Tezka Macoto' 6D

プロフィール

1961年東京生まれ。世界でただひとりのヴィジュアリスト。

高校で映画製作を始め、17歳の処女作が日本映像フェスティバルで特別賞を受賞。大島渚に激賛され、以後インディペンデント映画を多数発表。8mm映画『MOMENT』でカルト的な人気を得る。

大学生のときにテレビや雑誌で仕事を始め、ショートホラーのルーツである番組『お茶の子博士のホラーシアター』(「もんもんドラエティ」)が評判になる。また『ねらわれた学園』で俳優としても怪演。
85年、ロックミュージカル映画『星くず兄弟の伝説』で商業監督デビュー。

以降、実験映画から商業作品まで様々な映像製作の傍ら、小説の執筆やイベントの演出、音楽のプロデュースなどを行う。Vシネマの草分けとなった『妖怪天国』を監督し、数々のMTVを演出。黒澤明監督の現場に取材しメイキング・ビデオを撮る一方、開発初期のハイビジョンで東大寺を撮る。

黎明期からデジタル・メディアに接し、生物ソフトのエポックメイキングとなったCD-ROM『TEO~もうひとつの地球』をプロデュース。世界19か国で58万本を売り数々の賞に輝く。
10年を費やした意欲作『白痴』が99年のヴェネチア映画祭でデジタル・アワードを受賞。フランスでも劇場公開される。

93年に自身のオフィス「NEONTETRA」を設立。モデルの橋本麗香らのマネージメントも行った。
また手塚治虫の遺族としても活動を行い、記念館やホームページをプロデュースする。

近年はアニメの監督も行い、テレビアニメ『ブラック・ジャック』は東京アニメアワードの優秀作品賞を受賞。監修を行っているマンガ『PLUTO』(浦沢直樹)がヒットし、数々のマンガ賞に輝く。
最新作は劇映画『ブラックキス』。(2006年)

手塚眞
NEONTETRA

Apr 28, 2013

IFF

8ミリ映画の新作上映があります。

イメージフォーラム・フェスティバル2013

http://www.imageforumfestival.com

『MOONS partⅡ』

というタイトルで
文字通り昨年発表した作品の第二部。

7月から12月までの6ヶ月
毎月撮影していた映像エッセイです。

6つのパートからなる
22分の短編ですが、

実は足かけ3年かかっている
プライヴェートなアート作品です。


「憂鬱な映画」
と呼んでいますが

ストーリーもオチもない
イメージの断片だけで構成された
“断片映画”。

8ミリで表現するにはぴったりです。

何度も書いていますが

8ミリは絶滅しかけているんです。
メーカーのフィルム生産はすでに終了し、
現像サービスもこの9月で終わります。

その後は
特殊な嗜好品として
ごく一部で細々と続くのでしょう。


化石のようなメディアです。

現存しているから
生きた化石か。


デジタルと違って
何もできないんです。
できない制約だらけで。

それに
映像としては
解像度も悪いし
明度も彩度もないし。


でも
そんなプリミティブなメディアだから
むしろ魅力があるんです。


今回の作品も
プロのしっかりした映像とはまったく異なる

かといって素人とも違う

独特な手触りのものになりました。


もちろん、
プロが細心の注意を払って
ていねいに作れば
それなりの質は出せるものです。


でもそれでは
8ミリらしさが失われてしまう。


いかに8ミリらしさを残し、

しかも8ミリらしくない映像をどうやって作るかが課題でした。


東京の上映では8ミリフィルムそのままで映写します。

音声もフィルムから出しますので

いまやかなり貴重な機会になります。


東京は
4月30日13時45分から
5月3日13時45分から
新宿パークタワーホール。

京都は
5月21日14時から
京都シネマ。

そのあと
福岡、名古屋と続きます。

21:52

Apr 16, 2013

ILLUSTMOTION

ひさしぶりに手描きアニメ(動画)を自分でやってるのですが

ふだんそんなに絵を描いているわけではないので

時間かかっています。

朝まで描いて、
少し寝て…

って毎日です。


自己流の絵だから
巧くないんですけどね。

もう線画だけの
ひどくシンプルなアニメ。

世の人の多くは
ぼくが絵を描く仕事だと思ってるんですね。


ぼくは映画の監督で
絵描きではないんです。


商業アニメの場合はコンテまでやることはあっても
動画はやりません。

今回は
8ミリフィルムを使ったプライヴェートな短編映画なんで
撮影も自分ひとりでやります。

作りながら頭の中で構成や展開を考えているので

誰かに任せるとか
一緒にやるとか
できないんです。


ひとりでコツコツと。

もうひとり自分がほしいですね。

いや

あとふたり欲しい。

ふたりで仕事して
もうひとりは交代で寝るの。


日中は
どうしても何か用事があったりで
落ち着きません。

絵の線も落ち着かなくなるんです。

だからどうしても深夜の作業になります。


深夜は
自分の絵と対話してるんです。
正確には
「線」とですね。

一本一本の線が
何を描いているのか
そこにどんな命を感じるのか
とかね

対話して
気持ちが見えると
指先が自然とペン圧を操って
適切な線を描いてくれるんです。


面白いものですね。


なんて
偉そうに言っても
絵はシロウトですから。

今年は日本のテレビアニメ放送50年。

つまり『鉄腕アトム』から50年なんですが。

家のとなりで(ときどきは家の中でも)作られていたので

改めて50年と言われると
奇妙な気分です。


アトムは予算も時間もない中で作られていたので
アニメらしい動きを制限した
「リミテッド」と俗に呼ばれる技法を使っていました。

「動かなきゃならないものを、出来る限り動かさない」。


いま
ぼくが作っているのは
それと正反対で

「動かないものを動画に描く」。


8ミリ映画は1秒間に18枚の画が必要なんですが

まったく動きのないもの
ーたとえば木の幹とかは
ふつうの商業アニメで
1枚しか使わないところを
18枚描いています。


それ、
なんの意味があるかって?


「セル」とか「デジタル」とか「CG」では出ない
ナイーブな表現になるんですよ。


線が揺れる
というか
ブレる
というか。


「ああ、人が手で描いたんだな」

とわかる感じ。

8ミリ映画って
手作り以外はあり得ないんです。

手の温もりが伝わるのが8ミリの良さ。


いま、映画でもみんなデジタル化して
画面もシャープになって

ブレのないクリアなものが美しい
という風潮なんですが

ヴィジュアリストはヒネクレモノなんで

シャープとは正反対の
ぼんやり虚ろな
揺れてたゆたうものを
見たいという。


まぁ
そういう意味では
画がヘタな方がいいかな。

10:43

Feb 13, 2013

FILM, FILM

年に100本、映画を観るのが目標なのですが
なかなかそんなに観る時間がない。

でも、今日はたっぷり映画に浸ろうと思ったんですね。

その気になれば
1日に3本は観たい映画に行ける。


ちょうど試写の案内がいくつか来ていたので
試写会のハシゴをしてみようと。

映画会社の試写室で行われる業務試写というやつです。


ワクワクしながら
最初の映画会社に20分前に到着すると
「すみません。満員で入れません」
と断られる。

……。


まぁしょうがない。
マスコミ受けのある話題作なのだろう。

次の映画の試写まで時間が空いたので
映画館に行こうと考えたんですが
ちょうどタイミングが合う映画がない。
どの映画を観ても、次の試写に間に合わなくなるんです。

仕方がないので
喫茶店でお茶して潰しました。


で、
次の試写会には30分早く着くと、
こちらはまだ余裕で席がある。


よし。

と席を確保していたら
開始時間を過ぎても映画は始まらない。

いやな予感がすると
主催者が申し訳なさそうに出てきて


「すみません。機械のトラブルで本日は上映出来なくなりました」

だって。

……。

仕方なくそこを出て
じゃあ、やっぱり映画館に行こうと決意して

前から観たかった映画を選んで行くと、

10分の差ですでに始まってしまっていた。


………。

なんで、
今日は映画が観れないの!?

せっかく1日空けたのに!


映画に振られた感じ。

まぁ
そういう日もあるさ。

21:24

Sep 17, 2010

NEW AGE


またまた映画の話ですが


あまり話題になっていない


『ヤギと男と男と壁と』


という映画をみました。

いわゆる単館系の小品ですが


拾いものというか


かなり面白かった。


アメリカ軍が超能力者を訓練して

戦地に送り込むという


とんでもな話なんですが


SFじゃなくて


なんと、実話に基づくという。


ベトナムからイラクへ、


70年代から21世紀へ、


アメリカの退廃した精神史のようでもあり、

いわゆる


「ニューエイジ」

ムーブメントを包括するような


シニカルな怪作。


ジョージ・クルーニー、

ジェフ・ブリッジス、

ユアン・マクレガー、

ケビン・スペイシー


という名優たちが


ばかばかしいことを大マジメに演じているのも


見所というか


すごく笑えます。


その中で、屋根から落ちたジェフ・ブリッジスが

したたか頭を打って、


「ティモシー・リアリーを見た」


という台詞があって

つい吹き出してしまった。


「ヒッピーの教祖」

ティモシー・リアリーは


もちろん、もう亡くなって久しいけれども

ぼくは

「ティモシー・リアリーと一緒に温泉に入った」


という

人生でも1、2を争う


とんでもないエピソードがあります。

(「手塚治虫とハリウッドで『スターウォーズ』と『未知との遭遇』をハシゴした」、 「黒澤明を頭の上から見おろした」 というエピソードもありますが)


実は


地方で行われたバーチャル・リアリティのシンポジウムに一緒に出演して、


(それだけでもスゴイ思い出ですが)

夜、宿泊していた温泉ホテルの大浴場に行くと、

なんと


ティモシーがひとり入浴していたのでした。

しかも、

湯船に仰向けで


ぷか〜っ


と浮いていた。


(◎o◎)

まるで『アルタード・ステーツ』の瞑想タンクのように・・・。


どう話しかけていいものか

迷った挙げ句


結局、あまり会話はしなかったのですが。


ティモシーはシンポジウムでぼくの話をきいた後、

ニコニコしながら言った。

「特別な装置や会話がなくても誰かの体験を自分の体験として感じられる。それが究極のバーチャル・リアリティだ」

と。


ヤギと超能力者の映画を観ながら、


ティモシーの愉快そうな笑顔を思い出して


つい微笑んでしまいました。

01:47

Sep 6, 2010

SEXIE


若い頃

好きだった映画の1本


『世にも怪奇な物語』


がレイトショー上映されていたので

観に行きました。

DV‐Camによるデジタル上映だったので

画質や色は残念だったのですが


それでも今となっては古典的な作風は


映画らしい映画として


最近のえいがの数倍は楽しめました。


この映画は

3人のヨーロッパの巨匠が

3つのショート・ストーリーを担当した

オムニバス映画のハシリで

ロジェ・ヴァデム


ルイ・マル


フェデリコ・フェリーニ


が競作している


夢のような組み合わせ。


もともとの企画では


ベルイマンと


ゴダールと


キューブリックも


企画に上がっていたというから

実現していたら


どんな素晴らしいカルト・ムービーになっていたことか。


俳優も豪華な競演で


ジェーン・フォンダと

ピーター・フォンダが

姉弟共演し

アラン・ドロン

ブリジット・バルドー

が火花を散らし


テレンス・スタンプ

がひたすらイキっぱなしの怪演を魅せる。

ぼくはそのフェリーニのパートが大好きで


一番「怪奇」がわかっている感じで


(ホラーではなくてね)


そこだけ観たくて


何度もこの映画を観ましたが


子供の頃は正直


ロジェ・ヴァデムとルイ・マルのパートは退屈だった。


ひさしぶりに観ると


どれも見応えがあったのは

なによりも

役者のスゴ魅につきる。


むかしの俳優は


色気がありました。


ロジェ・ヴァデムが

奥さんを悪女に仕立てた

ジェーン・フォンダの

セクシーぶりはいうまでもなく

ピークをすぎたアラン・ドロンも


ちょっと柄じゃない

BBも


顔を観ているだけで

うっとり


引き込まれるような


魔法のような魅力がある。


いまの役者で


誰がこれほど色気があるのか。


ジョニー・ディップ?

たまにアントニオ・バンデラス?


女優は


ニコール・キッドマン?

アンジェリーナ・ジョリー?


でも

かつての女優にまったくかないません。


日本には誰がいますか?


かつては


三船がいて


雷蔵がいて


勝新がいた。


京マチ子や

山本富士子がいた。


いまは誰が色気ある?

22:07

Jul 18, 2010

BIRD★SHT

カルト・ムービーと呼ばれるものは数ありますが


本当に貴重なカルト・クラシックは

DVDやビデオではなかなか観られない。

それらは決して

映画史を飾る名作ではなく


むしろ

いびつなできそこない。

でも

そこがいい。


ヴァル・ゲストの『火星人地球大襲来(Quatermass and the pit)』しかり、


リチャード・レスターの『不思議な世界(Bed-Sitting room)』しかり、


ソール・バスの『PHASE Ⅳ』しかり、


マイケル・ウィナーの『センチネル』しかり。


ぼくがまだ学生の頃に観て

ときめいて

はじめて作る映画にとても影響を与えた

『BIRD★SHT』

『少年は虹をわたる』


なぜか連続ロードショーされました。


70年代全開の

このカルト・クラシックは

久しぶりに観ても


やっぱり


「ヘン」で


「いびつ」で


「かわいく」て


たくさんのアイデアが散りばめられていて


秘密の宝石箱のような映画。


時を経て観ることで

さらに愛情と理解が深まりました。


特に『BIRD★SHT』のエンディングは


『ファントム・オブ・パラダイス』同様


もう涙なしには見れない。


本当に愛せる映画は


カルト・ムービーの中にある。

08:47

Jun 16, 2010

OCCULT

しばらく映画の脚本執筆を続けていたのですが


内容がふつうのドラマというより


少し心の深い部分に触れねばならず

心の深い部分は世界のコアとつながっていて

神話から心理学、


歴史から文化史を紐解いているうち


心の奥をだいぶ巡って


ふらふらになりました。


ただの疲労とはまた違う疲れです。


1日中、軽い貧血のような状態で


手すりに捕まらないと

階段も降りられない。

神経は鋭く過敏になって


すぐ身体に表れます。


肌あれ、消化不良、眠りが浅い。

そういう仕事なんでしょうがないんですが。


その間は身体の電圧も不安定といいますか


変に帯電していて


電気器具をヘタに触ると

壊します。

照明なんかも

スイッチを入れた途端に次々に電球が切れたり。


散々です。

軽いオカルト状態ですね。

ものや人の隠された本質について

触れようとするから


どうしてもこうなってしまうんです。

世界の奥の微妙な問題は慎重に扱わなければなりませんね。


執筆は

あとひと息です。

16:26

May 5, 2010

FILM DIRECTOR

映画『NINE』をやっと観ました。

とても観たかったのは

ニコール・キッドマンと

ペネロペ・クルスと

ケイト・ハドソンの

ファンだし、

スターの豪華競演もさることながら

やはり

フェリーニの『8 1/2』が原作

(正確にはそのミュージカル化のさらに映画化)

だったからで

悩める映画監督を主人公にした映画


というところが


ポイントです。

映画監督を主人公にした映画は


たいてい


悩める監督像で、

芸術のジレンマ

に悩む


しかし

ダメ男で、


それでも

渋くてカッコイイイメージなんですが

それは映画の中だけのハナシ。


実際には

そんなにカッコよく


素敵な


映画監督なんかいません。


いや

断言できませんが

少なくとも日本には

いないだろうし

『NINE』の

ダニエル・デイ=ルイスみたいに


渋くなければ

そんなに

ネガティブでもない。


もっとポジティブだし


もっとイカレていて

もっとお笑い。

まあ、


「ダメ男」


というところだけは

当たっていますが。


(ちなみに

『NINE』のD.デイ=ルイスは


フェリーニとか

マストロヤンニのイメージよりも


ジョン・カサベテス似だった。


『オープニング・ナイト』あたりの)

「映画監督を主人公にした」映画は


いろいろあって、

もちろん

フェリーニの『8 1/2』、

トリュフォーの『アメリカの夜』、

ゴダールの『パッション』、

アントニオーニの『ある女の存在証明』、


あたりはクラシックで


適度に渋く


「悩める」


映画監督なんですが


もっとリアルに

ダメぶりで

完璧なのは

ティム・バートンの

『エド・ウッド』。

ジョニー・デップ演じる「世界最低の映画監督」は


間違いなくサイテーではあるけれど


これぞ

映画監督の見本で、


同業者として想い入れのできる


とても愛しい映画です。


それから

ロバート・デ・ニーロがプロデュース、出演した映画で


『ミストレス』


というのがあって


(監督はバリー・プリムス)

これもリアルに

売れない映画監督の本当を描いていて


大好きな映画です。

(偶然、そのどちらにもマーティン・ランドーが出演していて、絶妙な名演をみせている)


だから

『NINE』

を観て


「映画監督ってステキ」


って誤解しないでください。

そう思ったら


『エド・ウッド』

をぜひ観て。


それでも


「ステキ」


と想えたら、

たぶん

ステキなのかもしれない…。

18:45

May 2, 2010

IFF

それで


連休前半は


イメージフォーラム・フェスティバル

に入り浸っています。

短編とはいえ


数十本の作品を


毎日観るのですから

疲労もありますが


それでも楽しい。


特に


日本の実験映画は


本当にバラエティに富んでいて


その点では


世界でもユニークだといえるでしょう。


物語性、


人間性、


抽象美術、

日記だったり


つぶやきや怒り

だったり、

混沌だったり

浄化をめざしていたり。


心に残るものもあり


スッ と風のように通り過ぎてゆくもの


冷や水を浴びせられるようなものも。


1プログラム数十分の中に


さまざまな個性や宇宙が展開して


おもしろきかな。


実験映画 って


朝からずっと観てると


だんだん眠くなるんですよ。


特に


抽象的な作品や


だらだらと長い作品なんかね

睡魔と闘いながら観るんですけど

それがだんだん快感になってきて

「もう十分」


とはならず、


「また観よう」


となる。


ちょっと

自虐的かもしれませんが

このへんが


本当の映画バカか


そうでもないか


の分かれ目かもしれない。


とても若い頃に


背伸びして観ていた


ヨーロッパのアートシネマなんかも


みんなそうだった。

今日観た海外の作品には


家の床のホコリなんかがずっと映っているだけの映画とか

まあ


ふつうにドラマや商業映画を楽しんでいる観客には


かなり苦痛かもしれないけれど

これが楽しんで観られるようになると

ホンモノの映画バカなんですね。


ちなみにその床のホコリ映画は


別世界を覗くようで


実に美しかったですが。

好きな作品はたくさんありましたが

中でもささやかな衝撃と

感銘を受けたのは

中国の実験映画で

なかなか珍しい。


リー・ミンという作家の


『櫛』


という作品が、本当に気に入りました。


解体工事中の家屋の中で

パワーシャベルが


女性の髪をすく


というだけなんですが


歴史の渦中にある中国の


緊張が生む美しさ


というのかしら。


近代化と


伝統のはざまに生きる


若者の心境が


胸に迫ります。


上海万博が開催されてますが

こういう作品の展示は


あるのかな。


たぶん


ないだろうな。

23:11

Apr 29, 2010

PREMIRE

イメージフォーラム・フェスティバル2010にて


新作映画

『MIRAGES』

の上映がありました。


自分の新作を発表したとき


―――作品の本当の完成は


観客にみてもらったときですが

どんな気持ちかといえば

うれしい


とか


ドキドキする

ではなく

「さびしい」

なんですね。


なぜ

「寂し」くなるのか。

何十年、作っていてもわかりません。


作者の手を離れてしまったから?

