Apr 4, 2008
1000×2
数年前に『千円ホラー』という、制作費千円ポッキリの、非常識のショートホラーを作りましたが、
またまたやります。
今度は1000×2で二千円。
4月6日に@nifty主催のショートムービーイベント「NeoMrePubric しりあがり寿 with 手塚眞 night」があって、
そこで上映します。
もちろんできたての新作、
というか、
まだ作っているのですけど。
(間に合うかな・・・)
なにしろ二千円ですからね。
それで観客が観ていられるモノを作るワケで。
撮影は先月末に、およそ4時間強で行いました。
経費だけではなく、時間もありません。
でも、
そんな過酷な状況、
なんかもうすっかり慣れました。
およそ30年も過酷な現場やってますから。
イベントは、ぼくがナビゲーダーをやって若い人々のショートムービーを紹介するほか、
題名の通り、しりあがり寿さん監督のムービー(『怪奇ハンバーグ男』ほか)がたっぷり披露されたり、
しりあがりさんプロデュースのバンド(!)が登場したり、
楽しめるハズです。
会場はお台場ZEPP東京の上。
気軽に話しかけられるムードのライブハウス。
ムービーとしりあがりさんとぼくに興味ある方は是非!
http://neom.nifty.com/
Mar 29, 2008
2008mm
8ミリの新作短編が完成しました。
題名は『2008mm』。
シャレじゃありません。
2008mm、つまり2メートルと8センチの長さの8ミリフィルムを上映すると、
およそ26秒になります。
その26秒の映像を材料に、
8ミリならではの画像美術を作り出します。
この数年取り組んでいるのは、朧気な8mm映像ならではの、
消え去りそうな儚さ。
黄昏の最後の陽の光が地平線に消えてゆくように、
フィルム上の画像が消えてゆく、
その一瞬の美しさを捉える試み。
デジタルではなかなか表現しきれない不安定さ、不確かさ、ノイズの描き出す偶然性の美の追求。
このところドラマのある映画ばかり取り組んでいたので、まったく物語のない映画はひさしぶりで、作っていて楽しいです。
物語のない映画は観るのも大好き。
あまり上映されませんが。
一時期アメリカの実験映画に多かったですね。
ブラッケイジとかブルース・コナーとか。
自分では物質(肉体)を越えて人間を捉えるのが好きでもあるので、
今回の映画もただ抽象的な模様ではなく、人物が登場します。
観念の形としての人といいますか。
一方で、純粋にデザインとして人の姿を表現することにも興味を持っています。
内容(なかみ)じゃなくて。
今回も、そのあたりの融合ですね。
4月27日からイメージフォーラム・フェスティバルで初公開します。
http://www.imageforum.co.jp/festival
Mar 27, 2008
P O V
『クローバーフィールド』と『REC』という、
似たような映画を続けてみました。
ネタバレになるとつまらないので内容は詳しく書きませんが、
なにが似てるかというと、
どちらもドキュメンタリーのような、ニュース映像というか携帯動画というか、そんな“生”な映像だけでドラマを成立させているってことです。
“POB”つまり、Point Of View(主観撮影)というのだそうです。
だいぶ前に『ブレアウィッチ・プロジェクト』という、素人のビデオ映像を狙ったホラーがありましたけど、
それをもっと緻密にしてお金をかけて作った感じです。
『クローバーフィールド』は完全に素人がビデオで撮っているという設定で、
NYが壊滅してゆく様を、ひたすら手持ちビデオカメラが撮り続けるという、
その徹底したところが新鮮。
アメリカで今いちばん勢いのあるF.F.エイブラハムのプロジェクトで、
内容だけではなく宣伝やイメージ作りも秘密の仕掛けがいっぱい。
ネット世代から情報発信させようという魂胆です。
自由の女神の首が吹っ飛んでくる、何が起きたんだ! という意外性あるCMでした。
本国ではそんな仕掛けが効を奏してヒットしましたが、
日本ではどうでしょうか。
一方の『REC』はスペインで大ヒット、100万人が観たというホラーです。
こちらは素人ビデオではなく、テレビのカメラマンが撮ったビデオ映像という設定で、
密室的緊迫感の中をカメラが行き来します。
遊園地のお化け屋敷のようで、
コワイ、というより気味が悪いというか、
イヤーな印象の話です。
どちらの映画もそれなりに面白いのですが、
若干、映画というより、アトラクション的な印象は拭えない。
逆に、
映画の演出表現というモノを、改めて考えさせられましたね。
作られた‘生’映像と、いかにも演出された世界はどちらが迫真か。
これは、
どんなに精巧に作られたCGも現実にはかなわない、
という問題に似ています。
時代とともに、映画はリアリティを求められるようになりましたが、
映画ならではの美しく印象的な様式を失っていきます。
その様式こそが映画たる所以でもあるのですけどね。
