミンに‘気’を取られたんでしょう。
ぼくは本人をよく知っているのでさほど驚きませんでしたが、
舞台と観客の皆さんをどうフォローしたものかと、ちょい真っ青。
そこへ駆け寄る赤城忠治と岡野玲子の姿が感動を誘いましたが、
さらにサエキさんの見事なフォローMCで観客は胸をなでおろし、救われたのでした。
サエキさん、男を上げたと大評判。
そして数分後、立ち直ったやのさんは、不屈の精神力で最後まで演奏を続けましたが、
喝采を浴びたのはいうまでもありません。
こんなライブ感あふれるライブは滅多に見られるものじゃありません。
事故といえばそれまでですが、
不思議と「いいモノを見た」という幸せな気分になった一夜でした。
Mar 11, 2007
STEVE
スティーブ・キューンの72年録音のアルバム、その名も『スティーブ・キューン』が初CD化されました。
ぼくは初めて聴いてビックリ。
若きスティーブ、なんと歌ってるよ。
プログレ・ロッカーみたいなジャケ写にもビックリだけど。
(誰かに似てると想っていたら、『ファントム・オブ・パラダイス』のウィンズローそっくりかも)
演奏もエレピ中心で、当時のキラキラしたオリジナル曲は(やっぱりいいな、)いま聴くとかなりユニーク。
エレピに弦楽とラテン・パーカッションにうた、ですよ。
かなりアヴァンギャルドかも。
ボーナストラックは、この後ECMで「トランス」と「エクスタシー」を吹き込むことになる前哨戦といったデモ曲で、個人的にコレが聴けるのはかなり嬉しい。
パーカッションでアイアート・モレイラが参加していたり、推薦文をビル・エバンスが寄せていたり、
ぼくは当時のリスナーではないから、驚くことしきり。
このヒトにはこんな時期もあったんだ〜。
と想いつつ、
自分もそう言われているかも。
「手塚さん、俳優やってたんだ〜」
「手塚サンてPV作ってたんだ」
「手塚サン、ライブハウスでトークイベント毎月やってたんだ」
「手塚サン、PCソフトやってたね」
「手塚サン、ホラー小説かいてたね」
etc…
ヒトには様々な歴史がありマスよ。
Mar 3, 2007
PEARL
パール兄弟のライブが渋谷であるので行く。
一時期はメンバーが次々抜けてしまって、サエキけんぞうさんひとりのユニットと化してたけど、またオリジナル・メンバーの3人(サエキけんぞう、窪田晴男、バカボン鈴木)が戻ってライブ始めました。
ぼくはデビュー前からビジュアル担当でPVをよく作ったけれど、レコード会社移籍からは単なる客として楽しんでます。
そのせいか、やっぱりムカシの曲が演奏されると盛り上がるし、ウレシイ。
この日は最近のアルバムの曲が多かったけど、『焼そば老人』とか『快楽の季節』とかはやっぱりいい曲だし協力だし、懐かしい。
そしてアンコールの『バカ野郎は愛の言葉』で、みんなでサエキさんに「バカヤローッ」て叫ぶと、図らずもジーンと来るものがありましたね。
ぼくも歳重ねてもろくなったのかな。
パール兄弟で感動するなんて。
ひさびさのライブ、ちょい長かったけどね。
ああ、
繰り返しですがサエキさんと窪田晴男さんは今月16日の「やの雪・テルミンコンサート」にもゲストで出ますのでヨロシクね。