子供が結婚した親の心境?

かもしれないし、

そうではないかもしれない。

(だって作品は手元に残るものだし)


本当はめでたいことです。


にも関わらず、

世界にひとりぼっちになってしまったかのような


この空虚と孤独はなんだろう。

最近


知り合ったヒトに


「映画を作るって、なにもないゼロから作るんだよね」


と聞かれて

改めて

そうだよな、

と想った。


ゼロから生まれる。


無からの、創造。


それは真実?


映画はどこから訪れるのだろう?

作者の貧相なアタマの中?

それとも、

自然の中?

このところ


日本の表現


というものを考える。

日本人だから


心の奥にある

人類の歴史が

うずく。


日本の感性は


やはり

うつろい

そして

自然(偶然の神秘)。


それを

意識している

自分に気づく。


この世の

あらゆるものに

感謝をこめて。

すべての映画は

神秘だ。


そこに関われることに


人間としての


幸福と孤独がある。

01:18

Apr 27, 2010

3D

最近メディアで


3D映像


の話題がよく出ていますが

ヴィジュアリストとしてのコメントは

まだ


時期早尚


だと思います。


なによりも

技術が安定していない。

開発経過中という印象です。


話題の『アバター』も含めて

いくつかの3D映画も観ましたが

正直にいえば


見づらさがかなりあります。


映像が表現している

形(光)、動き、色

の明快さに比べると


立体感は、あまりにおぼつかない。


完全な立体

というより

疑似立体

な感じで


たいして効果的ではない。


実際

作り手たちは

過度な立体感を求めず


なにか自然に見えるように


腐心しているらしい。

だから映像は飛び出さない。

奥行きが感じられる程度。

(奥にいくほど立体には見えなくなるんですがね。遠くの山とか)


飛び出す立体映画としては


かつて

ディズニーランドで観た

マイケル・ジャクソン主演の

『キャプテンEO』

がやっぱり、面白かった。

手が届くような


すぐ目の前まで何か飛び出してきて。


もっとも


やはりそれは

遊園地のアトラクション

という域を脱さず


だから


短編でした。

そもそも、


長編には向いていない。

(たぶん疲れてしまうし飽きてしまう)


3D映像を意義から考えれば


情報としての3D


つまりxyzでのz軸にあたる値


それが必要なんですが

いまのやり方だとそこが曖昧です。

それがあれば


たとえば


空間認識が必要な商品や


メールなどにも有効なんですが。


表現


という分野からいうと

それは未来的どころか

退歩であって


ぼくは

消失点をもった遠近方を生んだくらいの


愚挙


だと思いますね。


遠近方以前の表現は


眼で見たかぎりの


外見の写し換えではなく

しっかり

内容の表象であって

たとえば


日本の絵巻物なんかも


高度な


視点の置き換えと意味が表現されていた。

浮世絵くらいまではそうですね。


写実は意味を薄れさせ


よけいな情報を増やしただけです。

映画は


世界を2次元に


しかも臨場感をもって


表現できる


素晴らしさがあったわけです。

そのための

様々なテクニックが開発されてきた。

アップとかカットバックとか。

映画をアートたらしめた

表現のテクニックがたくさんある。

3Dは


それを

台無しにしてしまう可能性が

否めません。


一過性の


見せ物としては


面白いのですけどね。

それでも


3D映像はこれから商品として普及するでしょう。

目新しさはあるし


内容の価値と商品価値は


別物ですから。

08:53

Oct 21, 2009

HOLLYWOOD PREMIRE

ハリウッド通りの中心にある

マンズ・チャイニーズ・シアターは

ハリウッドを象徴する映画館。

32年前、

ここで父と『スターウォーズ』を観ました。


最初のやつ。

ハリウッドで手塚治虫と一緒に『スターウォーズ』を観る。


父との、一番の思い出なんです。

当時ぼくは中学生で

はじめて訪れたハリウッドにときめきながら


いつか映画監督になって

ここで映画を撮るのだろうか


と夢想していました。

32年たち

まさかそのチャイニーズ・シアターで

プレミアショーに参加するとは

不思議な気持ちです。


今回、父はいませんが


かわりにアトムがいます。


『ATOM』のハリウッド・プレミアは

とても盛大に行われました。

リムジンから降り立つとフラッシュの嵐

たくさんの報道陣がマイクをつきつけてくる


という

絵に描いたようなレッドカーペット。

ハリウッドの芸能人や業界人が集う中、


アトム役のフレディ・ハイモアやクリステン・ベルらに混ざって


役所広司さん、


そしてなんと

X JAPANの YOSHIKIさんの姿も。

実はYOSHIKIさんはこの映画の主題曲をやる予定でした。


彼はアトムの大ファンなんです。

スケジュールなどの都合で今回は実現しませんでしたが

プレミアに駆けつけてくれました。

様々な人種の人たちが挨拶にきて


「手塚治虫の息子にこんな身近に会えるなんて!」

と興奮しています。

まあ、ぼくは手塚治虫の代わりにいるだけだから…


とぼんやり考えていたら

映画の中のアトムのセリフがよみがえってきた。


「これがぼくの運命なんだ。

ぼくはそのために作られたんだ」。


これで

日本、 香港、 ハリウッド と

同じ映画で3箇所のプレミアに参加しましたが

それぞれ国柄で違いますね。


もちろん、

ハリウッドは「本場」のスタイル。


誰もが「楽しもう!」

って気持ちで集まって


エンターティメント

ってこうだよね、


というぜいたくな雰囲気に満ちている。

香港はより「熱い」ノリが大事でしたが


日本はどちらかといえば「儀礼的」。


「形式的」かな。


やたら挨拶が長いのも日本。

アフターパーティも


日本ではホテルの宴会場で企業のレセプションという感じ。


香港はホテルのバーで少しリッチに。


ハリウッドはナイトクラブを借り切って

演出いっぱいのパーティ。


会場に過去の『鉄腕アトム』(白黒版)のビデオがバシバシ流れていたり


みんな「アトム」が大好きなんだ!

って雰囲気で楽しかった。


とにかく「盛り上げよう」「楽しもう」

という意識がしっかりしています。

痩せても枯れてもハリウッド。

夢のはしっこで

その一部でいることは

悪くないと想いながら


「ブルーコア」カクテルを味わうのでした。

19:03

Oct 18, 2009

HONG KONG PREMIRE

『ATOM』の香港プレミアが盛況に開かれました。


『ATOM』はハリウッド映画と宣伝されていますが


実際には香港のCGスタジオ「imagi」が製作した映画です。

imagiはハリウッドにもオフィスがあって

監督やプロデューサーらは欧米のスタッフなので

ハリウッド映画といっても差し支えないわけですが

「アメリカ人が作った」

というのはちょっと正しくありません。

香港のスタジオでは400人もの若いアニメーターが参加していて

昨日、彼らははじめて完成した映画を観賞したのです。


香港や中国では

手塚治虫の人気は日本を上回るくらいに


国籍を越えて愛されています。

もちろん、『ATOM』は地元発の映画とあって

1年前から期待されていて

昨日のプレミアの熱狂もすごいものでした。

広東語バージョンです。


アトムの声は人気上昇中の子役スター、イアン君が、


そして天馬博士を

スターのアーロン・クォックが演じています。


アーロンはニコラス・ケイジさんや役所公司さんに比べるとずっと若いのですが

とても巧く演じていて

天馬の感情がよく出ていました。

香港の観客はよく笑いよく泣き、

素直に映画を楽しんでいます。


地元で取材を受けたら

「映画の中に香港的な描写があるのですが気にならないですか?」

と質問されたのですが


どこが「香港的」なのかわかりません。

(街の看板とかですかね?)

監督はイギリス人です。


imagi社は役員にもイギリスの方がいらっしゃるので

「映画の中にイギリス的な要素はありますか?」

と逆に尋ねると

「もちろん、ありますよ」

ということでしたが


やはり、どこがイギリス的なのか

さっぱりわかりません。


ちょっとブラックなギャグがあるのですが

そういうところかしら。

ちなみに香港の会社、と書きましたが

そもそも香港で仕事をしている人たちには

イギリス以外にも

中国、 シンガポール、 マレーシア などなどの方が大勢いて


商談などは英語です。

映画会社のエグゼクティブの皆さんと会食をしましたが

そんな席でもみな英語でした。

そんなこともグローバリズムにつながるのかもしれません。

(まあ、香港はムカシから国際都市ですがね)


そうそう、

見事な夜景が見られる九龍山の展望台には

マダム・タッソーの蝋人形館があって、


オバマ大統領やジャッキー・チェン、ジョニー・デップらと並んで

アトムが展示されています。


よくできていてかわいいですよ。


みなさん喜んで2ショットの写真とってました。


期間限定なので、香港にお立ち寄りの方は、
ぜひ。


さて明日はロスでプレミアです。

ほんとに、

行ったりきたりです。

17:27

Aug 21, 2009

ATOM

ハリウッド版アトムこと

『ASTRO BOY』

―――日本での題名はずばり

『アトム』


が、

やっと完成しました。

とてもきれいな映画になっています。

そして、

思った以上にちゃんと

「アトム」

になっているので安心してください。

原作と比べて

似てるとか似てないということではなく、


子供のための良い映画になっている、


それが嬉しいし、


そこが何よりも大事なところです。

とにかく、

子供さんと、その両親に見てほしい

と心から思える作品です。


もちろん

CGという表現そのものに抵抗あるヒトもいるかと思いますが

洗練されていて

上品で

きれいなCGです。

色使い、画面や背景に気を遣っていて


絵のように美しい。

未来都市が美しい。

なにより

アトムの表情が

とてもいいですよ。

マンガよりも年上の設定

(原作では小学生ですが、中学生になっています)

なんですが

そんなことを忘れさせてくれるほど


ピュアでかわいいのです。

海外でデザインされたキャラクターではなく、

間違いなく日本のキャラクターなんですね。

物語は半分ほどオリジナルですが

日本的な考え方や情緒があるし


音楽もきれいだし


日本と西洋が見事なハーモニーで合わさって成立した


グローバルな映画です。


日本では10月10日から


世界に先がけロードショーされます。


とにかく観てください。

18:50

Jun 19, 2009

INFO:

友人が映画を作りました。


『築城せよ!』


という題名で


6月20日より新宿ピカデリーほかで上映されます。

戦国武者が現代に甦り、ダンボールで城を築くという

かなり無茶な設定のドラマですが、

その荒唐無稽ぶりが楽しく、

登場するキャラクターも微笑ましい。

この映画、なにが痛快かというと、

監督の古波津さんは映画業界とはほとんど関係のない一映像作家。


アマチュアとはいわないまでも、

金もコネもない彼が、


「ダンボールで城を建てたい!」


という一途な夢を抱き続けているうちに、


この商業映画ができてしまった


ということです。

そんな彼の、業界スレしていない純粋な感性そのまま

といった感じの映画です。


純粋さがささやかな感動を生みます。

気持ちにゆとりのある方はぜひ。

11:43

Jun 2, 2009

TUNE‐UP

撮影のための

打ち合わせがあります。


出演者を個人的な知り合いに頼んでいるので

事務所もマネージャーも介さず

ぼくが直接連絡を取って会います。


よくやることなんですが。

今回、相手は日本語が話せない外国の方。

こちらの英語はカタコト。


まるで海外旅行のような打ち合わせです。

それでも図版やら資料を見せて説明すれば、なんとかなるものです。

こういうとき、

少しでも絵が描けるというのは便利ですね。


絵 は 世界共通言語ですからね。


ところで


「打ち合わせ」


というのも、

ユニークな日本のことばです。

もともとは、雅楽や古典邦楽の用語ですね。

本曲演奏の前に、打楽器や笛などの音や調子を合わすため、

文字どおり 鼓を「打ち合わせる」 わけです。

そのまま英語にすれば

「tuning」(チューニング)

ですね。

もちろん「打ち合わせ」を「tuning」とは訳さない。

だから「打ち合わせ」は、

「何をやるか」説明するだけではなく、


「どんな感じか」調子を合わせる

ことなんですね。

説明だけなら資料を送れば十分。


でも、相手に直接会って、


人間同士の


「気」


てものがありますから、


その「気」を合わせる必要があるのです。

相手を安心させることにもなるし、

新たなアイデアが生まれたり、

モチベーションの高まりにもなる。


よく

会食しながら打ち合わせ

てことがあるのですが

クリエイティブな仕事などでは

意外と効果的だったりします。

飲みながらの打ち合わせ、


不謹慎に聞こえますが


大事なんです。


もっとも

酔っぱらってチューニングが狂ったら、

ちょっとまずいのですが。

14:23

May 30, 2009

KYO

京都での撮影が無事におわりました。


天気の良くない週だったので雨が心配でしたが

ちょうど撮影日だけ晴天になりました。


ぼくはかなり強力な 「晴れ男」  なんです。


だいたい地方へゆく仕事では晴れることが多い。


晴れるだけじゃなく、

暑くなる。

最近は、少し雲を足すという小技もできるようになりました。


あまりにピーカンだと、撮影しにくい場合もありますから。

現代映画(現代美術の映画板)の撮影なんですが、


あえて伝統的な由緒ある場所で、


しかも着物での撮影。

コンテンポラリーとトラディショナルのコントラスト。


というより、重なっているのですが。

出演は女優の江口ヒロミさん。


人形みたいな着物姿が

妙にハマってしまう。


彼女もコンテンポラリーからトラッドなドラマまで、

守備範囲が広い。


さすがは TZKブランド の常連です。

撮影後は 林海象監督の店 「私立探偵バー」 で打ち上げ。


隠し部屋があったり、

店員が手品を見せてくれたり、

林監督の遊び心満載の、バー。

いろいろあって、

やっぱり古都は素敵なところです。

20:31

May 28, 2009

LOCA

今週から来月にかけて


京都

東京

新潟


でロケ撮影があります。


ごく小規模ですが

すべて違う内容です。


ちいさなアート・ムービー

という感じです。

「ごく小規模」というのは、

スタッフ、出演者ふくめて5人から10人くらいをいいます。


ムービーの場合、どうしても人手がいりますから。


本当は1〜2人で できるといいのですけどね。


いずれにしても、現場は和やかでアットホームな感じです。

どの撮影も顔ぶれが違います。


馴染みの俳優を呼んだり、

好きなスタッフをチョイスすることもあれば、


現場で初めて顔を合わせる人もあります。

安心感、新鮮さ、

和みと緊張、

どちらも必要なんです。

地方を飛び回るときにはフットワークの軽さも大切です。

リーズナブルにするためにも。

地方で人材を探すコツは?