POV映画は様式と非様式世界の狭間で作られています。
必見かどうかはともかく、
そんなテクニックの興味としては、いまお薦めです。
あと、ぼくは職業柄見慣れていますが、
素人っぽいグラグラ揺れる映像は、
大きなスクリーンで見ると、少し酔うかもしれませんね。
Mar 19, 2008
YOSHIMOTO 100
役者のあんじは吉本興業所属なのですが、
その吉本が所属タレントに監督させるショート・ムービーのシリーズをやっていて、
どうやら100本作るらしい。
1本の予算が仮に100万円として、100本で1億円。
1億で長編映画1本作るか、
短編100本作るか、
という選択ですね。
あんじも1本監督したというので観に行きました。
『人を造る』というロマンあふれる物語で、
主演のいしだ壱成さんと、共演の小林涼子さんがとてもいいです。
あんじ初監督ですが、プロのスタッフがついているので、
そういう意味では安心して観られます。
ぼくは最近、新人とか素人をスタッフに使ってムービーを撮っているので、逆のアプローチが新鮮です。
長年演出をしていると、変に手慣れてしまうというか、
テクニックの垢が溜まってしまうので、
そんな“垢”を、どう捨てるかが課題です。
いつもビギナーズの新鮮さを保ちたい、
と想っているのですが。
未経験者が参加することで、いい意味で現場がノイジーになって、
作品に青っぽさが出るのですよ。
プロがわざと素人っぽく見せかけているのではなくてね。
Mar 6, 2008
KUBLIC
7日昼の日テレ系『おもいっきりイイ!!テレビ』にちょい映ります。
スタンリー・キューブリック監督の命日ということで、コメントしました。
ぼくが敬愛し、強く影響を受けている映画作家のひとりです。
世界の多くの映画人がとてもリスペクトしていますね。
一般の観客よりも玄人に受けました。
キューブリックが『2001年宇宙の旅』を作るとき、手塚治虫にアートディレクターを依頼してきたというのは有名な逸話。
彼はテレビで『鉄腕アトム』を観ていたのでしょう。
父は喜んだのですが、条件として2年間ロンドンで働いてくれといわれて断らざるを得なかった。
当時はパソコンもネットもない時代ですからね。
もしそのとき、手塚治虫が映画に参加していたら?
1本の映画のイメージは変わり、
引き替えに日本のアニメもマンガも今ほど盛んではなくなったかもしれません。
少なくとも『2001年…』は手塚治虫が参加せずとも名作になりました。
ちなみにキューブリックと手塚治虫は同じ年の生まれ。
1928年。
亡くなったのは、
手塚治虫が89年の2月9日、
キューブリックが99年の3月7日。
アトムが生まれたのは4月7日。
もうひとり、1928年生まれの天才がいます。
アンディ・ウォホールです。
この3人が同い年。
ウォホールが亡くなる前にアトムの絵を手がけた作品が会社にあります。
あとひとり、
ぼくにとって大事なヒトがやはり1928年生まれ。
それは、ぼくがもっとも尊敬する俳優のロディ・マクドウォール。
といっても今の若い人にはピンと来ないかもしれませんね。
一番有名な主演映画が『猿の惑星』ですから。
「コーネリアス」というチンパンジーを演じて人気が出ました。
みんな、今年は生誕80年。
残念なことに全員、いまは故人です。
Mar 5, 2008
CAT MOVIE
フリーハンド(自主映画サークル)のショートムービーを撮影していました。
企画名は『ネコは人間の親しき友ではない。』。
これは、メンバーの俳優が自分主演でやりたい役を考えて、ぼくが監督するというシリーズ。
若い女優の真柳美苗さんが選んだ役は「ネコ」。
着ぐるみも特殊メイクもせず、そのままでネコを演じます。
やはりメンバーの八月さんが書いたオリジナル・シナリオです。
ひさしぶりに他人が書いたシナリオをそのまま演出するので、なんか新鮮です。
ネコ映画なのに台詞芝居だったりと、フシギな作品です。
撮影は2日にわけて、横浜市青葉区で行われました。
自主企画なので例によって予算がありません。
いつものように、ぼくは監督以外にプロデュース、現場の制作、撮影、照明、雑用を兼ねて、
しかも今回は車両部まで担当です。
スタッフや役者の送り迎えからロケ地への移動、撮影機材の搬入までやるという・・・。
便利な監督ですね。
そのかわりショートムービーのキャスティングは独断で決めてます。
といってもメンバー以外はほとんど友人。
今回の客演は川村早織梨さん。
知人ですが初めて仕事します。
それが、
ネコ好きのイラストレイターの役だったのですが、なんと本人もネコを飼っていて大のネコ好き。
しかもイラストまで描いていて、かなり役にシンクロしていてビックリ。
こういうのは幸せな偶然ですね。
偶然といえば、
たまたま、知人のツテでエキストラ(ネコ)をお願いした勉強中の新人さんも名前が川村さんで、本名は早織梨さんと一文字違い。
同じ作品に川村さんがふたり。
しかもふたりともネコを飼っている!