その土地の知り合いに連絡して

「誰かいない?」

と尋ねる。


人ヅテに紹介してもらえます。

一方で

インターナショナルな映画の企画といった

大きなスケールの仕事もいくつか抱えています。


実は高校生のときから

そんなやり方をしていました。


大きな規模の作品をやりながら

個人中心の小さな作品を作る。


これは

「映画監督」 と

「映画作家」 もしくは 「映像作家」

の 差 なんです。

実はそのふたつは、微妙に意味が違います。

「映画監督」は文字どおり、たくさんのスタッフや出演者のまとめ役で、

個人の表現ではなくて、
多くの人の考えや気持ちを合わせて整理して映画を作る。


「映画作家」は、むしろ個人の想いや考えを大切に具現化するのです。

同じ映像づくりでも、

考え方も姿勢も違うんです。

ぼくはどちらも好きなので

両方まとめて

「ヴィジュアリスト」
といっているのですが。

13:39

Apr 10, 2009

SILHOUETTE

前の記事にさりげなく書きましたが

実は新作映画ができました。


『Silhouette』

という8mm、9分の短編です。

それは自分ではカンペキに映画なのですが

たぶん誰に見せても映画とは思ってもらえない。


というと言い過ぎかな。


よほどあらゆる映画、映像を知り尽くしている専門家以外には、映画に見えないでしょう。


なにしろ

「話がない」「主人公がいない」「具体的な描写がない」「なにが映っているのかよくわからない」。

なにが映っているかといえば、


「影」。

根源的に映画は光と影の芸術です。


フィルムに光が当たり、

影を定着させる。


その影をスクリーンに投映する。

最近つくっている8mmの映画は、

そんな影、

8mmフィルムそのものの影と、


そこを透過する光、


それらのうつろう美しさ。

その儚い美しさを改めてフィルムから感じとるための映画です。

それをシンプルに表現しようと思えば、物語や人間の顔は必要ありません。

最近はデジタルカメラが発達したために、あらゆる映像が細部まで明確な輪郭を見せている。

鮮明で、わかりやすいことが美徳とされている。


そんな傾向にぼくは抵抗を感じています。


しかも、映画の内容はどんどん日常的になり、

わかりやすくなり、

人情的になっている。


だから、

そうではない映画をやっているのです。

こういう映画は、世間では

「アートフィルム」

といわれています。


ぼくは

「美術映画」

と呼んでいます。


「実験映画」

と呼ばれることもあります。


学生の頃から何十本も映画作品を作っていますが


大半はそうした「美術映画」です。


すべて観た、というヒトはおそらくいないでしょう。


そのうち何本かでも観た方は、ぼくのつくるそうした作品が


暗くて


観念的で


だらだらと退屈で


なんだか、さっぱりわからない


ということをよくご存知です。

まさしくそれらは

暗く、
観念的で、
退 屈で、
意味がわからない。


そしてそれゆえに美しく、

神秘であり、

だから映画と呼ぶほかにはないのです。


東京と京都で上映があります。

イメージフォーラム・フェスティバル2009

http://www.imageforum.co.jp/festival/

02:13

Mar 28, 2009

10YEARS

10年前、

札幌映画祭に行ったとき、

レセプションの会場にセーラー服の女子高生が紛れていた。


「あたし、映画を作るんです」

と、その子は眼をきらきらさせて言った。


「それはいいね。必ずしも勧めないけれど」

と、ぼくはちょっといじわるく答えた。


「すぐにやめちゃうヒトが多いから。 やるなら続けてよ。 10年は続けてほしいな」

などと、言った。

10年経った今年、彼女は東京で自分の映画の上映会を開いている。


すっかり立派な大人になって、ぼくの前に立った。


「言われたとおり、続けました」。

と、瞳はやはりきらきらしていた。

彼女、長沼里奈さんの監督作は、海外の映画祭でも上映されている。


プロの俳優も出演して、堂々としたものだった。

かつて初めてみた彼女の短編は、観客のためではなく、自分自身のために存在していた。


憧れと感性だけで、もがいていた。


いまは違う。


いま彼女は上映会場で、多数の観客を前にスピーチをしている。


ぼくは、良かったと想った。


まだまだ荒削りだけれど、少なくとも観客のために映画を作り始めたのだった。


これからが、本当の勝負になるのだろう。


次の10年、彼女はどんなに成長するだろうか。


http://www.eizoko.com

何か表現を始めたいという若い人に、ぼくはいまでも同じアドバイスをします。


やめなさい。


さもなければ


続けなさい。

04:15

Mar 12, 2009

VISION

なかなか時間が空けられず、

進んでいなかった映画の脚本執筆にやっと戻って

ついにラストシーンまで辿り着いた。


途中、迷ったり悩んだり、

どう書いていいかわからなくなることもたびたびあって、

未整理の部分やまとまらないところもまだあるのだけど、

最後まで書くと不思議と見通しがよくなって、

なにをどうすればいいのかわかってくる。


先を書き進めるごとに、

それこそ迷路を抜けて次々に部屋へ入るごとに

パアッと明るくなって

見通しがよくなり、

すべてが明確に見えてくる。


夜が明けたように、
嵐が去ったように、

きれいな光が満ちてくる。

それは、25年前から見えていたビジョンだ。

これが描きたかったという。

こんな映画が観たかった、

という理想的なビジョン。


そしてそれは、

いまあるすべての映画に似ていない。

顔を上げると

窓の外に美しい夕景が映る。


視覚的恍惚。


美しいものを見ていると、ストレスが消え、

頭がスッキリ整理されて、

なにが大切か、明確になる。

脚本は書きあがった。


もちろん、

まだまだ手直しが必要だ。

しかし、どこをどう直すべきか、もうわかっている。

「スポンサーが会いたいといっているのですが」


あまりにタイミングよく、連絡が入る。

そんなにうまく行くはずがない。

楽しいのはここまで。

ここからはたくさんの苦しみが待ち受けている。


しかし、この映画のためにがんばろうと心に強く念じた。

命を捧げられるだけのものだと。

02:49

Feb 23, 2009

SCRIPT 2

登場人物が

勝手にしゃべりだす。

いうことを聞かない。

勝手に立ち上がったり、場面から出ていこうとしたり。


コラコラ、まだこの場面は終わりじゃないのに。


脚本を書きながら、登場人物と闘いが始まった。

もちろんぼくが作り出した個性なのだけど

作者に逆らう。

というより、

「もっとちゃんと書いて。私はこんな台詞はいわない。こんなことはしない」

と抵抗したりわがままをいっている。


いい傾向ではある。

彼らが生きてきた証しだから。

ここからが脚本作りの難しくもやり甲斐があるところだ。

物語以上に、そこが映画の核になる。


そして常に自分をより以上にしていかなければならない。

昨日の自分を今日は越えなきゃならない。

数時間前の考えを、さらに越えなければならない。


こうして、いつも時代からずれた映画になっちゃうんだよな。


まあ自分の個性だからしょうがないけど。

注文していた本がゴソッと届いた。

ほとんどが日本文化や日本人についての本。

まだ読んでいなかった『日本文学史序説』を含む加藤周一さんの著作やら、

網野善彦さん、山本七平さんの本なども混ざっている。

なかなかの厚さで、

読破するのに幾日かかるだろう。

だいたい、読む時間はどこにあるのか。

よほど難しい映画を作ると思うかもしれませんね。

でも、実はおとぎ話なんです。


妖精物語なんです。


大人のためのファンタジーが作りたくて。


ほとんど空想

というより

妄想。


まあ、だからよけいに手がかかるのですが。

21:57

Feb 22, 2009

SCRIPT

構想25年

なんて企画の脚本がそんなすぐに書けるわけがなくて

過去にかれこれ十数回は書いては書き直し

変えては書き

を繰り返している。


また改めてこれにかかるのか。

まるで何度も登っては遭難しかけて降りてしまった山に

懲りずにまた登山するように。


さあ、今日から書こう、

と朝、新聞をめくると

「コソボ独立から1年」

「ウガンダの反政府組織 コンゴで大虐殺」

の記事。


わあ、

なんてタイムリーだろう。


まさに

コソボ紛争 と アフリカ内乱 について調べようと思っていたから。

脚本の中ではほんの数行の記載でも、知らないで書くわけにはいかない。

いつも1本の映画を作るごとに

実にさまざまな勉強をしなければならない。

かつてある映画で、登場人物がショーペンハウエルの本を読んでいる場面を撮るために、
ショーペンハウエルの代表作を読もうと思ったら、

『意志と表象の世界』という哲学書は
2段組の厚さ4センチの大著で、

読破に3ヶ月くらいかかった。


読んで良かったけども。

とりあえず今、知らなければならないのは


コソボ紛争、

アフリカの内乱、

三柱の太女神、

縄文文化、

などなど。


ああ、

フリーメイソンのことも勉強中。

いったい、どんな映画なのだろうか。


どっぷり執筆にはまっている間は時間も止まり、

世界は消えて


心地いいのだけど。

02:26

Feb 19, 2009

NEXT STAGE

都庁の展望室のくせに、林檎とシナモンのカプチーノなんてしゃれたものがある。


例によって展望室のカフェで考えごとです。

別に書斎代わりに使っている、
わけではないのだけど。

ウィークディの午前中は、観光客もまばらで落ち着くんです。

2月17日は坂口安吾さんの命日で、

例年通りゆかりの方々が集まって「安吾忌」が執り行われました。


20年前、その安吾忌の席で、ご遺族に直接

「『白痴』を映画化させてください!!」

とお願いしましたっけ。


お願いしながら、
これは厄介な企画で、製作は困難きわまる、
きっと10年くらいはかかる、

と覚悟していたら、

みごとに10年かかってしまい。


10年かけて作ったのだから、10年は上映しよう、

という今年は完成から10年めで、

どこかで上映しなければと考えているところ。


これでやっと『白痴』の呪縛から解放されるので、

いよいよ次なるプロジェクトに本腰を入れられるわけです。


次は、

原作なし、まったくのオリジナル。


どのくらいオリジナルな作品に徹するか、

を考えている最中。


映画には描くべき内容と、描き方のスタイルがあります。

このふたつが絶妙に合わさってはじめて表現になる。


たいていの新鮮な映画は、
シンプルでスタンダードな内容をオリジナルなスタイルで描くか

オリジナルに満ちたストーリーをシンプルに描くか、

どちらかがいいので、

もし内容とスタイルの両方を完璧にオリジナルなものにするなら、

観客には馴染みの薄いものとなり、

なかなか理解されない。


それはかなりの 賭け です。


万が一には斬新で魅力的な作品になるかもしれませんが、

まあたいていは誰にも相手にされない難解な作品として無視される。

20年前、同じような想いで『白痴』の企画を始めました。

もっとも、坂口安吾の原作があったので、
完全なオリジナルではありませんが。

次のプランは、

実は『白痴』以前から考えていた企画なので、

構想25年。


それは禁断の企画。

というと響きはいいのだけど

要は25年も作らなかったのはそれなりに理由があるので

『白痴』以上に困難と思うから二の足を踏んでいたのかもしれず、

これが冒険だとすると、
遭難が約束されたようなもので、

出発すらはばかる。


いま、その乗組員を探しているところ。

何人かのアーティストが色良い返事をくれたのが、いまのところ唯一の希望です。


題名は 『 神 秘 』。


テーマは 『 日 本 』。

国際的なスケールで描かれる、

西新宿の、1万年間。


ヒトの心の奥底が、宇宙に等しく通じているということ。

誰もつくらず、誰にもつくれない映画。


そうなればいいな、と。

13:36

Feb 12, 2009

STUDENT FILM

ひさしぶりに学生映画を観に行きました。


いつもフリーハンドの部活に参加してくれている山田くんたちのプロジェクトで

彼らは日芸の映画学科の現役大学生。

後輩になります。


自分たちで作った映画を1日だけ、ラフォーレ原宿で上映していました。


映画とか動画とか作っている若いヒトやアマチュアは多いけど、
仲間うちで見るだけで、

大きなホールに一般客を入れて見せる人たちは少なくなりました。


だいたい学生の映画は作ることで精一杯、

見せるところまでパワーがないものです。


そんな中で、1日とはいえ大きなホールを使って上映をするのはよくがんばった。

特設劇場となったラフォーレミュージアムで彼らの映画を楽しみながら、しばし郷愁の念にかられました。


28年前、ぼくもここで同じように8ミリの映画を上映したなあ。

ホールは6階にあるのですが、
そのときは開場が遅れたので1階までお客が並びましたっけ。


学生映画に人気があった、懐かしい時代です。


当時の学生映画は、もちろんプロに比べると技術や演技など稚ないものでしたが、

ときに新鮮な感性に出会ったり、プロでは考えられないアイデアやプリミティブなパワーにあふれていることもあり、

拾いモノもあったんです。

(28年前にぼくもそう言われた)

プロとは違うことやろう、と意識していたな。

いまの学生映画はカメラやパソコンなどプロ並みの機材が駆使できるので、

以前には比べモノにならないほど技術はよくなったし、

出演者も仲間うちで調達ではなくて、
一応、プロの俳優が出ていたりするので、

悲しくなるほど酷い作品は減りました。


むしろプロと見まがうほどの作品もありますが、

それが逆に新鮮さを失う原因になっていることもあります。

そんなわけで、これから映画を作ろうという学生の皆さんにアドバイスしますね。


・シナリオの詰めの甘さ
…話は良くても、ディテールや会話がわざとらしい、そらぞらしい。自然に見せるには、よくよく考えてシナリオにリアリティを付加すること。

・説明が足りない
 …自分だけでわかってしまってはダメ。設定や人物の行動や心理はていねいに描写すること。
とはいえ、

・説明だけでは表現にならない
…演出が説明だけで終わってしまっていると、映像に美学や膨らみがない。これではありふれたテレビドラマみたいで、映画らしくない。

・観客を飽きさせないサービスを
…プロは心得ているわけです。ただテーマや考えを描写するだけでは面白くないでしょう。

・ほかと違うことをする
…いかに正しいことでも「これじゃフツウすぎる」「コレよくあるよね」「誰かがやっていた」ことは、できるだけ避けましょう。

はじめて行われることなら、ヘタでもすごいんです。

01:34

Jan 7, 2009

BEGINING

今から30年ほど前。


当時高校生だったぼくは、学校のサークルで初めて映画(らしきもの)を作りました。


1時間ちかい大作で、主人公が7、8人もいる群像劇。

スタッフや出演者はもちろん同じサークルの高校生。

当然、ほとんどが映画初体験という素人たち。


サークルの会議でぼくの企画が通り、それで映画化が決まったのでした。


脚本を何度も書き直し、

意味もわからず絵コンテを描き、

夏休みを使って何度も撮影をしました。

素人とはいえ、ぼくは小学校の頃からずっと映画作りを夢みていて、


そもそも子供の頃から映画が大スキだったので、


これでやっと夢が叶ったわけです。

なぜマンガじゃなくて映画を?

と、よく尋ねられるんですが

マンガやアニメは父の仕事で、家業なんです。

たとえば魚屋とか左官屋なんかと同じで。


家で見慣れたマンガやアニメよりも、実写の映画やドラマの方がぼくには魅力的だったから。

こうして華々しく映画デビューを


飾るはずだったんです。


が・・・。

頭で考えるのと実際にやってみるとではまったく違いました。


いくら撮影しても思ったようにできない。


脚本はクレームつけられる、

役者は(高校生だから当然ですが)うまく演技できない。

技術はヘタクソ。

天気も味方してくれません。


スタッフ同士でモメている。

ひとりでコツコツ編集したものの、
散々な出来です。


心得ある同級生やバンドをやっていた先輩たちがオリジナルの音楽をつけてくれましたが、

処女作となるその映画(らしきもの)は、

まったく思惑からズレたような、
できそこないの、
大失敗作になってしまいました。

こんなハズじゃなかった。

恥ずかしい、逃げたい。

なかったことにしたい。


しかし、秋の学園祭で上映が決まっていたのでいまさら逃げられない。


気が重く、げんなりしながら上映したのですが、

すると。

そこで奇跡が起きました。

観客にウケたのです。


2日間で6回上映したのですが、
回を追うごとに客の数は増え、

しまいには列をなして立ち見になり、
会場からあふれてしまいました。


彼らは拍手喝采、

大失敗作を楽しんでくれている。


同じ学校の中だけじゃなく、
遠くから大学生まで見に来てくれて。


人生最悪の日になるはずだったのに。


最高の日になってしまいました。


それ以来。

30年にわたって、あらゆる映像に関わって生きています。


劇映画以外にもドキュメンタリーや文化映画、
テレビ番組やVシネマ、
実験映画やインスタレーション、

CMやらPVやら、
環境映像から企業VP、
アニメやらCGやらCD‐ROMやら、
ステージ映像やVJもやりました。

でも、いまでも1番好きなのは映画。


映画館で上映する映画です。

高校生のときから、寝ているとき以外はずっと映画のことを考えてきました。


30年間。


時間にすると、およそ18万時間。

だからフツウのヒトより、少しは映画に敏感です。

専門的に映画を観たり考えたりします。

映画を観るときも、
お話や俳優にも気を留めますが、
映画としての成り立ちや演出で観ます。

自分の映画を思い返して、


これまでどの映画が評判がよかったか、

どの作品が自分でも満足しているか、

ふと考えてみると、


案外それは、
あまり人の意見に耳を貸さず、作りたいものを好き勝手にやったときのものなんですね。

逆に、周りを意識したり気にしたり、
ヒトの意見を聞きすぎたときは、

よくいえばおとなしくフツウの出来、

どうも没個性の作品に仕上がって、
結局はたいして評判にもならない。

これは性格によるものですが、ぼくの欠点です。

周囲に合わせようとしすぎることが。


協調性と作品の内容は別のモノなんです。


だから初心に返った映画作りとは、


自由奔放にやりたいことをやる、

誰が何と言おうと。

これに尽きます。

そんな映画作りをこれからもしていこうと。


A F Q :

映像作りと文章を書くことはどう違うか、

という質問ですが

ケース・バイ・ケースですね。

文章でなければ表現不可能なこともあるし、

映像の方が雄弁な場合もあります。

物語だけでいえば、
ぼくが小説を書く場合はあまり映像を意識しません。
もちろん少しはヴィジョンを想い描きますが、
自分で書いた小説を自分で映画化したいとは思いませんね。

逆に、映画のシナリオを書くときは小説のように思い浮かべることはありません。

また別のアタマが働くようです。


『ブラックキス』には元ネタがあるのです。
それは自分が以前に書いた小説なんですね。
「ファントム・パーティ」という本に収録された『密室の悪魔』という短編。
同じキャラクターが登場したりします。

ですが、原作にはしていないのです。
まったく別の物語なんです。


ところで
映像に美しさが感じられるように、
美しい文章とか、
美しいことばはあります。

ぼくは浅学でボキャブラリーがないから、美しい文章が書けないだけなんです。

そのかわりに映画を作ります。

もしぼくが美しい文章を書ける力があれば、
また映像とは違う世界を表現するでしょうね。

ところで質問の返事は一度にできないかもしれません。

おいおい、少しずつしますね。

I N F O :

長野の下諏訪で講演をします。

1月31日です。

詳細は追ってまたお知らせします。

12:47

Dec 16, 2008

2525×8

第8回国際ニコニコ映画祭 の公開審査会が
昨日、生放送で行われました。


あっ

という間に1周年なんですね。


1年で8回、という変則的なイベントですが。


今回はレギュラー審査員の松嶋初音さん、スメリーさんに加え、

ゲストがとても豪華で、

前回に引き続き2回目の登場となる評論家の山田五郎さん、ホリエモンこと堀江貴文さん(!)、明和電機さんに、吉本芸人のR藤本さん。


やっていることもキャリアもバラバラな面子ですが、

さすがマスコミで鍛えられているヒトたちは違います。


はじめての席で パッ と場になじみ、

いきなり本番でも問題なくこなします。


というより皆さん自分の役割がよくわかっていらっしゃる。


すべてその場のアドリブで、

主張もしつつ、それなりにウケを取ったりもでき、

さすがだなあ、と。

ぼくは相変わらず司会進行ですが、

投稿動画を紹介しつつ、

各審査員に「おいしい」ところを演じてもらうべく采配するのが役目。

ふつうの審査会と違うところは、

これが一般公開されて

それなりにエンターティメントでなければならないところでしょうか。


もちろん、ニコニコ動画というメディアの特性上、

完璧ではなくて、

てきとなユルさも必要なんですが。

次回は3月に、

沖縄から生中継予定です。


ビーチで審査会。

楽しみ。

12:52

Dec 12, 2008

ASTRO

帰りのJALの機内食がなかなかで、

鴨胸肉のハニーロースト、フォアグラと旬野菜のケーキ仕立てに、シュリンプとホタテのマリネ。

おいしそうでしょ?

どれも悪くない味で満足。


機内では傑作と名高いジョー・ヒルの処女短編集『20世紀の幽霊たち』を読破しました。


文学系ホラーというか、

ホラー系文学というか。


こういう紹介はいけないのかもしれませんが、

ジョーはスティーブン・キングの息子で

お母さんも小説家というサラブレッド・ボーイ。


『ASTRO BOY』の仕事でぼくがハリウッドへ携えて行くのにピッタリでしょう?

俗に「ハリウッド版アトム」と噂されている『ASTRO BOY』は、

正確には香港のimagiというCGプロダクションが製作しています。


ですが、メイン・スタッフはハリウッドのオフィスで働いているし、

さまざまな国の才能がこのために集まっています。

プロデューサーのマリーアンと監督のディビッドはイギリス人だし、

撮影監督はスペイン人。


ほかにもデンマーク、メキシコ、アルゼンチン、もちろんアジアからも、

たくさんスタッフが参加しています。

国際色ゆたかですが、

それがアメリカという国なんですね。


逆に、純粋な米国人のスタッフの方が少ないかもしれません。


脚本家のティモシーは米国人だけどいまはロンドンに住んでいるし、

ぼくたち日本からの客の面倒をみてくれているエイシアは、日本生まれで母親が日本人。

ビバリーヒルズのホテルのレストランでディナーをごちそうになったとき、

エイシアは懐かしそうにまわりを眺めて

「子供の頃ここに来たとき、ちょうどケネディの暗殺があって、足止めをくらったわ」

ですって。


『プリティ・ウーマン』にも登場したこのホテルは歴史的な建物です。

残念ながらぼくが泊まっていたのはそこではありませんが。

マリーアンは屈託なくよく笑います。

『ASTRO BOY』本編の(おそらく最初の)ラフ・カットの試写

――これは日本から訪れたぼくらのためにわざわざ試写室を借りてみせてくれた――

を見ながら、

彼女は面白い場面で自分でウケて笑います。


なかなか日本では少ない光景というか、

まだ完成前の試写でプロデューサーが笑っている姿は。

試写の後、監督のディビッドに

「アトム誕生の場面は、もしかして『フランケンシュタイン』のパロディ?」

と尋ねると、彼は

「ぜんぜん意識してなかったけど」

とキョトンとして、

「だけど『フランケンシュタイン』は大好きだよ」

というので、

「アトムが動き出すのを見て、天馬博士が

Alive! It's alive!

と叫ぶのかと思った」

とぼくがふざけると、

マリーアンはケタケタと笑ってくれました。


ちなみに彼女はドリームワークで『シュレック』などのチームにいて、

ディビッドは『ウォレスとグルミット』で有名なアードマンのプロダクションで働いていた監督。


今回のプロジェクト・チームはとてもいい雰囲気で、


殺伐とした日本の現場を知っていると、

なんだかうらやましい。

日本のコンテンツがアメリカで映画化される機会が増えていますが、

この『ASTRO BOY』はかなり友好的な

というより

日本側と密ないい関係が築けたんじゃないかしら。

彼らはぼくの話をよく聞いてくれるし、

アドバイスにもきちんと対応する。


もちろんこちらは原作者側で、

契約条件があるからには違いありませんが、


日本で映画化されるときなんかは悲しいことに、

こんなにきちんと対応してくれませんからね。


日本でぼくの立場を理解して、アドバイスを真摯に受け止めてくれるのは浦沢直樹さんと長崎尚志さんの『PLUTO』チームくらい。

ハリウッドのヒトたちは日本人ほど手塚治虫に詳しくはないけれど、

日本の映画会社の人々よりも尊敬を態度と形にちゃんと表します。


それはたぶん、彼らが本当のクリエイター(映画人)だからじゃないかな。


同じ映画人の目線で、ぼくの話を聞いてくれるのは。

「これから音のプランを考えるのだけど、音楽についてはどう思う?」

とマリーアンが真剣な顔で聞いてきます。

「ディビッドはダニー・エルフマンみたいなスタイルがいいっていうけど」

「ほくもそれは賛成。ダニーは忙しくて無理かもしれないけれど」


彼らはぼくを信頼してくれていて、

いろいろ意見を聞いてくるし、

自分たちの意見もきちんと言います。


以前に来たとき、

「ニコラス・ケイジがアトムの大ファンで以前からやりたがっていたよ」

とぼくが話したら、

彼らは早速ニックに当たって、

見事声優としてゲットできたし、


アトムのキャラクターもかなり細かく修正をお願いしたら、

とても良くなったし。


本当に協力的な態度を見せてくれます。


もちろん彼らにも主張はあるし、

譲れない部分もあるだろうし、


ぼくだって彼らの考えをできるだけ理解して、

その上でアドバイスしているつもりです。


頭ごなしに良い悪いと言うんじゃなくて。

でもなにより

スタッフみんなが心からアトムを愛してくれていて、

ぼくが近寄るとみんなニコニコして、

この仕事に関われて良かった、

と言って喜んでいる。


なんか、嬉しいですよ。

インターナショナルな味付けはたっぷりなされていても、

作り手の誠意は作品に現れるんじゃないかしら。


まだまだ完成はずっと先で、


来年の夏以降ですが。

楽しみにしていてください。

01:02

Nov 16, 2008

新聞か何かで紹介記事を読んだ映画があって、

ちょっと興味があったので

後でもう一度探したら見つからず。


おかしいな。

どこを探しても記事は出てきません。

映画案内をチェックしてもそれらしい作品はなくて、

消えてしまいました。


たしか題名に「S」がついて、

『S・なんとか』か『なんとかのS』で、

ヒュー・ジャックマンが出演していて、

秘密クラブが出てくるサスペンスもの

だと思ったのですが。


周りの誰にきいても

「知らない」

というので、

夢で見たのかもしれない。


いや、きっと夢だ。


ということになりました。

しかし奇妙な夢といいますか、

題名も謎めいているし、

ヒュー・ジャックマンというところも妙にありそうで、

さすがに自分らしい夢だなあ〜。

と思って数週間たったらば、


『彼が二度愛したS』

という映画の上映が始まったではありませんか。


なんだ、夢じゃなかったんだ。

ここまで気になったら観るしかないと、

劇場にいきました。


やはり秘密クラブが出てくる恋愛ミステリーで、

とてもスタイリッシュな映画。


ユアン・マクレガーとジャックマンという

イケ面ふたりの競演がなかなかでした。


ミステリーとしてはスタンダードですが、

とにかく画面がきれいで良かったです。

映像の美しさ、

いまの日本映画に欠けているところです。


昔の日本映画は隙がなく本当に美しかったのに。


だからやっぱりぼくは外国映画を観てしまうのですね。

映画は美しいほうが好きだから。


どんなきたない内容でもね。

20:56

Sep 27, 2008

BODYCHECK

『イーグルアイ』という映画の試写会に行ったのですが、

全米公開に先がけてただ1度の試写ということで、

警備がものものしかった。


会場の入口で荷物検査にボディ・チェックがあって、

まるで空港みたい。


しかも携帯電話は電源を切り、紙袋に入れて封をされる。


ただ映画を観に来ただけなのに。


最新作の画面を盗撮されないための処置というのはわかるのだけど・・・。


その映画には管理社会に対する批判が描かれていたから、

まるで皮肉のようでした。


もしかしたらあれは演出効果なのかしら。

そのうち映画みるのに身分証やパスポートの提示が必要、

なんてことになるのかなあ。


映画の客が遠のきそう。


知的財産の保護はもちろん大事ではあるけれど、

映画は環境も含めて楽しめなくちゃモトも子もない。

ぼくは映画の前に予告のようについている

「盗撮禁止」の告知CMが大キライ。

アタマがカメラになってるラッキイ池田のような男がヘナヘナ騒いでいるやつ。

音楽もウルサイし、

本当にセンスのないCM。

なんか、せっかくの映画の楽しみに水を注がれている感じで、

しかもあれ、必ず本編の直前に流れるでしょう。

ヘタな演出しないで、文章と言葉だけで的確に告知できないものでしょうか。

03:37

Sep 18, 2008

GASPAR

撮影で平塚に行っていて

例によってスタッフを使わずひとり作業で、

ヘトヘトになって戻ってくると

ギャスパー・ノエ監督が渋谷で飲んでいる、

というのでいきおいで合流、

お邪魔してしまいました。


ギャスパーの『アレックス』は近年のフランス映画の中では、かなり好きな1本です。

少しイカれた映画だけれども。

彼の新作が日本が舞台ということで、

少し前に撮影をしていたのですが、

今回はその追加撮影に来ていたようです。


実はその出演者のひとりがぼくの作品のモデルだったもので。


最近は国際的な映画監督が、よく日本で飲んでいます。


いや、

作品を撮っています。


流行りなんでしょうか。

日本ブームですからね。


しかも、なぜかみんな渋谷駅前か新宿歌舞伎町を撮るんですね。

いまの日本のシンボルということかしら。

ぼくも次回作は日本を舞台にしようと考えてます。


あたりまえか。


いえ、

そうではなくて、


日本が舞台ということを自覚的に作ってみようと。


まだまだぼくらは「日本」を知らないのですから。

19:46

Jul 27, 2008

SUMMER SEMINAR

顧問をやっている

日本工学院専門学校クリエイターズカレッジ八王子校で、夏の特別ゼミとして

映画製作講座

をやりました。

3日間にわたって、実際に撮影体験しながら映画作りを学ぶ、

という短期集中ワークショップのような授業です。


ぼくはふだんは先生ではないのですが、

こうした特別な機会には先生もやります。

「先生」と呼ばれるのはとても苦手ですが。

最近は小学生相手に話をしたり、社会人に映画を教えたり、

なんだか教育系仕事が増えてしまいました。


今回のゼミでは、

自分が書いた簡単なシナリオをもとに、生徒さんに撮影をしてもらい、

それをまた編集して授業をするという流れを考えたのですが、

3時間で3本のストーリーを撮ることになって、

しかも編集と録音の作業で(ソフトのトラブルなどもあり、)徹夜になってしまい、

タイヘンでした。

身から出たサビとはこのことですね。

その間の睡眠時間が計4時間・・・


最後の授業のあとは、
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)30周年の記念パーティに行きました。

ぼくが入選したのは第3回で、79年のこと。

当時の仲間やら先輩の監督、映画業界の蒼々たるメンバーが集って、なかなか壮観でした。

阪本順治、松岡錠司、犬童一心、利重剛、

なんだか同窓会のよう。

しかし、みんな学生の頃からそれほど変わっていなくて、

まだまだ少年のような顔をしている。

誰も「オヤジ」臭くなくて、眼がきらきらしているのがいいですね。


いま映画を学ぶ学生たちも、そうであるといいな。

03:22

Jul 8, 2008

INDIEE

『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を観ました。

やっぱり面白かったです。


もう、こうなると歌舞伎みたいなものですね。

どんな飛躍したハチャメチャな筋でも、ちゃんと映画の演出がわかっているヒトが撮ると、

楽しく観られるというお手本。


30年前にスピルバーグ監督の映画で‘目覚めた’ぼくには、懐かしい場面(と演出)のオンパレードで、

まるでスピルバーグ演出の総決算のようで、

本当に嬉しくなっちゃいました。


特に『1941』以来、自ら御法度にしていたリズミカルなドタバタ・アクションの演出が、

当時の勢いのままやられていたのには、

懐かしさを通り越して感動が。


だって、サルの群れと一緒にツタをツタってジャングルを飛んでゆくんですよ!


そうそう。

映画 ってコレだよな。


理屈やリアリティばかりじゃなくて。


今でいう、ツッコミどころも必要なのですよ。


最近、観たあとにこんなに楽しく語れる映画はありません。

17:08

Jun 20, 2008

UNK

6月24日から京橋のフィルムセンターで

PFF30回記念

「ぴあフィルムフェスティバルの軌跡 vol.1」

という特集上映があります。

PFFはアマチュア映画の老舗フェスティバルで、

新人監督の登竜門的存在ですが、

過去ここに入選した、

森田芳光から長崎俊一、石井聡亙、塩田明彦、松岡錠司ほか、

現在活躍中のベテラン監督の、アマチュア時代に作った8mm映画が見られます。


ぼくは79年の第3回に『UNK』という15分の8mm映画で入選しました。

これは17歳、高校2年生のときの作品で、

2番めに作った映画です。

はじめて作った『FANTASTIC☆PARTY』という映画は他の映画祭で受賞しましたが、

PFFでも上映されました。

3番めに作った短編も第4回PFFに入選しているので、

ぴあにはずいぶんお世話になっています。

m(_ _)m


ぼくと、同じ年に入選した犬童一心監督のふたりが高校生だったので、

当時は

「高校生監督が現れた!」

と話題になったものでした。

『UNK』はたったひとりの出演者、台詞なしで、

ひとりでチマチマ作った個人映画です。

上映されるのは

6月26日14時と、
7月8日18時の2回。

もちろん、8mmフィルムで上映します。

http://www.momat.go.jp/

ところが、

その同じフィルムセンターの大ホールでは、
ちょうど長谷川一夫と衣笠貞之助の特集をやっています。


衣笠さんは、ぼくが日本で一番尊敬する映画監督です。

歌舞伎役者出身で、日本映画の創世期から活躍した名匠です。

53年の『地獄門』で日本人初のカンヌ国際映画祭のグランプリを受賞。

審査委員長だったジャン・コクトーに絶賛されました。

ドイツやロシアにも訪れて、

戦後から国際的に知られていた日本人監督でした。


人情映画から文芸作品、純粋なアート映画まで、
多種多様な映画の美を追求した映画作家です。


今回の特集では、長谷川一夫主演の名作はもちろん、

『狂った一頁』『十字路』など初期のアートフィルムから、滅多に上映されない佳作まで、

34本も上映されています。


映画職人の匠の技が堪能でき、

観ればみるほど勉強になります。

今回みられて感激したのは、

『新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』。

木曾義仲は誰かが映画化しているだろうと思っていましたが、

まさか衣笠さんだったとは・・・。

木曾義仲を長谷川一夫、巴御前が京マチ子。
手塚太郎光盛こそ出てきませんが、

なかなか迫力のある作品でした。

16:34

May 26, 2008

ROCKET

救いのない怖い映画のあとに、こんどは幸せいっぱいの映画をみました。

またもや試写なんですが。


映画はなるべく劇場で観ようと想っているのですが、たまには試写へ足を運びます。

「ぜひ観て感想(コメント)をください!」
と頼まれるからなんですが。


映画の試写会にはいわゆる披露試写と業務試写があって、

披露試写は一般の観客も招待されて、大きな劇場やホールで行われますが、

業務試写は映画会社の中にある小さな試写室でやるので、
どうしても画面がちいさい。

観に来ているのは評論家、マスコミ、ぼくのような業界者だけなので、

なんか雰囲気も堅いというか、

暗いです。


まあ映画ですから暗くして観るので、いいのですが。


そんな業務試写で観たその幸せいっぱいな映画は、

『庭から昇ったロケット雲』

という覚えにくい題名のアメリカ映画です。

カウボーイのような田舎の農家のお父さんが宇宙飛行士にあこがれて、

ついには本当の宇宙飛行士になってしまうという、

夢を追いかける男と、その家族の、

絵に描いたようなハナシですが、

きれいな奥さん、かわいい子供たち、幸せな家庭、気のおけない隣人たち、
という濁りのない美しさで、

「こんな家庭あるか!」

とあきれずに観ていられるのは、
ビリー・ボブ・ソーントン、ヴァージニア・マドセンをはじめとする俳優の名演があるから。

深読みすればカウボーイから宇宙計画という、アメリカの盲目的進歩を肯定する内容でもありますが、


フツウに感動しますよ。

家族で観たい映画ですね。


コワイ映画はちょっと、

という方にはお薦めの
「良い映画」
です。

7月から公開。

22:12

May 23, 2008

BUG

『BUG』という映画の試写に行きました。

街はずれのモーテルの一室で、(聞いたことのあるシチュエーション!)

男が布団の中でちいさな虫に刺される。

しかしこの虫、ただの虫ではない、
とんでもないヤツだった・・・。

次第に部屋も住人も、虫に占拠されていきます。

文字どおり、身も心も。


コメディじゃありません。

詳しく書きませんが、現代的で実に怖い、

というか

ヤバイ映画です。


ただでさえ、
いまウチが虫で問題になっている矢先なので。

うう、

なんとタイムリーな。


ひさしぶりにかなりハマりました〜。


舞台はたったひと部屋、
登場人物5人という、
実にミニマルな条件で、

先の読めない驚愕のドラマに引き込まれてしまいます。

秀逸なスリラーです。

一見なんてことのないシンプルな、
しかし実は奥深い演出力に脱帽です。

もう、すべての映像に意味があって。

なにげないショットも後から‘キ’ます。


まるでキューブリックの映画みたいに。


監督は、あの『エクソシスト』のウィリアム・フリードキン。

さすがです。

CGもスターも使わず、この密度。

見習いたい。

実際『ブラックキス』に似た演出もあるので勇気づけられるのですが。

黒沢清監督が『ブラックキス』を気に入ってくれて、2回も観てくれて、

「当然、映画はこうなるべき」

と言った、そんな演出で、

そう。
こうなるべきなんですよ。

『BUG』は7月から劇場公開。

ちと早い情報でしたが、

小品なので気をつけて。

01:23

Apr 4, 2008

1000×2

数年前に『千円ホラー』という、制作費千円ポッキリの、非常識のショートホラーを作りましたが、

またまたやります。


今度は1000×2で二千円。


4月6日に@nifty主催のショートムービーイベント「NeoMrePubric しりあがり寿 with 手塚眞 night」があって、
そこで上映します。

もちろんできたての新作、

というか、

まだ作っているのですけど。

(間に合うかな・・・)

なにしろ二千円ですからね。

それで観客が観ていられるモノを作るワケで。


撮影は先月末に、およそ4時間強で行いました。

経費だけではなく、時間もありません。

でも、
そんな過酷な状況、
なんかもうすっかり慣れました。

およそ30年も過酷な現場やってますから。


イベントは、ぼくがナビゲーダーをやって若い人々のショートムービーを紹介するほか、

題名の通り、しりあがり寿さん監督のムービー(『怪奇ハンバーグ男』ほか)がたっぷり披露されたり、

しりあがりさんプロデュースのバンド(!)が登場したり、

楽しめるハズです。


会場はお台場ZEPP東京の上。

気軽に話しかけられるムードのライブハウス。

ムービーとしりあがりさんとぼくに興味ある方は是非!