撮影現場にも飼いネコがウロウロしていて(出演者じゃありません)、ネコづくしでした。
よくネコ派か、イヌ派かと分かれますが、
ぼくはコウモリ派なので・・・。
もしぼくがコウモリの役をやるときの企画名は『コウモリは人類の恐るべき敵ではない。』
ですね。
Feb 15, 2008
TORO
熊本出身のトモダチ(唯一、つきあい続いている大学の同期生)に、おいしい赤身トロの馬肉をもらって、
持つべきは熊本の友、と喜んでいたら、
「熊本のヒトは馬肉は赤身しか食べない」
と馬鹿にされてしまいました。
(シャレじゃありません)
そりゃタテガミだのフエタゴだのは、珍味かもしれない。
そりゃ、赤身がおいしいに決まってますよ。
でもいいじゃないですか。
珍味でも。
実は珍味好きなのです。
ヘビとか、
サソリとか(中国)、
タツノオトシゴの唐揚げとか(沖縄)。
自分の映画もかなり珍味ですが。
珍味といえば、
『スウィーニー・トッド』観ました。
久しぶりにティム・バートンの真髄、て感じでとっても良かったですよ。
抵抗あるヒトが多いようですが。
個人的に彼のベストは、
『シザーハンズ』を別格とすれば、
間違いなく
『エド・ウッド』です。
彼とは歳も近いし、恐らく好きな映画が同じなのでしょう。
ユニバーサル・ホラーやらハマー・ホラーやら・・・。
『スウィーニー・トッド』の、殺されて地下室に落ちる被害者を真上から撮ったショット。
これたしか『フランケンシュタインの逆襲』だよね〜
とか。
それより驚いたのは、
いつのまにティムは、こんなにウマくなったんだ、
というくらい、上手だった。
若いふたりが窓越しに出会う場面。
これこそ映画です。
見本のような・・・
完璧ですね。
だから次回作が楽しみ。
この巧さをどう、ぶちこわしてくれるのか。
Feb 8, 2008
FRENCH
20年来の映画の企画があって、
オリジナル・ストーリーなんですが、
改めてフランスとの合作でやりたいな、
と考えていたら、
フランスから次々と映画人が会いにきます。
もちろん、彼らは別に目的があって来ているのですが、
タイミング合いすぎです。
企画がうまく進むかは別として。
実は、これまでフランスに直接的に興味を持ったことはありませんでした。
カンヌも行ったことないし。
(呼ばれたことないし)
ただ『白痴』は海外では唯一、フランスで劇場公開されました。
だからというワケじゃありません。
例によって、いつもの「直感」で、なぜかいま、フランスだと。
これからフランスの勉強をはじめなきゃ。
歴史、文化、ヒト・・・。
とはいえ、フランスの映画を作るワケじゃありません。
「日本」がテーマの日本映画が作りたいのです。
じゃあ、なぜフランス?