http://neom.nifty.com/

12:37

Mar 29, 2008

2008mm

8ミリの新作短編が完成しました。

題名は『2008mm』。

シャレじゃありません。

2008mm、つまり2メートルと8センチの長さの8ミリフィルムを上映すると、
およそ26秒になります。

その26秒の映像を材料に、
8ミリならではの画像美術を作り出します。


この数年取り組んでいるのは、朧気な8mm映像ならではの、
消え去りそうな儚さ。

黄昏の最後の陽の光が地平線に消えてゆくように、

フィルム上の画像が消えてゆく、

その一瞬の美しさを捉える試み。

デジタルではなかなか表現しきれない不安定さ、不確かさ、ノイズの描き出す偶然性の美の追求。


このところドラマのある映画ばかり取り組んでいたので、まったく物語のない映画はひさしぶりで、作っていて楽しいです。


物語のない映画は観るのも大好き。

あまり上映されませんが。

一時期アメリカの実験映画に多かったですね。
ブラッケイジとかブルース・コナーとか。


自分では物質(肉体)を越えて人間を捉えるのが好きでもあるので、

今回の映画もただ抽象的な模様ではなく、人物が登場します。

観念の形としての人といいますか。

一方で、純粋にデザインとして人の姿を表現することにも興味を持っています。

内容(なかみ)じゃなくて。

今回も、そのあたりの融合ですね。


4月27日からイメージフォーラム・フェスティバルで初公開します。

http://www.imageforum.co.jp/festival

01:21

Mar 27, 2008

P O V

『クローバーフィールド』と『REC』という、
似たような映画を続けてみました。

ネタバレになるとつまらないので内容は詳しく書きませんが、

なにが似てるかというと、

どちらもドキュメンタリーのような、ニュース映像というか携帯動画というか、そんな“生”な映像だけでドラマを成立させているってことです。

“POB”つまり、Point Of View(主観撮影)というのだそうです。


だいぶ前に『ブレアウィッチ・プロジェクト』という、素人のビデオ映像を狙ったホラーがありましたけど、

それをもっと緻密にしてお金をかけて作った感じです。


『クローバーフィールド』は完全に素人がビデオで撮っているという設定で、

NYが壊滅してゆく様を、ひたすら手持ちビデオカメラが撮り続けるという、

その徹底したところが新鮮。

アメリカで今いちばん勢いのあるF.F.エイブラハムのプロジェクトで、

内容だけではなく宣伝やイメージ作りも秘密の仕掛けがいっぱい。

ネット世代から情報発信させようという魂胆です。

自由の女神の首が吹っ飛んでくる、何が起きたんだ! という意外性あるCMでした。

本国ではそんな仕掛けが効を奏してヒットしましたが、
日本ではどうでしょうか。


一方の『REC』はスペインで大ヒット、100万人が観たというホラーです。

こちらは素人ビデオではなく、テレビのカメラマンが撮ったビデオ映像という設定で、

密室的緊迫感の中をカメラが行き来します。

遊園地のお化け屋敷のようで、

コワイ、というより気味が悪いというか、

イヤーな印象の話です。


どちらの映画もそれなりに面白いのですが、
若干、映画というより、アトラクション的な印象は拭えない。

逆に、
映画の演出表現というモノを、改めて考えさせられましたね。

作られた‘生’映像と、いかにも演出された世界はどちらが迫真か。

これは、
どんなに精巧に作られたCGも現実にはかなわない、

という問題に似ています。

時代とともに、映画はリアリティを求められるようになりましたが、

映画ならではの美しく印象的な様式を失っていきます。

その様式こそが映画たる所以でもあるのですけどね。

POV映画は様式と非様式世界の狭間で作られています。


必見かどうかはともかく、

そんなテクニックの興味としては、いまお薦めです。


あと、ぼくは職業柄見慣れていますが、
素人っぽいグラグラ揺れる映像は、
大きなスクリーンで見ると、少し酔うかもしれませんね。

22:10

Mar 19, 2008

YOSHIMOTO 100

役者のあんじは吉本興業所属なのですが、

その吉本が所属タレントに監督させるショート・ムービーのシリーズをやっていて、

どうやら100本作るらしい。

1本の予算が仮に100万円として、100本で1億円。

1億で長編映画1本作るか、
短編100本作るか、

という選択ですね。


あんじも1本監督したというので観に行きました。

『人を造る』というロマンあふれる物語で、
主演のいしだ壱成さんと、共演の小林涼子さんがとてもいいです。

あんじ初監督ですが、プロのスタッフがついているので、
そういう意味では安心して観られます。


ぼくは最近、新人とか素人をスタッフに使ってムービーを撮っているので、逆のアプローチが新鮮です。


長年演出をしていると、変に手慣れてしまうというか、

テクニックの垢が溜まってしまうので、

そんな“垢”を、どう捨てるかが課題です。

いつもビギナーズの新鮮さを保ちたい、

と想っているのですが。

未経験者が参加することで、いい意味で現場がノイジーになって、

作品に青っぽさが出るのですよ。

プロがわざと素人っぽく見せかけているのではなくてね。

01:42

Mar 6, 2008

KUBLIC

7日昼の日テレ系『おもいっきりイイ!!テレビ』にちょい映ります。

スタンリー・キューブリック監督の命日ということで、コメントしました。

ぼくが敬愛し、強く影響を受けている映画作家のひとりです。

世界の多くの映画人がとてもリスペクトしていますね。

一般の観客よりも玄人に受けました。


キューブリックが『2001年宇宙の旅』を作るとき、手塚治虫にアートディレクターを依頼してきたというのは有名な逸話。

彼はテレビで『鉄腕アトム』を観ていたのでしょう。

父は喜んだのですが、条件として2年間ロンドンで働いてくれといわれて断らざるを得なかった。

当時はパソコンもネットもない時代ですからね。


もしそのとき、手塚治虫が映画に参加していたら?

1本の映画のイメージは変わり、

引き替えに日本のアニメもマンガも今ほど盛んではなくなったかもしれません。

少なくとも『2001年…』は手塚治虫が参加せずとも名作になりました。


ちなみにキューブリックと手塚治虫は同じ年の生まれ。

1928年。

亡くなったのは、
手塚治虫が89年の2月9日、
キューブリックが99年の3月7日。

アトムが生まれたのは4月7日。


もうひとり、1928年生まれの天才がいます。

アンディ・ウォホールです。

この3人が同い年。

ウォホールが亡くなる前にアトムの絵を手がけた作品が会社にあります。


あとひとり、
ぼくにとって大事なヒトがやはり1928年生まれ。

それは、ぼくがもっとも尊敬する俳優のロディ・マクドウォール。

といっても今の若い人にはピンと来ないかもしれませんね。

一番有名な主演映画が『猿の惑星』ですから。

「コーネリアス」というチンパンジーを演じて人気が出ました。

みんな、今年は生誕80年。

残念なことに全員、いまは故人です。

22:31

Mar 5, 2008

CAT MOVIE

フリーハンド(自主映画サークル)のショートムービーを撮影していました。

企画名は『ネコは人間の親しき友ではない。』。

これは、メンバーの俳優が自分主演でやりたい役を考えて、ぼくが監督するというシリーズ。

若い女優の真柳美苗さんが選んだ役は「ネコ」。

着ぐるみも特殊メイクもせず、そのままでネコを演じます。

やはりメンバーの八月さんが書いたオリジナル・シナリオです。


ひさしぶりに他人が書いたシナリオをそのまま演出するので、なんか新鮮です。

ネコ映画なのに台詞芝居だったりと、フシギな作品です。


撮影は2日にわけて、横浜市青葉区で行われました。

自主企画なので例によって予算がありません。

いつものように、ぼくは監督以外にプロデュース、現場の制作、撮影、照明、雑用を兼ねて、

しかも今回は車両部まで担当です。

スタッフや役者の送り迎えからロケ地への移動、撮影機材の搬入までやるという・・・。

便利な監督ですね。


そのかわりショートムービーのキャスティングは独断で決めてます。

といってもメンバー以外はほとんど友人。

今回の客演は川村早織梨さん。
知人ですが初めて仕事します。

それが、
ネコ好きのイラストレイターの役だったのですが、なんと本人もネコを飼っていて大のネコ好き。

しかもイラストまで描いていて、かなり役にシンクロしていてビックリ。

こういうのは幸せな偶然ですね。


偶然といえば、
たまたま、知人のツテでエキストラ(ネコ)をお願いした勉強中の新人さんも名前が川村さんで、本名は早織梨さんと一文字違い。

同じ作品に川村さんがふたり。

しかもふたりともネコを飼っている!

撮影現場にも飼いネコがウロウロしていて(出演者じゃありません)、ネコづくしでした。


よくネコ派か、イヌ派かと分かれますが、

ぼくはコウモリ派なので・・・。

もしぼくがコウモリの役をやるときの企画名は『コウモリは人類の恐るべき敵ではない。』

ですね。

22:45

Feb 15, 2008

TORO

熊本出身のトモダチ(唯一、つきあい続いている大学の同期生)に、おいしい赤身トロの馬肉をもらって、

持つべきは熊本の友、と喜んでいたら、

「熊本のヒトは馬肉は赤身しか食べない」

と馬鹿にされてしまいました。
(シャレじゃありません)


そりゃタテガミだのフエタゴだのは、珍味かもしれない。

そりゃ、赤身がおいしいに決まってますよ。

でもいいじゃないですか。
珍味でも。


実は珍味好きなのです。

ヘビとか、

サソリとか(中国)、

タツノオトシゴの唐揚げとか(沖縄)。

自分の映画もかなり珍味ですが。


珍味といえば、

『スウィーニー・トッド』観ました。

久しぶりにティム・バートンの真髄、て感じでとっても良かったですよ。

抵抗あるヒトが多いようですが。

個人的に彼のベストは、
『シザーハンズ』を別格とすれば、

間違いなく
『エド・ウッド』です。


彼とは歳も近いし、恐らく好きな映画が同じなのでしょう。

ユニバーサル・ホラーやらハマー・ホラーやら・・・。

『スウィーニー・トッド』の、殺されて地下室に落ちる被害者を真上から撮ったショット。

これたしか『フランケンシュタインの逆襲』だよね〜

とか。


それより驚いたのは、

いつのまにティムは、こんなにウマくなったんだ、

というくらい、上手だった。


若いふたりが窓越しに出会う場面。

これこそ映画です。

見本のような・・・

完璧ですね。


だから次回作が楽しみ。

この巧さをどう、ぶちこわしてくれるのか。

21:21

Feb 8, 2008

FRENCH

20年来の映画の企画があって、

オリジナル・ストーリーなんですが、

改めてフランスとの合作でやりたいな、

と考えていたら、

フランスから次々と映画人が会いにきます。


もちろん、彼らは別に目的があって来ているのですが、

タイミング合いすぎです。

企画がうまく進むかは別として。


実は、これまでフランスに直接的に興味を持ったことはありませんでした。

カンヌも行ったことないし。
(呼ばれたことないし)

ただ『白痴』は海外では唯一、フランスで劇場公開されました。


だからというワケじゃありません。

例によって、いつもの「直感」で、なぜかいま、フランスだと。


これからフランスの勉強をはじめなきゃ。

歴史、文化、ヒト・・・。


とはいえ、フランスの映画を作るワケじゃありません。

「日本」がテーマの日本映画が作りたいのです。

じゃあ、なぜフランス?


そこがフシギなところですね。


ちなみに今日会ったのはキャロ監督。

『デリカテッセン』『アメリ』の、あのジュネ&キャロ、そのヒトです。

彼なら、ぼくの映画、理解してくれそう。

00:19

Jan 8, 2008

30TH

ぼくが映画を撮り始めたのは17歳のとき。

1978年。

『FANTASTIC☆PARTY』という8mm映画でした。


それから30年。


と想うと、長いなあ。

そのわりに寡作ですが。


10年前、つまり20年目には何をしていたかというと、

『白痴』を撮影してました。

デビュー20年でやっと『白痴』です。

10年かかって『白痴』を作って、その後は10年で10本作るなんて言ってましたが、
実際はショートムービーを含めて10本ですからね。

何でもたくさん作ればいい ってものでもありませんが。


以前、アラブの映画祭に行ったとき、レセプションで隣に座った初老のアラブ人監督の話が印象的でした

彼は、
映画監督として何十年もやってるが、作ったのは短編ばかり。

35mmの長編映画を撮るのは一生の夢なんだ、

と語っていました。

彼だけではなく、アラブのほとんどの監督はそうなのですって。


もちろん、

長編を撮るのはぼくにとってもいつでも夢です。

そんな夢を大事にしたいと想います。


「なんでもいいから撮らせてよ」

じゃダメなんです。

1本1本を大切にしないと。


30年前、初めて撮った映画のテーマは

「青春はなんてファンタスティックなパーティであることか」


いまならそれを少しバージョンアップして、


「人生は、なんてファンタスティックなパーティであることか」

18:09

Dec 18, 2007

AFTER8

で、どうなったかといえば。

(前回の続き)

夕方5時に最後のフィルムがあがる予定だったので、スタッフが現像所に取りに行き、編集中のぼくのところへ届けてくれる、

予定になってました。

時間節約のため。


ところが!

スタッフの乗った鉄道で人身事故が起こり、
(なんと)
電車が停まってしまった。

現像所の窓口は6時まで。

駅のタクシー乗り場は長蛇の列。


うわ〜〜っ。

このままではフィルムが届かない。


つまり、完成しない。


どうしよう〜。

と、悩んでもいる暇もない。

作業は続けなければ。

6時寸前、やっと電車は動く。

事務所スタッフの連携プレーで現像所には連絡を入れてもらい、なんとか遅れてフィルムはゲットされる!

夜8時に手元に届く。

ああ!

よかった!!


と、喜ぶ暇もなく、新たなフィルムを試写。

すると案の定、新しい構成アイデアが浮かび、それまでに編集を終えていた8割の場面を入れ替えてしまう。

カットしていた場面も復活させて、大幅な修正。

寝る暇もないというのに、つい粘ってしまう。

作り手の性(サガ)というかエゴというか。

だって、悔いが残るよりいいでしょう。


結局、編集が終わったのが午前3時。

さあ、今度は録音です。

8mmはデジタルみたいに簡単に音をつけられない。

フィルムを映写しながら、タイミングを見てリアルタイムに音をつけてゆく。

ちょっとズレたら、また最初からやり直し。

一番好いタイミングに収まるまで、何度でもやり直します。

3分進んでやりなおすには、3分かけて巻き戻し・・・ という苛々しそうな作業を繰り返す。


納得できる限界の時間で、午前10時。

録音終了。

12時30分までに会場へ行かねばならない。

あわてて風呂に入る。


会場のイメージフォーラムは渋谷。

ウチは練馬区。

正味1時間。


少し遅れて1時に到着。

すぐに授業を開始する。

眠いので、話しにサービスがなく、ひたすらマジメな講義。

午後4時。それが終わると、会場の片隅でこれから上映するフィルムのクリーニング。

8mmはゴミとか埃がつきやすく、上映するとかなり目立つので、それを拭き取るのです。

これまたフィルムを手でゆっくり巻きあげながらの作業。

数時間かかってしまう。


こうして、夜7時30分の上映に、間に合いましたよ。


なんか、1分の隙間もない進行でした。

疲れました。


と、まだいっていられない。

上映はパフォーマンス的なライブトークを交えてやります。

客席の真ん中に設置された映写器で、20歳のときに作った習作を自ら上映してスタート。


そんな上映プログラムが、2日間に3回。


そして初日が終わり、夜中に帰宅してからは、翌日に上映する作品の編集と録音が待っている。


8mmは、ひとり過酷です。


それでも8mm上映は自分の古巣というか、生まれた家に戻った気分。

ホッとします。


作品は、新作も昔のものも、どれも最高に自分らしくて、
大好きなんですよ。

01:56

Dec 14, 2007

12HOURS

いよいよ明日あさってが8mmの上映ですが、
前日の今日、
まだ作ってます。

(>_<)

8mmでは、よくあることですが。


現像所が日本に1カ所しかなくて、年末は多忙のために予定が変わるのです。

そのため、最終のフィルムの現像が、今日の夕方にやっとできてくるという。

それを見て、構成を熟考し、編集して、録音しなきゃならない。

すべてアナログの作業。

発表は明日の夜。

しかし、明日はイメージフォーラム付属映像研究所で年一回の授業が昼すぎからあります。

なので締め切りは明朝。

正味12時間。


例によって、離れ技です。


ああ、ブログなんか書いてる場合じゃない。

作業、続けま〜す。

12:42

Dec 9, 2007

PLANET8

上映会のインフォメーションです。


イメージフォーラム・シネマテーク
「PLANET8」
手塚眞8mm作品集


すべて8mmで作られた作品で、フィルムのまま上映します。
プライヴェート・ムービーなのでソフト化、デジタル化はまったくなされていません。

なので、見られるのはここだけ。

ドラマではなく、最新技術の映像でもない、
心象を表現したアート作品集です。

手塚眞イメージの源流と、8mmならではの繊細な映像美。

16日はフォトグラファー藤井春日さんとの対談もあります。
藤井さんも美しくて不思議な方です。


12月15日 19時30分〜 プログラムA
12月16日 14時〜 プログラムB
16時〜 プログラムC

A:『2006』『2007』(新作)『ANNEXE』(85)ほかシークレット
B:『2006』『2007』+写真家・藤井春日さんとのトーク
C:『惑星TEトLA』(07バージョン)


当日1200円 フリー券 2100円 IF会員 700円

会場 渋谷イメージフォーラム3階 寺山修司
http://www.imageforum.co.jp

19:45

Dec 7, 2007

EDITING 8

いよいよ8mmフィルムの編集が始まりました。

デジタルと違って、1本しかないフィルムを手で直接触りながら切って、貼って、繋ぎます。

幅がたった8ミリしかないフィルムです。

しかも一度間違えて切ると元には戻せない。

たしかに慣れないヒトにはスリリングな作業です。

いまやデジタル全盛で、小さなDVカメラでも美しい映像が写せる時代に、なぜわざわざ8mmを?

と思うかもしれませんが、
その理由は8mmフィルム独特の映像の質感。

はっきりいって、解像度わるく、不鮮明です。

でも、そこが美しい。


ぼくはノイズ、揺れ、歪みといった不安定なモノが好きで、美しいと想うんです。

いまのデジタル技術はむしろそうした部分を排除しようとしてますね。

でも、自然のものはそんなに正確な形状をしていないし、歪んでいたり汚れていたり、揺れているんです。

ヒトの顔だって、どんな美人でも左右対照なんてあり得ないし、完璧ではない。

だから、美しいと想えるんです。

それが自然だから。


ぼくの8mm映画では、そんなノイズ、揺れ、歪みが強調されています。

それらを強調する技術を使っています。

それは「偶然性」「乱暴さ」といった技術です。

それによって、映画は異世界を描きます。

いえ、心の世界です。

ぼくの8mm映像は、ぼくの心の影像です。

ノイズ、揺れ、歪みこそ個人の表現であり、魂の息吹きです。

だから表現者として、不安定な8mmにこだわるのです。

「美しさとは痙攣である。そうでなければ存在しない」(アンドレ・ブルトン)

23:37

Nov 27, 2007

CHAO.S

8mm撮影が続いてます。

Chao.sことカオさんの出演場面。

カオさんは映画演出ワークショップの受講者でした。

開講前日にラジオで情報を知って、翌日いきなり受講したという。

今回、彼女は出演だけではなく、衣装も選び、メイクも自分、小道具も持ってきました。

なので撮影はふたりだけで行います。


それにしても、

1週間以上、休みがないのでかなりヘトヘトです。

スタッフがいない → すべて自分で動くしかない → 準備や裏方をしながら、演出を考え → 照明もやり、撮影もする。

片づけやフォローも自分。

そりゃ疲れます。

しかし、8mm自体が風前の灯火ですからね。

フジフィルムは採算度外視で続けてくれてはいますが、

現像機は調子が安定せず、メンテしつつ動かしているとのこと。

いつ壊れて現像できなくなってもフシギはない。

映像の絶滅危惧種ですからね。


いまのうちに使わないと。

14:55

Nov 24, 2007

DIVA 2

23日も新潟の天気予報は雪。

にも関わらず、朝から少し陽差しがありました。

曇り空ですが、前日の強運もあるので撮影は実行することに。


今日の出演者は、知人のツテを辿って紹介してもらったふたり。

バレエをやっている愛子さんと、自分でも振り付けてダンス公演をしている友紀さん。

友紀さんは、去年たまたま飲み会で同席した方でした。
(そのハナシもかなりの偶然なのですが、長くなるので省略)

まったく違う経路で来ていただいたおふたりでしたが、実はもともとの知人同士だという。

新潟が狭いのか、縁があるのか。

ふたりのヘアメイクを担当してくれたのは、「秘密基地」のキムさんと、カナさん。

「秘密基地」というのは(東堀にある)美容室の名前です。

そこに集合して、車で海岸線を1時間。

現地に着くとみぞれがバラバラ降ってきます。

しかし気にせず、メイクや準備をしているうちにも、天気は変わってゆく。
海沿いなので風も強いですし。

愛子さんも友紀さんも衣装が薄着で(面積も少なく)、ちょっとかわいそう。

いや、
かなり辛そうですが、
がんばってくれました。

今回はちょっと神話的な世界というか、友紀さんは狩りの女神で、愛子さんは追われる乙女というような設定。
ふたりは凛々しく、また可憐に踊ります。

すると、ちょうど撮影している上空だけ雲がポカッと割れて、強い陽がさしてくるではありませんか。

震える彼女らの肌に、陽が当たります。


今日も天に感謝。


意外な場所に滝があって、そこでも滝に陽が差して虹までかかるし。

ついにはきれいな夕陽になって、雲の形も絶妙に美しく、狙っても撮れない画になりました。


かくして予定通り、すべてが終了。

後で人に聞いたところ、市内は雨続きで、見ると遠くの空だけ夕焼けが見えて、
「ああ、あの雲の下だけは夕陽がきれいなのだろうな」と思っていたと。

まさにその雲の下で撮影していたのです!


今回も、素敵な人と時間の巡り会わせがあった新潟でした。


ちなみに、今日の新潟は強い雨。

昨日おとといで、撮影できてよかった。


と、実はこの強運にはさらに驚く出来事があったのですが、

それは次回に。

17:15

Nov 23, 2007

DIVA

今日の新潟の天気予報は雪。

降水確率は80%。

ほとんど撮影は無理かな、

と思いつつ、ダメもとで現場まで行きました。

今日の出演者は岡村知子さんといって、新潟市でただひとりインド舞踊を教えていて、インドで4年間修行してきた方。

踊りはバラタ・ナティアム。
南インドの古典舞踊です。

岡村さんは背が高く、端正できれいな方で、インド舞踊をする日本人にしては珍しいタイプかも。

もちろん初対面で、今日いきなりの映画出演でした。


すると。


彼女が装束を身につけて、メイクをして踊り始めると、たちまち雲が切れて太陽が当たるではないですか。

しかも、背景の日本海は強風で荒波。

そこに陽が射す美しさといったら。


ちなみに岡村さんの踊りはシバ神に捧げる踊りでした。

まあ、ぼくも晴れ男といいますか、いつも撮影には女神がついていてくれるのですが。


踊り終わって片づけて、さあ帰ろうとなったらたちまち曇って悪天に。

これを偶然というのは簡単です。

だからこそ、感謝しましょう。
天と地と、すべてのものに。


そのあと、さらに凄いことが起きたのですが、

その話はまた後日。

00:45

Nov 21, 2007

NIHON OCEAN

8mmの撮影のために新潟に来たのですが、

雨やら雪やらみぞれやら。

(>_<)

日本海の風は容赦なく冷たく強い。

画としては迫力あって良いのですが、出演者にはたまりません。

明日からのロケはもろに海沿いの屋外です。

しかも服は薄着。

ヤバイです。


そうそう。

今回は新潟内で出演者を募ったのですが、選ばれた3人が(偶然にも)互いに知り合いだったという。

そんなモノなのでしょうか。


新潟での撮影は『白痴』以来・・・

と言いたいところですが、実は『2002』という実験作を撮ってます。

なので5年ぶり。

23:23

Nov 9, 2007

MEETING

昨日で『ラブ・システム』がクランク・アップ、

するはずでした。
しかし。


ああ〜!

撮りこぼしが〜。

ほとんど2、3カットだけなんですけどね。

ちょっと段取りに手間取った上、ロケ場所に向かう高速で事故渋滞があったもので。

まあ、こういうこともあります。

来週こそ終わらせねば、次に取りかかれないし。



いいながら、
次の作品の打ち合わせしています。

自分ひとりの作品の場合、
内容はいくつかの次元でのコンセプトがあるのですが、
あまりハッキリ決めずにいきなり打ち合わせします。

そして、だらだら雑談しながら、そこで急に思いついたりひらめいたことで組み立てていきます。

相手の意見や発想も参考になります。


クリエイティブな話はとてもリラックスしていることが大事。

親しい友達と遊んでいるような気分が必要。

だから、ときにはお酒がはいります。

いいですね、とうらやましがられるけど、

この後がタイヘンなんだ、これが。

実際に作るのは。

19:19

Nov 7, 2007

2007

さて、
ひと息ついたところで次は新作の8mm映画に取りかからねばなりません。

12月に上映するための新作です。

なんで次々に作るかといえば、
映画作りもスポーツと同じなんですね。

続けないと気が落ちる。


さて新作は『2007』といいます。

例によって題名だけ先に決まっています。

去年『2006』で再会をはたした8mm。

その復活の先に見えるものは?


自分にとってさらに新しいイメージ、新しい8mmの冒険が待っています。


しかしひと息ついたといっても、

フリーハンドのショートムービーはまだ撮影が残っているし、撮影済みの作品の編集、応募がはじまった国際ニコニコ映画祭の準備、いつになるのかわからない商業作品や来年のイベントの打ち合わせ等々、
やることは山積みのままです。

そうそう、新潟にも行くのでしたっけ。

自分の会社経営という大事な任務もあります。


アタマは減らしたいのですが、身体はたくさんほしいなあ。


あ、
体重はいりません。

16:54

Oct 28, 2007

YOKOHAMA

今日はこれから横浜学生映画祭に行ってきます。

日本とアジアの国々の学生たちが作った映画の競演。

ぼくが高校生のときに作った8ミリ映画『HIGH−SCHOOL−TERROR』がデジタル上映されるので、顔を出します。

この映画、学校の放課後にひとりで4時間で撮影した6分のショート・ムービーですが、内容はズバリ“学校の怪談”。

でも「学校の怪談」が流行るずっと前だったし、まだ日本に「ホラー」って言葉がない頃で、エンターテイメント的なショートムービーもあまりなかった、

つまり今となっては先駆けの映画。


評論家に絶賛され、ぴあのフェスティバルに入選し、街の名画座でプロの映画と一緒に上映されたり、角川映画が参考にみたいとフィルム借りていったり、いろいろありました。

でも自分では当時もいまも、あまり見せたくないほど「恥ずかしい」。


技術がヘタだから。


まあ、高校3年生じゃしょうがないのだけど。


そのときある評論家が、
「こんなうまい怪奇映画は観たことがない。しかし手塚さんにはクラシックの名演奏家になるより現代の音楽を奏でるような作家になってほしい」というような言葉をいただき、「そうか」と想って職人的な映画作りを捨てて、どんどん新しいことを始めちゃった。


そうなるには早すぎたのですが。


このあたりがぼくの幸と不幸ですね。

11:38

Oct 27, 2007

WORKSHOP2

朝日カルチャーセンターでの「映画演出ワークショップ」が終了。

完全に初心者向けでしたが、
さまざまな年齢、職業の方が集まり、話し甲斐がありました。


しかし、たったの2回、合計3時間で映画の演出のやり方を教えよう っていうのがどだい無謀です。

案の定、最後は時間切れの感。

まあ、それでも基礎の基礎だけはなんとかレクチャーできたかしら。

基礎をわかりやすく、ちゃんと教えるところは意外と少ないですよ。

日本の映画教育は「まずやってみろ」スタイルが多いから。


今回はあくまで「演出」という観点からのワークショップなので、カメラほか技術のレクチャーは省略。

映画制作の目的意識とか、俳優とのコミュニケーション、撮影アングルの選択、なんていう話に、
ミステイクを編集で救うテクニック、音楽の付け方など、現場で起こりそうな話題に軽く触れた感じです。

ダメな編集の例を見せたりとか、けっこう具体的ですよ。


ところが・・・

ここにトラブルが。


設備機材が扱えないよ〜〜(ToT)

PC、DVDなどを駆使するつもりが、自分の機材じゃないからうまく使えない。

手間取って、結局それが致命的に時間を奪ってしまった。

メカ・オンチなのがバレバレでしたね。

まあメカ・オンチでも演出はできるんですよ。

もし、次回やるときはもう少し時間に余裕を持たせて、
できれば10回連続、
ダメでも5回くらいのワークショップが良いかもしれません。

今日は台風の影響で大雨。

予定していたロケ撮影は中止になりました。

思わぬ休日が訪れて、個人的にはひと息・・・ 。

16:46

Oct 26, 2007

SHOOT,SHOOT

フリーハンド・ショートムービー『ラブシステム』の撮影が続いてます。

本日は川崎の映像探偵社スタジオ(の一部)を【無理矢理】お借りしてのセット撮影。

例によって機材はすべてぼくが乗用車で【無理に】持ち込み、極少スタッフ(4名うち学生2人)で準備。


撮影というとなにか華やかな世界を想像するかもしれませんが、
汗かきながら地道に手で作るしかないのです。

華やかなのは映画の中だけで、舞台裏はなかなかセコくて情けないもんです。


それでも今日のゲスト出演者だけは(相変わらず)豪華。


まず、漫画家の内田春菊さん。

もちろん漫画家の役ではありません。

彼女は俳優としても活躍していますが、ぼくの映画には初です。

ひさしぶりにパーティで会って【無理矢理】口説いてしまった。

そんなときぼくは有無をいわせないんです。


そういえば、お宝ポラ写真を1枚持っているのですが、
ずいぶん前にウチのパーティで撮ったもので、
そこには春菊さん、玖保キリコさん、故・杉浦日向子さん、それに岡野玲子の4ショットで、しかも全員のサイン入り。

メチャ貴重です。

あと、春菊さんの本の表紙に先日モデルをしてもらった朱里さんが写っていたことがあり、

世の中はせまい。

というか、繋がっている。


さて、今日のもうひとりのゲストは萩原佐代子さん。

といわれてピン! とくる方は、彼女のモデル時代を知っているか、

さもなければ特撮オタクです。

実際、スタッフの八月さんは興奮気味に
「え〜〜! 伝説のヒトですよ」
と言うので、たぶん伝説の方なのです。


実は少し前にもショートムービーに出演してもらったのですが、
(ぼくも実はファンだった)
二度あることは三度あるでしょう。

やはり【無理矢理】お願いしての出演。

萩原さんも小野みゆきさんや甲田さんと近い世代のモデルでしたね。


そしてさらに、春菊さんの夫役で俳優の松山鷹志さん。

しかも見学でなぜか矢島晶子さん(クレヨンしんちゃん)までいらっしゃる。

もう、なにやらわからない現場です。

しかしぼくは和む暇も休む間もなく、1日中働いている。

一度撮影モードに入ると、ひたすら働き続けるだけ。

平然と見えて、過酷です。


明日は映画ワークショップで、あさつてはまた撮影、しあさつては横浜学生映画祭に舞台挨拶に行きます。

00:40

Oct 22, 2007

LAB.SYS.

いろいろなことが怒濤のように起きていて書ききれないのですが、

フリーハンドのショート・ムービー企画『LAB.SYS.(ラブシステム)』がクランクインしました。

ひさびさの、というより珍しく、シリアスなSFドラマ。

愛情の消えた未来社会の話。

主演の大澤真一郎さんはロン毛イケ面のフリーハンド・メンバー。

謎のヒロインにはTZKムービー初出演の河井青葉さん。

清楚な雰囲気がナイスな女優さんです。
(元モデル)


若手の役者が集まって、なごやかに撮影を進めてます。


とはいえ。

スポンサーもなく予算もなく時間もないので、ぼくが脚本・監督・撮影・制作・プロデューサー兼ねてまして・・・


つまりはタイヘン。


それなのに自主(映画)では異例な豪華なゲスト出演者もあり。


まずはひさしぶりの小野みゆきさん。
(やはり最初はモデルで売れました)

小野さんはTZKムービーに欠かせない方。

今回は少ない出番ながらやはり存在感は圧倒的。

そして現場ではとても素敵な女性です。

たぶん同性も憧れる人。


その撮影の終わった同じ日に、dip in the pool の8年ぶりのライブに行きました。

懐かしいスパイラルのイベント・スペースで、甲田益也子さんに数年ぶりに再会。

変わってない。

というより時間が止まっているみたい。

甲田さんがスーッと歩いてステージに出てきたときは、思わず涙が出そうになりましたね。

やはり彼女の資質は他の誰にも代えがたい。

唯一無二のオーラが出ている。

娘さんのウッちゃんももう11歳。

一緒にヴェネチア行ったの、覚えているかな。


甲田さん、小野さんは80年代にぼくのアイドルでした。

彼女たちと今もこうして会える幸せを噛みしめています。

翌日は、その甲田さんと親しいモデルの朱里さんを撮影。

これは11月3日に行われるSeraphimのショー映像の撮影です。

がらりとイメージ変わって、こちらのテーマは「Romantique」。


朱里さんとも知り合って何気に長いです。

あんじや千草ちゃんたちと「Cutee」を賑わせていた頃が懐かしいな。

そうそう、『BOX』写真の最初のモデルが朱里さんだったっけ。


ぼくの周りには美しいモデルの人がたくさんいます。

彼女たちのおかげでぼくの日常は、心地よく仕事できるんです。

00:46

Sep 24, 2007

WORKSHOP

また風邪ひきまひた。

寒くなりましたからねえ。

皆さんもお気をつけて。


今日はインフォメーションです。

先日お伝えしたように、

映画演出のワークショップやります。


カメラとかの技術じゃなくて、演出のやり方です。

これから映画つくりたい、、
この際映画作りの基礎を知っておきたい、、
という初心者向けではありますが、

特に

「映画監督ってどうやるの?」

というなんにもわからない方にお勧めします。

プロでも意外と知らない「そうだったんだ」話がたくさんでることでしょう。


単なる映画ファンの教養としてもいいし、、

「これでコネつけて映画界に入ってやれ」

というヨコシマな動機でもいいし、、

「憧れの手塚サマに逢って話が聞ける」

というあわよくばな動機も歓迎です。


10月12日と26日。(2回連続)

朝日カルチャーセンター新宿教室
http://www.acc-web.co.jp/shinjuku/0710koza/A0102.html#


やさしく指導します。

23:37

Sep 19, 2007

NEXT PLAN

本当は明日、ショート・ムービーを撮影する計画があったのですが、少し延期。

準備など足りないので。

もともと無理な予定ではあったのですが。


自主制作は必然や締め切りがないので、気を許しているといつまでも作らずにいてしまいます。

「撮る」「撮る」といって、少し自分にプレッシャーをかけた方がいいんです。

自分で自分に義務感を持たせて緊張させないと。

今度はオリジナルのハードSFです。

ルーカス監督が学生時代に『THX1138‐4EB』を作ったでしょう。

そんな感じ。

もう学生じゃありませんけども。


いま、数本のショート・ムービーを抱えつつ、

長編の企画を練りつつ、

あと年内の予定は、

月末はひさびさに新潟で講演。
赤塚りえ子さん、坂口綱男さんと“2世アーティスト”トークショー@新津美術館。

10月は朝日カルチャーセンターで映画演出のワークショップやります。

11月は SERAPHIM のショー@渋谷ル・デコで映像パフォーマンスします。
8mm新作も流すつもり。
http://www.seraphim.com.

12月は8mm映画(アート・フィルム)だけの上映会やるつもり。
『2006』(ニューバージョン)ほか新作と、数年ぶりの『惑星TEトLA』(!)を披露します。
これは一生作り続ける“成長する映画”。
上映のたびに作り替えてしまう幻の作品です。
はるか85年から続くプロジェクト。

年末にはひさしぶりに『白痴』の上映もあるかも。

それぞれ詳細は未定。
決まり次第、書きますね。


相変わらず盛りだくさんの日々です。


それにしても、パワーが足りない・・・。

ちょっとちがう次元に行って力つけてこないと。

19:28

Sep 2, 2007

CINEMA DAY

今日は映画の日で、劇場は1000円。
観なくちゃ。

いつも新聞の映画欄を切り抜いて持ち歩いてるんです。

土曜の映画欄は充実していて、東京だと3段くらいの量があります。
なので毎週土曜に切り抜くんです。


わー。これを片っ端から全部観たい〜。


と毎月想うのですが、なかなかそうはいきませんね。

いつでも観られると想う気の緩みが、結局行かないまま過ぎてしまうもんです。


今日は時間がある。

意地でも観るぞ。

さすが夏だから、話題作も地味な渋い映画もたっぷりやってる。

うう、
どれを観よう。

迷いますね。

結局、トニー・ガトリフの新作『トランシルヴァニア』と『トランスフォーマー』という、
どちらも「トランス」だけど対局的な2本のハシゴ。

観客としても多重人格す。


この世界に入るきっかけのひとつが『吸血鬼ドラキュラ』な人間にとって、「トランシルヴァニア」は特別な響きがあります。

もちろんこの映画はホラーじゃなく、いつも通りロマのロードムービー。
ガトリフ節。


『トランスフォーマー』は『鉄腕アトム』のマンガのロボットのネタをまんま映画にした感じです。

いや、そんな気のきいたドラマじゃありませんが。

ファースト・フード・ムービー専門のマイケル・ベイ監督らしい、アメリカン・バーガー(本場)な味。
しかも子供向け。

夕方にクア・アイナでハワイ風ハンバーガー食べたけど、やっぱ大味というか、味は二の次というか。
疲れますね。
アゴが。
映画もそんな感じでした〜。

やっぱりこういうのは1000円くらいで観なくちゃね。

01:56

Sep 1, 2007

PREVIEW

夏の終わりに、2本の作品の(自主)試写を一度にしました。

8ミリ映画『2006』とネットシネマ『漫画探偵539』。

『2006』は7月までフェスティバルで上映してましたが、編集を変えて場面を増やしたニュー・バージョン。

一度完成させた作品をすぐに変えてしまう悪い癖ですが、ムカシから(30年も!)そうなんです。

どちらもエロミさんとカオリンが出演している、という以外はまったく対象的な2作。

同じ作者とは思えない、ひとつは純粋なアートシネマで、ひとつはコミカルなドラマ。

はかなく繊細な美的イメージと、やんちゃでポップで、でもしっとりとしたドラマ。

どちらも自分らしい。

自分の二面性が如実に出てますね。

二面どころか五面くらいありそうですが。

ゴメンなさい。


その後、打ち上げ兼ねて夏の締めくくりパーティを行ったんですが、その模様はいつもながらお見せできません。

前にも書きましたが、このブログ、完全に携帯で書いてます。

が、携帯が古くて、うまく写メできないので、写真は撮らんのです。


集まった顔ブレは、
内田春菊さんご一家、飴屋法水さんご一家、ツネマツ“フリクション”マサトシさん、赤城“フィルムス”忠治さん、女優さま水島かおりさん、あんじさん(誕生日おめでとう!)、『エヴァ』大月さん(初日おめでとう!)、『ニコニコ動画』川上会長、オブジェ作家・菊地拓史さん、催眠術師アリさん、ポールダンサーNoemiさん、ヴィヴィアン佐藤さん、そしてもちろん岡野玲子ほか、
いつもながらの品よく濃いメンツですわ。