そこがフシギなところですね。
ちなみに今日会ったのはキャロ監督。
『デリカテッセン』『アメリ』の、あのジュネ&キャロ、そのヒトです。
彼なら、ぼくの映画、理解してくれそう。
Jan 8, 2008
30TH
ぼくが映画を撮り始めたのは17歳のとき。
1978年。
『FANTASTIC☆PARTY』という8mm映画でした。
それから30年。
と想うと、長いなあ。
そのわりに寡作ですが。
10年前、つまり20年目には何をしていたかというと、
『白痴』を撮影してました。
デビュー20年でやっと『白痴』です。
10年かかって『白痴』を作って、その後は10年で10本作るなんて言ってましたが、
実際はショートムービーを含めて10本ですからね。
何でもたくさん作ればいい ってものでもありませんが。
以前、アラブの映画祭に行ったとき、レセプションで隣に座った初老のアラブ人監督の話が印象的でした
彼は、
映画監督として何十年もやってるが、作ったのは短編ばかり。
35mmの長編映画を撮るのは一生の夢なんだ、
と語っていました。
彼だけではなく、アラブのほとんどの監督はそうなのですって。
もちろん、
長編を撮るのはぼくにとってもいつでも夢です。
そんな夢を大事にしたいと想います。
「なんでもいいから撮らせてよ」
じゃダメなんです。
1本1本を大切にしないと。
30年前、初めて撮った映画のテーマは
「青春はなんてファンタスティックなパーティであることか」
いまならそれを少しバージョンアップして、
「人生は、なんてファンタスティックなパーティであることか」
Dec 18, 2007
AFTER8
で、どうなったかといえば。
(前回の続き)
夕方5時に最後のフィルムがあがる予定だったので、スタッフが現像所に取りに行き、編集中のぼくのところへ届けてくれる、
予定になってました。
時間節約のため。
ところが!
スタッフの乗った鉄道で人身事故が起こり、
(なんと)
電車が停まってしまった。
現像所の窓口は6時まで。
駅のタクシー乗り場は長蛇の列。
うわ〜〜っ。
このままではフィルムが届かない。
つまり、完成しない。
どうしよう〜。
と、悩んでもいる暇もない。
作業は続けなければ。
6時寸前、やっと電車は動く。
事務所スタッフの連携プレーで現像所には連絡を入れてもらい、なんとか遅れてフィルムはゲットされる!
夜8時に手元に届く。
ああ!
よかった!!
と、喜ぶ暇もなく、新たなフィルムを試写。
すると案の定、新しい構成アイデアが浮かび、それまでに編集を終えていた8割の場面を入れ替えてしまう。
カットしていた場面も復活させて、大幅な修正。
寝る暇もないというのに、つい粘ってしまう。
作り手の性(サガ)というかエゴというか。
だって、悔いが残るよりいいでしょう。
結局、編集が終わったのが午前3時。
さあ、今度は録音です。
8mmはデジタルみたいに簡単に音をつけられない。
フィルムを映写しながら、タイミングを見てリアルタイムに音をつけてゆく。
ちょっとズレたら、また最初からやり直し。
一番好いタイミングに収まるまで、何度でもやり直します。
3分進んでやりなおすには、3分かけて巻き戻し・・・ という苛々しそうな作業を繰り返す。
納得できる限界の時間で、午前10時。
録音終了。
12時30分までに会場へ行かねばならない。
あわてて風呂に入る。
会場のイメージフォーラムは渋谷。
ウチは練馬区。
正味1時間。
少し遅れて1時に到着。
すぐに授業を開始する。
眠いので、話しにサービスがなく、ひたすらマジメな講義。
午後4時。それが終わると、会場の片隅でこれから上映するフィルムのクリーニング。
8mmはゴミとか埃がつきやすく、上映するとかなり目立つので、それを拭き取るのです。
これまたフィルムを手でゆっくり巻きあげながらの作業。
数時間かかってしまう。
こうして、夜7時30分の上映に、間に合いましたよ。
なんか、1分の隙間もない進行でした。
疲れました。
と、まだいっていられない。
上映はパフォーマンス的なライブトークを交えてやります。
客席の真ん中に設置された映写器で、20歳のときに作った習作を自ら上映してスタート。
そんな上映プログラムが、2日間に3回。
そして初日が終わり、夜中に帰宅してからは、翌日に上映する作品の編集と録音が待っている。
8mmは、ひとり過酷です。
それでも8mm上映は自分の古巣というか、生まれた家に戻った気分。
ホッとします。
作品は、新作も昔のものも、どれも最高に自分らしくて、
大好きなんですよ。
Dec 14, 2007
12HOURS
いよいよ明日あさってが8mmの上映ですが、
前日の今日、
まだ作ってます。
(>_<)
8mmでは、よくあることですが。
現像所が日本に1カ所しかなくて、年末は多忙のために予定が変わるのです。