顔が五面もあると、いろんな才人と知り合うもんで。


そんな50人が、何を語るというワケでもなく、ただガヤガヤ交わっているだけなんですが、フシギと眼に見えない何かが生まれてゆく感じがして、

それがちっちゃな歴史なのか、ユニークな未来なのかワカリマセンが、

ワクワクするんです。

憂さ晴らしやストレス発散ではない、サロン風パーティの醍醐味です。

今月は、何が生まれるのかな。

02:45

Aug 7, 2007

AMATUREISM

“部活”フリーハンドのショートムービーの撮影がありました。

メンバー全員がスタッフ兼キャスト、
といっても監督+撮影+プロデューサーは自分なので休みなく動いてます。


今回の主演はあんじ。

彼女の「もうひとつの顔」を見せる、『AFTER』という企画です。

ホール楽屋で打ち上げの場面があって、リアルに見せるため、本当にホール楽屋を借りて、本当に客を呼んで打ち上げ(パーティ)をしちゃいました。

友人、知人ほか関係者数十人が昼間からかけつけてくれた。

持つべきは画になる友ですね。

客に紛れてそのまま撮影。
その部分は台本もなし。
ほとんどドキュメンタリーのノリです。

そこに、役を演じるメンバーがさりげなく混ざるという。

ちょっと新鮮な演出です。

『ブラックキス』のときもクラブ・イベントをやって、まんま撮影しましたが、今回はさらに自然に。

しかし、撮影の後に打ち上げはよくありますが、撮影しながら打ち上げというのもフシギなものです。


それから、
衣装と美術コーディネイトをヴィヴィアン佐藤さんに任せました。

彼(彼女)の本業は建築(とイベント・プランナー)です。

でもスタイリスト以上の仕事をしてくれて、結果は良かった。

こういうのも小さな冒険。というか、挑戦。

ふつうにスタイリストに任せたら、美術全般はコーディネイトできないし、美術のスタッフはセンスの良い衣装を安くは集められない。

問題は美的センス。


ちいさな自主作品だから、そんな思い切りができます。


ぼくは出演者やスタッフに専門外の人をよく使います。

いい意味でのアマチュアイズムです。

「完全主義」という言葉があって、黒澤明さんに言わせると「完全主義じゃない作家なんかいるか」
ってことなんですが。

ぼくは「不完全主義」です。

ベテランの俳優、スタッフを揃えて、時間と予算をふんだんにかければ、イメージは厳密になるけれども、フットワークは当然鈍くなるし、視界も狭くなる。

あらゆる偶然のチャンスに従順でいるためには、アマチュアでも学生でも参加させて、一緒にどんどん作る。

スキはできるけど、ユニークなものになるから。

いわゆる偶然のノイズを作品に生かす、という考えです。

クラシックの演奏ではなく、コンテンポラリーの発想といいますか。

ノイズや歪みを美的と見なければ、このアマチュアイズムはやや危険ですけども。

ただヘタなだけの出来損ないに見えたりもするから。

そのあたりが観る人との距離が微妙です。

出来損ないもいいもんですけどね。

ぼくにとって、映画はすべてモダン・アートだから。

14:47

Aug 1, 2007

MICHELANGELO

アントニオーニ監督も逝ってしまいました。

ベルイマンと同じ30日に。

どおりでその夜は寝苦しかった。
嫌な夢にうなされてました。


94歳。

高齢だったと言ってしまえばそれまでですが、
またひとり、映画の歴史を作った人を失ったと想うと、やはり侘びしいです。


フェリーニ、パゾリーニ、アントニオーニ。

ぼくが強く刺激を受けたイタリアの巨匠たちは、もうみんないません。


アントニオーニの『欲望』を観て、フォト・カメラマンに憧れた人は少なからずいるはず。

ハービー・ハンコックの即興的なプレイを効果的に使っていました。

『ある女の存在証明』は日本ではひっそりと上映されましたが、なんとジョン・フォックス(!)をはじめとする当時のUKエレポップをふんだんに使っていましたっけ。

人生の虚無を巧みに描いた作家でしたが、音楽の感性は豊かでした。

かつてのヨーロッパの映画作家には、ハリウッドとは異質の明確な個性がありました。

その個性が、そのまま映画の歴史になった。

そして、作家の教養や趣味から溢れ出たイメージが豊かに映画を彩っていました。


ただストーリーをわかりやすい画にするだけじゃなく、ただ感動させるだけの感傷的なドラマではなく、迫力あるCG映像を羅列するだけじゃない、
広がりと深さがあり、違う世界や次元に触れられる、
それが映画なんだと無意識に感じてきたのです。


そんな映画が減ってはいけないと想う。

17:36

Jul 31, 2007

INGMAR

最近、ベルイマンの映画をDVDで観直していました。

若い頃に熱中した、

というより一番影響を受けて、一番尊敬していた映画監督。

いま観てもどの作品も色あせない。

『仮面・ペルソナ』の静かな衝撃、『狼の時刻』の神秘、映画の教科書のような『鏡の中にある如く』、『沈黙』の冷徹な完璧さ・・・

『叫びとささやき』の美しさと怖さに改めて震えて、エンディングでは図らずも泣いてしまった。

とてつもなく冷たいやさしさ。

こんな映画は撮れない。

観れば観るほどそう想えてくる。

そのベルイマンが亡くなった。

89歳だった。

映画の歴史が、また去って行ってしまった。

そう、ベルイマンこそ映画の歴史だった。

彼の映画から学ばなかった作家はいない。

あのスピルバーグでさえ。


深く豊かな『ファニーとアレクサンデル』の長い引退のあと、急に作られた新作『サラバンド』の見事な出来映え。

フィルムをまったく使わず上映されていたのにも驚いたのですが、
本当の遺作だったのですね。

そしてそれに出演していたリブ・ウルマン。

切ない。

「映画の面白さを味わいつくした」
と彼は語った。

ぼくらはまだ、彼の映画を味わいつくしていない。

14:02

Jul 18, 2007

INFO

「ところで手塚さん、映画撮らないのですか?」

―それが、いくつか長編の企画があって、どれがいつ動き出すかわからない微妙な時期なんです。

長編映画は映画会社やらプロデューサーやらの都合もあって、監督ひとりの意向で進まないもので。

今年中にはどれかを具体的にしたいと想ってますが。


「100本つくるといっていた映画は?」

―なかなか渋い質問で(笑)。
企画だけはすでに100本以上あるんですがね・・・。

また8ミリでも、ごく短いアートフィルムを撮ろうかと。
夏の間に。

アイデアばかりたまってしまって。

“部活”フリーハンドで用意しているショート・ムービーは、7月中に撮影できると良いのですが。
ミーティングは定期的にやってますし。
ロケハンとかキャスティングとか、少しずつ動かしてます。

明日、晴れたら何か撮ろう。


「そういえば、探偵のネットシネマはいつ観れるのですか?」

―スミマセン。ゆっくり仕上げてたもので。
昨日、やっとオンライン本編集。
来週には完成予定です。

が、
ネット配信はまだ数カ月先のようです。


そうそう。
関西の方に朗報。
今月は宝塚の手塚治虫記念館でトーク・イベントやります。

7月28日。土曜日。13時。
『手塚眞ミュージアムトーク 手塚治虫・天才の秘密』

詳細は手塚治虫@Worldを見てね。
http://news.tezuka.jp/

02:32

Jul 12, 2007

EVA

久しぶりにキングレコードの大月さんと飲みました。

ぼくはアニメ界のことにウトいので、けっこう後になって知ったのですが、彼は『エヴァンゲリオン』のプロデューサーだったんですね。

ぼくは大月さんとは同い歳で、学生時代からの知り合いです。

彼が言うには、東京に出てきて一番古いつきあいがぼくなんですって。

といっても学校も違うし、よく会っていたわけでもない。

当時、ぼくがやっていた映画ファンのサークルがあって、ある日彼が参加してきたという感じです。

当時から怪獣にやたら詳しい変わったヒトでありました。

ちなみにそのサークルにはエッセイストの永千絵さんや、映画評論、ミュージシャンの中原昌也くん(当時高校生!)もいたので、いま考えるとスゴイ顔ぶれです。

その後、大月さんはキングレコードに入社し、アニメのレコード(まだCDはあまりなかった)をヒットさせていて、そこでぼくが押しかけて岡野玲子の『ファンシイダンス』のイメージ・アルバムをプロデュースしたのは有名な話。
(でもないか)

それからしばらく会わないうちに、『エヴァンゲリオン』を作っていたのです。

その間会っていなかったので、まったく知らなかったというワケなんですよ。

最近は実写の映画もプロデュースしているので、ちょっとまた世界が近づきましたね。


ほかに同い歳の映画プロデューサーには『呪怨』をヒットさせた一瀬隆重さんがいます。

彼も学生の頃から知り合い。

もっとも、一瀬さんは当時からぼくと同じく学生映画を監督してましたけど。

実は彼のプロデューサー・デビュー作はぼくの商業映画監督デビュー作『星くず兄弟の伝説』なんです。

以来、一度も一緒に仕事してませんけども。


古い知人たちがいつの間にかヒットメーカーになっているのは(ムカシを知っていると)驚かされますが、うれしいことでもありますね。


ついでにもうひとつ、過去ネタ。

中川翔子ちゃんのお父さんとぼくは、友達でした。
カッチャンの葬式では、弔辞を読みました・・・。

意外なイガイな関係が、イロイロあります。

02:06

Jun 5, 2007

EDIT

『漫画探偵539』の編集をやっと終える。

締め切りなしという言葉に甘えて、つい1ヶ月も空いてしまいました。

他の仕事だらだらしながらだったので。

実質1週間くらいでしょうか。


編集は、ホントに楽しいです。
ひとりで没頭していると、時間を忘れてしまいます。

業界には編集が面倒というヒトがいるのですが、信じられない。


ずっと前にも書いたことですが、
映画作りを料理に例えると、撮影は買い物。
編集こそが厨房に入っての料理。

文字どおり切ったり、焼いたり煮たりって感じ。

ぼくの場合は創作料理ですが。


いまさら言うことじゃないですが、
ぼくは編集うまいです。

編集は芝居を繋げるだけじゃなく、リズムとかテンポも造ります。

撮影のミスを隠し、ヘタな芝居も少し助けたり。
(少し、ですが)

1コマ(24分の1秒)を切るかどうかで数十分悩むこともあるし、ただ誰かが立ち上がるだけのショットを何回もやりなおします。

編集に正解はない。
自分の感覚のみ。

納得ゆくまで、映像をいじる。

これが楽しくなくて、何が映画か。


ひと段落したあとの祝杯は、ひとりで事務所そばのベルギービール・パブで。

ここは10年くらいやってる店なんですが、実は今日初めて入りました。

ま、プチ祝いということで。

22:03

May 30, 2007

PRODUCER

映画プロデューサーと企画の打ち合わせをする。


もし皆さんが映画監督を目指すなら、アドバイスしましょう。

プロデューサーの言葉だけは信じてはいけません。


スタッフも場合によっては信用できません。
でもスタッフはいざとなれば頼りになります。

プロデューサーは「俺に任せとけば大丈夫だ」と言いますが、いざというときほど頼りにはなりません。


彼らの意見に耳を傾けるのは自滅行為です。

なぜなら、彼らの意見は日々変わるのです。
中には10分おきに変わるヒトもいます。

「それは常にあらゆる可能性を検討しているからだ」と彼らは言いますが、その可能性を可能にしなきゃならないのは彼らではなく監督です。

そしてまとまりかけた話がネジくれて、取り返しもつかぬほどイビツになると、決まってプロデューサーは
「作品は監督のものだから、後は任せた」
と言い捨てて帰ります。


きっと、どこの国でもプロデューサーは同じ調子でしょうね。


しかし、映画はプロデューサーとの話し合いなしには始まらない。
いったいどうすれば良いのか。


それは、面倒な儀式だと思ってやり過ごすことです。

「わかりました! すべてあなたの言うことが正しいのでその通りにします」と素直に答えましょう。

おそらくプロデューサーは不安にかられ、
「いや、一意見を言ったまでだから、好きにするがいいさ」
と言うかもしれません。


それにしても、なぜプロデューサーは監督のことを子供扱いするのでしょう?

きっと、そうする以外に自分たちのアイデンティティーが保てないからでしょうね。

02:35

May 21, 2007

FINALCUT

いや、
ずっと寝ていたワケじゃ〜ないですよ。

『539』の編集もボチボチ始めたし。

最近は映画の編集をデジタルでやるんですね。

つまりパソコンのソフトなんかでやる。


ぼくみたいに8ミリから始めた世代は、やっぱりフィルムでの編集が身についてしまってるものですから、デジタル編集は性に合わなくて。

あと、
アナログビデオの編集はジョグダイヤルを使っていたので、マウスだのキーボードはなかなか手に馴染まない。

実際には10年近く前からデジタル編集を導入してはいるのですが、ぼく自身はアナログでオフライン(仮編集)やって、パソコンはオペレーター任せ。
って感じ。

いまムービーを作るヒトたちはフィルムなんかいじらずに、最初からデジタルでしょ。

ぼくら、かないませんよ。


な〜んて言ってちゃいけない。

これからはデジタル編集くらい自分でできなくて、どうする。

というワケで、週末から会社のパソコンの前に座り、編集ソフトをいじり始めました。

みんなに「簡単ダヨ」と言われたものですからね。


今日で3日め。

ビギナー向けマニュアル読破。

基本操作はマスター。

ホラ、やればできるじゃないか。

できちゃった編。

なんて言ってるバアイじゃないですが。


でもね。

やっぱりデジタルとは相性わるいというか。
好きになれないです。

だって、便利なだけでしょ。

00:36

May 11, 2007

FREE MEMBERS

撮影があってひさしくできなかった“部活”フリーハンドの集まりです。

実は『539』の撮影ではメンバーにエキストラで参加してもらいました。

みんな決して素人ではない俳優なので、
スミマセン!
ありがとう!
なのでした。


しかし、
メンバーも互いに言いたいこと言えるくらい親しくなってきていい感じです。

とはいえ、感じだけじゃすまされない。
100本のショートムービー制作のために集まったグループです。

作らなければ意味がない。

まだメンバー間で企画の話し合いをしてますが、そろそろ具体的な制作の体勢に入らなければ。


『539』のようなネット用ドラマとも、8ミリの実験作とも違う、これはこれでひとつのムービーの世界を築く。

不安気な若い俳優たちに囲まれながら、あれこれ妄想する日々がスタートします。

その一方で『539』の仕上げをし、次の長編映画の企画を詰める。

やっぱり、これが自分の自然なスタンスですね。


しかし集まりの後についみんなと飲みに行ってしまうのはどうか。

いや、だからこそバーチャルではない真のコミュニケーションが・・・

と、自分でフォロー。

00:13

May 7, 2007

LOCATION

『539』の撮影も最終日。
はやいものです。

今回はシリーズの2回分、前後編なので6日間と余裕ありましたが、通常1回分の撮影は3日なのだそうです。

『ザ・バースデイ』は1日で撮っていたから、3日でも贅沢です。

今日は唯一のロケ。
静岡まで来ています。

朝7時に渋谷・元パンテオン裏集合。
パンテオンというのは映画館で、いまは工事中でないのですが、だいたい映画のロケはここか、新宿スバルビル前集合というのが業界の慣わし。

東名高速使うときが渋谷、中央や関越の場合が新宿となっとります。

なので、朝7時くらいはロケバスのラッシュです。

2時間ちょっとのドライブで、現場。

事前にロケハンして撮影場所も決めてあるので、撮影はスムーズです。

ロケは天気に左右されますが、夜の場面がない限り昼間のうちに終わるので気が楽です。

どうしてもスタジオだと、時間の感覚がユルくなっちゃうからね。

スタジオだけの撮影は解放感がないので、少しロケが入ると気分転換にもなります。

観客にとってもそれは同じで、
だから脚本を書くときは、そんなことにも気をまわすものです。

なんて言ってるうちに、15時21分!

予告通りにすべての撮影終了。
撮りこぼしなくクランク・アップ。

どうしてぼくは終了時間が正確にわかるのだろうか。

それは、監督だからです!


出演者の皆さま、スタッフのみんな、
お疲れさまでした。

と、ビールで乾杯。

やっぱりここは、シャンパンといきたかった・・・ 。

17:38

May 5, 2007

STUDIO 3

毎日、撮影ログ書こうと思ってたのですが、タイトなスケジュールでそれどころじゃなく、あきらめました。

例によって現場では様々な出来事が起きているわけですが、
今回はさしてトラブルもなく、楽しく監督やらせてもらってます。

それもこれも『探偵事務所5』の撮影チームがすでにできていて、ぼくは演出だけに専念していられたからですね。

だっていつもショートムービーは、プロデューサーと監督と撮影を兼ねるわけだから。


撮影監督の異才・長田勇市さんとも初めて仕事できたし、なんでも作ってしまう嵩村さんの美術もあきれるほど面白かった。
なにかお願いすると、その倍のものを用意してくれるんです。


主演の山下真司さんは元漫画家で離婚歴ありの探偵という複雑な役を余裕でこなし、ユーモアと格好よさは期待以上でしたね。
あまりおかしくて思いだし笑いしちゃう場面が多数。
オチャメな大人です。

その娘役のエロミさんはすっかりTZKムービーの常連ですが、今までで一番ナチュラルな役です。
なにしろ脚本があることが驚き。
と、本人が言ってました。

エロミさんはこの撮影の後、朗読の舞台をこなし、秋葉原でDVD発売記念のイベントをやります。
アイドルDVDなんですって。
実は彼女はなんちゃってアイドルなんです。

もうひとりの、正真正銘グラビア・クイーン、ヤブキさんとの2ショットは他では見られない光景でした。

ヤブキさんは数年前から仕事したくてオファーを続け、やっと実現したってワケです。
ウレシイです。
極めて美人なのですが、顔かわります。
魔法みたいに。
そこが気になります。

ヤブキさんもかなわない(役の)佐野史郎さんとぼくは、20年ほど前に映画で共演したのが初めての出会いでしたっけ。
しかも主演は郷ひろみさんだった・・・ 。
(その映画はなにか。 答えはそのうちに)

かつての共演といえば、水島かおりさんとぼくとのカンケイは彼女のブログを読んでください。

もうひとりのカオリンは今回もセクシー路線。
やっぱり似合いますな。

それから、ハードなアクションがさすがに決まるプロレスラーの大向美智子さんは、実は『ブラックキス』の面接で会っていて、今回やっと出演となりました。
山下さんとの対決は、かなりヤバイかも。
フツウの女優にはここまでできない。
って場面。

アイドルからプロレスラーまで。
やっぱりTZK映画ですね。

そして夢あり笑いあり涙あり、セクシーありアクションありと、相変わらず詰まってます。


明日はやっと撮休。

寝るぞ〜。

02:46

May 3, 2007

STUDIO 2

2日めの撮影は7時開始。

だいたい映画業界の定時は
8時準備開始、9時撮影開始、12時昼食、17時夕食、
という感じです。
まあ、17時に夕食になる場合は少ないですが。

切りのよいところまで撮影を続けて、食事の時間を遅らせることを「メシ押し」といいます。「押しズシ」ではありません。


俳優は準備開始の前には衣装を着てメイクを済ませてなければなりません。
なのでスタッフより早く現場に入ります。

メイクのかからない男優はともかく、今回の出演者の矢吹春奈さんやエロミさんのようにきれいな人たちは、ぼくの要求が高くなるものですから、1時間も2時間もかけてヘアとメイクをするので、6時集合とかになってしまいます。
スミマセン。

そして夜まで撮影を続けて、また翌朝は6時集合でしょ。

俳優もなかなかハードな仕事です。


今日は2日めにしていきなりクライマックスの場面。
山下真司さん佐野史郎さん水島のかおりさんエロミさんそしてヤブキさんが一堂に会しての長〜く難しい芝居で、スタッフも緊張しながら行いました。

でも緊張感ある撮影をやると、俳優もスタッフも一体感が沸いて、現場はかえって和やかになるものです。

ネタばらしになるので詳しくは書けないのですが、撮り応えありましたよ。

22時49分終了。

自分の予告では22時45分に終わらせるつもりで、4分遅れたのはちょっとした音トラブルがあったため。

明日は夕食前に終わるつもりです。
(ホント?)

00:14

Apr 30, 2007

STUDIO

朝5時に起きて川崎のスタジオに向かう。
連休中なので道は空いていて、予定より1時間もはやく到着。

今日の予定表には「祝クランク・イン」と書かれています。

映画界で撮影初日というのはめでたいのですね。
出演者や関係者の事務所からも、ちょっとしたご祝儀が届けられる。
制作現場にはそれについていたノシ紙が貼り出されて並びます。

建築の棟上げ式みたいな感じ。


なぜ撮影がすべて終わった日ではなく、始まる日がお祝いなのか。

こういう風習はおそらく歌舞伎あたりの舞台の伝統を受け継いでいるのじゃないかな。

船出みたいな気分です。

だったらシャンパンでも抜いて、
と想うのですが、そこまでオシャレではない。


ショートムービーで予算も多くはないので、スケジュールはタイトです。

それでも6日間たっぷりある。

今日は5シーンもあったのですが、20時には何事もなく終了。
食事して解散。

意外と早撮りなんですよ。わたし。

明日は5人のスターが一斉に揃います。

楽しみ。

23:53

Apr 29, 2007

C  IN

いよいよ明日、
ゴールデンウィークのさなかですが、
『2006』の初公開。

なにしろ試写会もしていない。
自分以外誰も観たことのないプライベートな新作です。

と同時に『漫画探偵539』のクランク・イン。
林海象監督の創り出した世界で楽しませてもらいます。

かたや8ミリによる実験作品で、かたやネットムービーの探偵ドラマ。
しかもどちらも同じ人たちが出演している。

というところが、TZKらしいですね。

さらに、先にネタばらしをすると、どちらもテーマが
「決別と再生」
なんですね。
(『2006』では「訣別と再成」となっている)

別れの儀式から始まる新しい関係。


『2006』
明日と5月4日は、8ミリフィルムを8ミリ映写機で上映します。
大きなホールなので少々見にくいかもしれませんが、大スクリーンに映る8ミリ画面そのものの躍動を見てください。
www.imageforum.co.jp/festival


では、ぼくは探偵の世界に、行ってきます。

15:08

Apr 16, 2007

GLOOMY

最近メゲたこと。


次の映画出演者がけがをした。

苦労して撮影したショットがリテイクになったこと。

近所にある焼鳥屋にはじめて入ったら、あと4日で閉店と貼り紙があった。


このところ作業で徹夜が続き、アタマがぼんやりしている。

しかもトラブル続き。

まあ映画仕事にトラブルはつきものです。

極めて不安定でアナログなものを扱っているのだし。

もう十分わかっているつもりでも、時間もなく疲れているところに問題連発ではさすがにメゲます。

そんなときはいくら根気のあるぼくでも、つい弱気になります。

たまに覗く海外の占星術サイトがあって、今週の獅子座の運勢を見たら、
「あなたは難問を処理する名人。難問大学の優等生です。あなたはチャンスをつかむより、問題を処理する方が得意です」
ときた。

難問大学?
そんなところ入った覚えは・・・

ハッ。

もしやそれって、映画界のこと?

23:52

Apr 9, 2007

ACTRESS

手塚治虫は一度に7本の原稿を抱えていたことがあるので、驚くには当たらないけども、一度に4本以上のムービーを抱えるのもなかなかスリルあります。

『漫画探偵539』のキャスティングは8mm仕上げ中にも淡々と進んでますが、
その8mmに主演しているエロミさんとカオリンはこちらにも登場。

ふたりともすでにTZKムービーのレギュラーの感あり。

そしてひさしぶりの水島かおりさん!
(ここにもカオリンが・・・)
実に『白痴』以来の仕事ですが、『妖怪天国・ゴーストヒーロー』のヒロインで、そもそも『ねらわれた学園』の同級生だったという。
永いつきあいになります。

かつてのヒロインと、いまのヒロインの共演。

それはそれで、監督冥利に尽きるというか。

撮影が楽しみです。

しかも。
さらにサプライズ女優が共演の予感。

なんか、ネットムービーにしてはキャスト豪華なんですけど。

いいんですか、林海象プロデューサー。

22:52

Apr 7, 2007

今週は家にこもって、ひとりでコツコツと8mm映画の仕上げ。

なにしろ設計図はアタマの中にしかないので、誰も手伝うことができない。
あくまで個人作業。

その方が8mmらしいけど。

これがなかなか難物で、複雑なアドリブだから、一度はじめたら途中で手が止められない。

撮影の記録が残せないし、アタマが冷めてしまったらそれまで。
だから一気にやる。

すると必然的に徹夜になってしまう。

しかも作業姿勢が長いこと変えられない。

足が固まる。
背中が歪む。
アタマはフラフラ。

実験作品はそんなところが一般映画と違いますね。

比べればふつうのドラマの撮影は健康的だな。

これが終われば、次はドラマの撮影が待っている。


個人で作る実験作品と、大勢で作る劇映画。

どちらが好きかと聞かれても答えられない。


たぶん、両方必要。

21:30

ACTOR

ネットムービー『漫画探偵539』(仮題)の主演が山下真司さんに決まりました。

ちょっと意外でしょ。

TZKムービーに山下さん。
どうなるか、楽しみですね。

よく考えてみれば、ぼくの映画の主演男優って、けっこう幅広いかも。

何しろ最初が船越栄一郎さんでしょ。
もっとも、まだ学生のときでしたけど。

それから伊武雅刀さんは、とてもお世話になりました。
草刈正雄さんもかなりの常連。
なにしろ4本も出ていただいている。

浅野忠信さん、永瀬正敏さん、安藤政信さんら若い方々とやり、
『ブラック・ジャック』で大塚明夫さん。

実力派から個性派、演技派と、さまざま。

まあ、ひとついえることは、みないい男だってことでしょうか。
男から見ても、魅力的な。


『漫画探偵』は女優も素敵なんですよ。
このシリーズの中では群を抜いて女性が登場する。

そういうところは、相変わらず自分らしいと想いますね。

01:15

Mar 5, 2007

BK USA

『ブラックキス』がアメリカでDVDリリースされることになりました。

ジャケットはもちろん日本とは違っていて、あんじのクローズアップでかなりコワイ。

日本のも、こうすりゃよかったのに。

っても後の祭りですね。

配給会社が作ったビジュアルはなんかスクウェアで、あまり気に入ってなかったから。

ハリウッドで気に入られるといいんだけど。

01:35

Mar 3, 2007

0093

久しぶりに映画出演依頼がくる。

やった〜!
これも「ヤクザ23区」効果か。

と喜んでいたらば、脚本は届かず、1ページだけのコピーがペラッと送られてくる。

タイトル『0093女王陛下の草刈正雄』。

・・・・。

これって、なんか、やな予感。

役柄を尋ねると、
「ご本人で」
と。

な〜んだ、出演といっても、役じゃなくて顔見せかい。


朝、7時45分に埼玉の新座まで呼ばれる。
某大学構内を使った撮影。

草刈正雄さんと仕事したことのある監督(本人)が集まっている。
なぜか水野晴郎さんも(やはり本人役で)いらっしゃる。

ギャグスパイ映画らしい。

現場に着くと、説明もないまま会場に通されて座らされる。

やはり呼ばれてきた小中和哉さん(『ウルトラマン』や『アストロボーイ・鉄腕アトム』の監督)がいたので、隣に座って話していると、やはり説明もないまま(着替えもメイクもなく)座り位置を指定され、なんだか本番らしい。

2、3テイク撮るとすぐ終了で、名前書いて、交通費もらって帰る。

なんか、エキストラみたい。

みたいじゃなくて、エキストラか。


監督の篠崎誠さんは『刑事(デカ)まつり』の仕掛け人。
プロデューサーの丹羽多聞アンドリウさんは『スパイ道』や『携帯刑事』の生みの親で、ふたりともお世話になっていますが、
実は篠崎さんは小中さんの大学の後輩であり、丹羽さんはやはり小中さんの高校の後輩であった。

その小中さんは、高校でぼくの1年後輩だ。

つまりぼくはみんなの先輩なのである。

先輩だけども、エキストラなのですね。

いい後輩を持ったなあ。

01:37

Mar 2, 2007

FREEHAND

100本のムービーのプロジェクト、いよいよ稼動。

ユニット名は「フリーハンド・オペレーション」(通称フリーハンド)のキックオフ・ミーティングをやりました。

ここで募集して集まってくれた役者やスタッフ希望者が集まって、説明+懇親会。

まあ、ノリとしてはサークル活動。
「部活」 ってヤツです。

プロの役者もいたり、脚本家やらヘアメイクやら、演劇人から学生まで幅広い。

初めて顔あわせる人々に、馴染みの顔も混ざって、なにやら楽しげな集団ができあがりました。

「オレ、クラブ活動したことなかったんでこういうのウレシイです」
「わたし、大学いかなかったから、ここでサークル楽しみます」
とか、いろいろな声があがり、初日にして和気あいあいな感じです。
気がつけば夜中まで語り合ってました。


いろいろ爆弾企画もあり、期待度たかいですよ、このサークル。

詳しくはニフティのNeoMのサイトにそのうち書きますね。

07:24

Jul 17, 2006

BERGMAN?

ドイツ映画祭でヘルツォークの未公開新作『ワイルド・ブルー・ヨンダー』を観る。

懐かしい、かつてのヘルツォークのスタイル。
ぼくの大好きな『蜃気楼』のような。

語り手としてブラッド・ダリフが登場する。
ヘルツォークの映画はいつもレクイエム的だけど、これはことさらそんなイメージが強い。

こういう作品は(『蜃気楼』がそうであるように)DVDにもならず、静かに観られてゆくのだろう。

でも、なぜヘルツォークは原点に回帰した?


その会場で、信じられないものを手にする。

ベルイマン監督の新作のちらしだ。


えっ、ベルイマンは引退したのでは?

20年前に「映画を味わい尽くした」と言い残して、映画監督を辞めたはずだった。

しかも、
なんと『ある結婚の風景』の続編だ。

なんと、リブ・ウルマンも出ている。

たぶん、それだけでぼくは観ると泣いてしまう。
なんというか、自分の若い頃を想い出すから。

本当に観たい!

どんなにベルイマンに影響を受けてきたことか。
どんな敬意をこめて、その映画を観てきたことか。
なんとか日本で発売された『狼の時刻』のDVDを、どんな心持ちで手に入れたことか。

でも複雑な気分。

なぜ、ベルイマンはまた映画に戻ったのだろう。

正真正銘の映画の“最期”の巨匠。
20年前、『ファニーとアレクサンデル』で、あれほど光と愛に満ちた至福のエンディングを見せてくれた後で。

自身が「遺作」と公言する、これは自作に対するレクイエム?

それはつまり、映画に対するレクイエム?


映画は滅んでしまうの?

22:26

Jul 13, 2006

SILENTHILL

ひさしぶりにとんでもない映画に出会う。

『サイレントヒル』は日本のゲームの映画化だが、(原作のゲームの方は知らない)。

映画はオープニングから(もう1秒めから)アメリカン・ホラーの匂いをさせて喜ばせておいて、そのあと恐ろしい加速度で逸脱してゆく。
それが気持ち良い。
まったく先が読めずに引き込まれてゆくが、急に飛躍があったり破綻して魅せたり。

演出は細かなところが実にウマイ。
そしてウマイな、と感心した瞬間に反則ギリギリにかわす。
やるじゃないか。
反則技を使いながらも映画を保っている。

そしてセンスの良い悪趣味と、堅実なヘンタイ性。
くやしいほどよく作った映画だ。
ゲームの表現をこうまで忠実に映画に消化してしまう異能は賞賛できる。


監督のクリストフ・ガンズは同い年。
それを知ればうらやましい、いや幾分か悔しい。
どうやら昔からホラーにウルサイ人みたい。
でも『ジェヴォーダンの獣』より数段も巧くなった。


観終わったあと、不可思議な気分が抜けなかった。

ひさしぶりに本当に嬉しかったホラーだ。

ただ、この映画が好きかと尋ねられれば、キライかも。

また観たいかと問われても、微妙だ。


少なくとも今は。

10:45

Oct 24, 2004

REDCARPET

いろいろな国の映画祭に参加するたびに、
「ああ、映画監督をしていて良かった!」と心から感じられる瞬間が巡ってくる。
映画が好きな人々に囲まれているとホッとするんです。
そう感じさせてもらえない映画祭もあるということを知りました。
別に批判するつもりはありません。
ただ、現場の対応があまりに失礼で困惑した監督もいたということだけ知っておいてほしい。
ああ、今日もまた謝られてしまった。

長〜い赤絨毯をたったひとり歩かされ、そこはかとない虚しさを感じていた日。

01:32

Oct 17, 2004

白いカラス2

夕方、少し時間が空いたので急に銀座で『エクソシスト・ビギニング』を観る。
すると砂埃をかぶって‘白く’なったカラスが飛んでいた…。
この意味は?

そういえば30年前、『エクソシスト』と時を同じく封切られたのが、『地獄の家』の映画化『ヘルハウス』。
それを観たのはこれも偶然、今日行った同じ日劇(マリオン)の、当時あった地下の映画館、丸の内東宝だった。
そのときは隣の席に父がいたっけ。
ちょうど『ブラック・ジャック』を描き始めた頃かな。

『ヘルハウス』にはぼくの初恋のひと、パメラ・フランクリン演じるフロレンス・タナーが登場する。

「本当に神さまは不思議なことをされますわね」(フロレンス・タナー)

00:14

Oct 10, 2004

新作の季節

今月は監督作お披露目が相次ぎます。
まず11日からはアニメ『ブラック・ジャック』(日テレ系夜7時)。
これはファミリーを意識した自分的にはコンサバなもの。
一滴も血を見せない(!)医者アニメという意味では逆過激かも。
www.blackjack.jp

19日からは東京ネットムービーフェスティバルで『サイバー刑事メロン』がネット公開。
www.netmovie-fes.jp
超低予算の軽いパロディ作。というより学生映画のノリだなー。

そして29日は東京国際映画祭でいよいよ『シンクロニシティ』のプレミア上映です。
これもプログレというよりジャンル・シネマ。
ただしシリアスなショッカーなので、こちらは過激に血が流れる。極めてテレビ向きじゃない。

まるで多重人格監督サイコなワタシ。

14:00

Oct 6, 2004

VISUAL RUSH

映画『シンクロニシティ』の配給うちあわせして、テレビ『ブラック・ジャック』の演出ミーティングやって、ネット『サイバー刑事(でか)まつり』の録音やる。
とにかく毎日がこんな調子。
これに漫画の監修と原稿と取材なんかが絡んでくる。
飽きるヒマない生活。
つうか食事の時間もなくて、いまやっとデニーズごはんしてるとこ。

よく一度にいろいろできますねー って言われるけど、学校のころって毎日いろんな教科うけてたじゃない。
あんな感じだよ。

あ、ちょうど『刑事まつり』の作品できた。
あさって締め切りだったから、2日前にあがったよ。
長さ20分以内、て言われてたから19分。
こう見えて、仕事の条件シッカリまもる男なんですワタシ。

23:06

Sep 24, 2004

刑事まつり

ってプロジェクト知ってる?
若い監督や俳優が、刑事ものショートムービーを競作しているインディーズの人気企画。
これまで黒沢清さんとか青山真治さんなんかが参加してる。
それを頼まれて制作中!
刑事が主役、1分に1回のギャグ、が決まり事。
今回はネット版で「サイバー刑事(デカ)まつり」だって。

映画の監督を頼まれるのひさしぶりなのでウレシイ。
いままで頼まれたことほとんどないから…。
テレビとかビデオはよくあるけど、頼まれて映画つくるの って『星くず兄弟…』以来じゃないかな。
ヴィジュアリストなんて言ってるから映画の仕事こないんだよね。
自業自得かな〜。

06:54

Sep 3, 2004

『シンクロニシティ』

やっとフィルムが完成しました。
決して大作ではないインディーズ作品とはいえ、最初に企画作ってから4年もかかりましたよ。
この後、劇場をブッキング(予約)して、宣伝して上映までは運良くて半年。
ヘタしたら1年かかるのです。
映画って、ホント忍耐力と持続力いります。
もっとも、上映の頃にはすでに別の作品を作っているかも。
だから最新作といっても、作る自分の中では常に過去の作品なんですよ。

21:43

Aug 26, 2004

MELANCHOLY

ところで新作映画はどうなったの、って?

実はとっくに製作は終わって後は試写を待つばかり。
映画監督にとって一番ホッとするのは映画ができた瞬間で、一番落ち込むのも映画ができた瞬間。
つまり今、内心はとても落ち込んでいる。
自分の新作をみるのはいつも苦痛ですね。
冷静にはみられない。
ぼくだけじゃなくてほとんどの監督がそうじゃないかな。
「できあがったばかりの映画はまだ糊が乾いてない感じがする」と語った監督がおりましたが、とにかく印象悪い。
試写なんて、できれば逃げ出したいくらい。
人にみせるために作ったのに、誰にもみられたくない、と想っちゃう。
もう、一から作り直したいって。
客観的にみられるようになるのに数年かかります。
『白痴』なんか最近やっとみてられるようになった。
コレ、なかなかいいじゃん、なんて。

とはいえ、映画の本質的な完成は観客に見せたとき。
新作は封切りまでまだ時間あるから、ゆっくり話していきますよ。
映画の舞台ウラと監督のホンネ。

23:06