そのため、最終のフィルムの現像が、今日の夕方にやっとできてくるという。
それを見て、構成を熟考し、編集して、録音しなきゃならない。
すべてアナログの作業。
発表は明日の夜。
しかし、明日はイメージフォーラム付属映像研究所で年一回の授業が昼すぎからあります。
なので締め切りは明朝。
正味12時間。
例によって、離れ技です。
ああ、ブログなんか書いてる場合じゃない。
作業、続けま〜す。
Dec 9, 2007
PLANET8
上映会のインフォメーションです。
イメージフォーラム・シネマテーク
「PLANET8」
手塚眞8mm作品集
すべて8mmで作られた作品で、フィルムのまま上映します。
プライヴェート・ムービーなのでソフト化、デジタル化はまったくなされていません。
なので、見られるのはここだけ。
ドラマではなく、最新技術の映像でもない、
心象を表現したアート作品集です。
手塚眞イメージの源流と、8mmならではの繊細な映像美。
16日はフォトグラファー藤井春日さんとの対談もあります。
藤井さんも美しくて不思議な方です。
12月15日 19時30分〜 プログラムA
12月16日 14時〜 プログラムB
16時〜 プログラムC
A:『2006』『2007』(新作)『ANNEXE』(85)ほかシークレット
B:『2006』『2007』+写真家・藤井春日さんとのトーク
C:『惑星TEトLA』(07バージョン)
当日1200円 フリー券 2100円 IF会員 700円
会場 渋谷イメージフォーラム3階 寺山修司
http://www.imageforum.co.jp
Dec 7, 2007
EDITING 8
いよいよ8mmフィルムの編集が始まりました。
デジタルと違って、1本しかないフィルムを手で直接触りながら切って、貼って、繋ぎます。
幅がたった8ミリしかないフィルムです。
しかも一度間違えて切ると元には戻せない。
たしかに慣れないヒトにはスリリングな作業です。
いまやデジタル全盛で、小さなDVカメラでも美しい映像が写せる時代に、なぜわざわざ8mmを?
と思うかもしれませんが、
その理由は8mmフィルム独特の映像の質感。
はっきりいって、解像度わるく、不鮮明です。
でも、そこが美しい。
ぼくはノイズ、揺れ、歪みといった不安定なモノが好きで、美しいと想うんです。
いまのデジタル技術はむしろそうした部分を排除しようとしてますね。
でも、自然のものはそんなに正確な形状をしていないし、歪んでいたり汚れていたり、揺れているんです。
ヒトの顔だって、どんな美人でも左右対照なんてあり得ないし、完璧ではない。
だから、美しいと想えるんです。
それが自然だから。
ぼくの8mm映画では、そんなノイズ、揺れ、歪みが強調されています。
それらを強調する技術を使っています。
それは「偶然性」「乱暴さ」といった技術です。
それによって、映画は異世界を描きます。
いえ、心の世界です。
ぼくの8mm映像は、ぼくの心の影像です。
ノイズ、揺れ、歪みこそ個人の表現であり、魂の息吹きです。
だから表現者として、不安定な8mmにこだわるのです。
「美しさとは痙攣である。そうでなければ存在しない」(アンドレ・ブルトン)
Nov 27, 2007
CHAO.S
8mm撮影が続いてます。
Chao.sことカオさんの出演場面。
カオさんは映画演出ワークショップの受講者でした。
開講前日にラジオで情報を知って、翌日いきなり受講したという。
今回、彼女は出演だけではなく、衣装も選び、メイクも自分、小道具も持ってきました。
なので撮影はふたりだけで行います。
それにしても、
1週間以上、休みがないのでかなりヘトヘトです。
スタッフがいない → すべて自分で動くしかない → 準備や裏方をしながら、演出を考え → 照明もやり、撮影もする。
片づけやフォローも自分。
そりゃ疲れます。
しかし、8mm自体が風前の灯火ですからね。
フジフィルムは採算度外視で続けてくれてはいますが、
現像機は調子が安定せず、メンテしつつ動かしているとのこと。
いつ壊れて現像できなくなってもフシギはない。
映像の絶滅危惧種ですからね。
いまのうちに使わないと。
Nov 24, 2007
DIVA 2
23日も新潟の天気予報は雪。
にも関わらず、朝から少し陽差しがありました。
曇り空ですが、前日の強運もあるので撮影は実行することに。
今日の出演者は、知人のツテを辿って紹介してもらったふたり。
バレエをやっている愛子さんと、自分でも振り付けてダンス公演をしている友紀さん。
友紀さんは、去年たまたま飲み会で同席した方でした。
(そのハナシもかなりの偶然なのですが、長くなるので省略)
まったく違う経路で来ていただいたおふたりでしたが、実はもともとの知人同士だという。
新潟が狭いのか、縁があるのか。
ふたりのヘアメイクを担当してくれたのは、「秘密基地」のキムさんと、カナさん。
「秘密基地」というのは(東堀にある)美容室の名前です。
そこに集合して、車で海岸線を1時間。
現地に着くとみぞれがバラバラ降ってきます。
しかし気にせず、メイクや準備をしているうちにも、天気は変わってゆく。
海沿いなので風も強いですし。
愛子さんも友紀さんも衣装が薄着で(面積も少なく)、ちょっとかわいそう。
いや、
かなり辛そうですが、
がんばってくれました。
今回はちょっと神話的な世界というか、友紀さんは狩りの女神で、愛子さんは追われる乙女というような設定。
ふたりは凛々しく、また可憐に踊ります。
すると、ちょうど撮影している上空だけ雲がポカッと割れて、強い陽がさしてくるではありませんか。
震える彼女らの肌に、陽が当たります。
今日も天に感謝。
意外な場所に滝があって、そこでも滝に陽が差して虹までかかるし。
ついにはきれいな夕陽になって、雲の形も絶妙に美しく、狙っても撮れない画になりました。
かくして予定通り、すべてが終了。
後で人に聞いたところ、市内は雨続きで、見ると遠くの空だけ夕焼けが見えて、
「ああ、あの雲の下だけは夕陽がきれいなのだろうな」と思っていたと。
まさにその雲の下で撮影していたのです!
今回も、素敵な人と時間の巡り会わせがあった新潟でした。
ちなみに、今日の新潟は強い雨。
昨日おとといで、撮影できてよかった。
と、実はこの強運にはさらに驚く出来事があったのですが、
それは次回に。
Nov 23, 2007
DIVA
今日の新潟の天気予報は雪。
降水確率は80%。
ほとんど撮影は無理かな、
と思いつつ、ダメもとで現場まで行きました。
今日の出演者は岡村知子さんといって、新潟市でただひとりインド舞踊を教えていて、インドで4年間修行してきた方。
踊りはバラタ・ナティアム。
南インドの古典舞踊です。
岡村さんは背が高く、端正できれいな方で、インド舞踊をする日本人にしては珍しいタイプかも。
もちろん初対面で、今日いきなりの映画出演でした。
すると。
彼女が装束を身につけて、メイクをして踊り始めると、たちまち雲が切れて太陽が当たるではないですか。
しかも、背景の日本海は強風で荒波。
そこに陽が射す美しさといったら。
ちなみに岡村さんの踊りはシバ神に捧げる踊りでした。
まあ、ぼくも晴れ男といいますか、いつも撮影には女神がついていてくれるのですが。
踊り終わって片づけて、さあ帰ろうとなったらたちまち曇って悪天に。
これを偶然というのは簡単です。
だからこそ、感謝しましょう。
天と地と、すべてのものに。
そのあと、さらに凄いことが起きたのですが、
その話はまた後日。
Nov 21, 2007
NIHON OCEAN
8mmの撮影のために新潟に来たのですが、
雨やら雪やらみぞれやら。
(>_<)
日本海の風は容赦なく冷たく強い。
画としては迫力あって良いのですが、出演者にはたまりません。
明日からのロケはもろに海沿いの屋外です。
しかも服は薄着。
ヤバイです。
そうそう。
今回は新潟内で出演者を募ったのですが、選ばれた3人が(偶然にも)互いに知り合いだったという。
そんなモノなのでしょうか。
新潟での撮影は『白痴』以来・・・
と言いたいところですが、実は『2002』という実験作を撮ってます。
なので5年ぶり。
Nov 9, 2007
MEETING
昨日で『ラブ・システム』がクランク・アップ、
するはずでした。
しかし。
ああ〜!
撮りこぼしが〜。
ほとんど2、3カットだけなんですけどね。
ちょっと段取りに手間取った上、ロケ場所に向かう高速で事故渋滞があったもので。
まあ、こういうこともあります。
来週こそ終わらせねば、次に取りかかれないし。
と
いいながら、
次の作品の打ち合わせしています。
自分ひとりの作品の場合、
内容はいくつかの次元でのコンセプトがあるのですが、
あまりハッキリ決めずにいきなり打ち合わせします。
そして、だらだら雑談しながら、そこで急に思いついたりひらめいたことで組み立てていきます。
相手の意見や発想も参考になります。
クリエイティブな話はとてもリラックスしていることが大事。
親しい友達と遊んでいるような気分が必要。
だから、ときにはお酒がはいります。
いいですね、とうらやましがられるけど、
この後がタイヘンなんだ、これが。
実際に作るのは。
Nov 7, 2007
2007
さて、
ひと息ついたところで次は新作の8mm映画に取りかからねばなりません。
12月に上映するための新作です。
なんで次々に作るかといえば、
映画作りもスポーツと同じなんですね。
続けないと気が落ちる。
さて新作は『2007』といいます。
例によって題名だけ先に決まっています。
去年『2006』で再会をはたした8mm。
その復活の先に見えるものは?
自分にとってさらに新しいイメージ、新しい8mmの冒険が待っています。
しかしひと息ついたといっても、
フリーハンドのショートムービーはまだ撮影が残っているし、撮影済みの作品の編集、応募がはじまった国際ニコニコ映画祭の準備、いつになるのかわからない商業作品や来年のイベントの打ち合わせ等々、
やることは山積みのままです。
そうそう、新潟にも行くのでしたっけ。
自分の会社経営という大事な任務もあります。
アタマは減らしたいのですが、身体はたくさんほしいなあ。
あ、
体重はいりません。
Oct 28, 2007
YOKOHAMA
今日はこれから横浜学生映画祭に行ってきます。
日本とアジアの国々の学生たちが作った映画の競演。
ぼくが高校生のときに作った8ミリ映画『HIGH−SCHOOL−TERROR』がデジタル上映されるので、顔を出します。
この映画、学校の放課後にひとりで4時間で撮影した6分のショート・ムービーですが、内容はズバリ“学校の怪談”。
でも「学校の怪談」が流行るずっと前だったし、まだ日本に「ホラー」って言葉がない頃で、エンターテイメント的なショートムービーもあまりなかった、
つまり今となっては先駆けの映画。
評論家に絶賛され、ぴあのフェスティバルに入選し、街の名画座でプロの映画と一緒に上映されたり、角川映画が参考にみたいとフィルム借りていったり、いろいろありました。
でも自分では当時もいまも、あまり見せたくないほど「恥ずかしい」。
技術がヘタだから。
まあ、高校3年生じゃしょうがないのだけど。
そのときある評論家が、
「こんなうまい怪奇映画は観たことがない。しかし手塚さんにはクラシックの名演奏家になるより現代の音楽を奏でるような作家になってほしい」というような言葉をいただき、「そうか」と想って職人的な映画作りを捨てて、どんどん新しいことを始めちゃった。
そうなるには早すぎたのですが。
このあたりがぼくの幸と不幸ですね。
Oct 27, 2007
WORKSHOP2
朝日カルチャーセンターでの「映画演出ワークショップ」が終了。
完全に初心者向けでしたが、
さまざまな年齢、職業の方が集まり、話し甲斐がありました。
しかし、たったの2回、合計3時間で映画の演出のやり方を教えよう っていうのがどだい無謀です。
案の定、最後は時間切れの感。
まあ、それでも基礎の基礎だけはなんとかレクチャーできたかしら。
基礎をわかりやすく、ちゃんと教えるところは意外と少ないですよ。
日本の映画教育は「まずやってみろ」スタイルが多いから。
今回はあくまで「演出」という観点からのワークショップなので、カメラほか技術のレクチャーは省略。
映画制作の目的意識とか、俳優とのコミュニケーション、撮影アングルの選択、なんていう話に、
ミステイクを編集で救うテクニック、音楽の付け方など、現場で起こりそうな話題に軽く触れた感じです。
ダメな編集の例を見せたりとか、けっこう具体的ですよ。
ところが・・・
ここにトラブルが。
設備機材が扱えないよ〜〜(ToT)
PC、DVDなどを駆使するつもりが、自分の機材じゃないからうまく使えない。
手間取って、結局それが致命的に時間を奪ってしまった。
メカ・オンチなのがバレバレでしたね。
まあメカ・オンチでも演出はできるんですよ。
もし、次回やるときはもう少し時間に余裕を持たせて、
できれば10回連続、
ダメでも5回くらいのワークショップが良いかもしれません。
今日は台風の影響で大雨。
予定していたロケ撮影は中止になりました。
思わぬ休日が訪れて、個人的にはひと息・・・ 。
Oct 26, 2007
SHOOT,SHOOT
フリーハンド・ショートムービー『ラブシステム』の撮影が続いてます。
本日は川崎の映像探偵社スタジオ(の一部)を【無理矢理】お借りしてのセット撮影。
例によって機材はすべてぼくが乗用車で【無理に】持ち込み、極少スタッフ(4名うち学生2人)で準備。
撮影というとなにか華やかな世界を想像するかもしれませんが、
汗かきながら地道に手で作るしかないのです。
華やかなのは映画の中だけで、舞台裏はなかなかセコくて情けないもんです。
それでも今日のゲスト出演者だけは(相変わらず)豪華。
まず、漫画家の内田春菊さん。
もちろん漫画家の役ではありません。
彼女は俳優としても活躍していますが、ぼくの映画には初です。
ひさしぶりにパーティで会って【無理矢理】口説いてしまった。
そんなときぼくは有無をいわせないんです。
そういえば、お宝ポラ写真を1枚持っているのですが、
ずいぶん前にウチのパーティで撮ったもので、
そこには春菊さん、玖保キリコさん、故・杉浦日向子さん、それに岡野玲子の4ショットで、しかも全員のサイン入り。
メチャ貴重です。
あと、春菊さんの本の表紙に先日モデルをしてもらった朱里さんが写っていたことがあり、
世の中はせまい。
というか、繋がっている。
さて、今日のもうひとりのゲストは萩原佐代子さん。
といわれてピン! とくる方は、彼女のモデル時代を知っているか、
さもなければ特撮オタクです。
実際、スタッフの八月さんは興奮気味に
「え〜〜! 伝説のヒトですよ」
と言うので、たぶん伝説の方なのです。
実は少し前にもショートムービーに出演してもらったのですが、
(ぼくも実はファンだった)
二度あることは三度あるでしょう。
やはり【無理矢理】お願いしての出演。
萩原さんも小野みゆきさんや甲田さんと近い世代のモデルでしたね。
そしてさらに、春菊さんの夫役で俳優の松山鷹志さん。
しかも見学でなぜか矢島晶子さん(クレヨンしんちゃん)までいらっしゃる。
もう、なにやらわからない現場です。
しかしぼくは和む暇も休む間もなく、1日中働いている。
一度撮影モードに入ると、ひたすら働き続けるだけ。
平然と見えて、過酷です。
明日は映画ワークショップで、あさつてはまた撮影、しあさつては横浜学生映画祭に舞台挨拶に行きます。
Oct 22, 2007
LAB.SYS.
いろいろなことが怒濤のように起きていて書ききれないのですが、
フリーハンドのショート・ムービー企画『LAB.SYS.(ラブシステム)』がクランクインしました。
ひさびさの、というより珍しく、シリアスなSFドラマ。
愛情の消えた未来社会の話。
主演の大澤真一郎さんはロン毛イケ面のフリーハンド・メンバー。
謎のヒロインにはTZKムービー初出演の河井青葉さん。
清楚な雰囲気がナイスな女優さんです。
(元モデル)
若手の役者が集まって、なごやかに撮影を進めてます。
とはいえ。
スポンサーもなく予算もなく時間もないので、ぼくが脚本・監督・撮影・制作・プロデューサー兼ねてまして・・・
つまりはタイヘン。
それなのに自主(映画)では異例な豪華なゲスト出演者もあり。
まずはひさしぶりの小野みゆきさん。
(やはり最初はモデルで売れました)
小野さんはTZKムービーに欠かせない方。
今回は少ない出番ながらやはり存在感は圧倒的。
そして現場ではとても素敵な女性です。
たぶん同性も憧れる人。
その撮影の終わった同じ日に、dip in the pool の8年ぶりのライブに行きました。
懐かしいスパイラルのイベント・スペースで、甲田益也子さんに数年ぶりに再会。
変わってない。
というより時間が止まっているみたい。
甲田さんがスーッと歩いてステージに出てきたときは、思わず涙が出そうになりましたね。
やはり彼女の資質は他の誰にも代えがたい。
唯一無二のオーラが出ている。
娘さんのウッちゃんももう11歳。
一緒にヴェネチア行ったの、覚えているかな。
甲田さん、小野さんは80年代にぼくのアイドルでした。
彼女たちと今もこうして会える幸せを噛みしめています。
翌日は、その甲田さんと親しいモデルの朱里さんを撮影。
これは11月3日に行われるSeraphimのショー映像の撮影です。
がらりとイメージ変わって、こちらのテーマは「Romantique」。
朱里さんとも知り合って何気に長いです。
あんじや千草ちゃんたちと「Cutee」を賑わせていた頃が懐かしいな。
そうそう、『BOX』写真の最初のモデルが朱里さんだったっけ。
ぼくの周りには美しいモデルの人がたくさんいます。
彼女たちのおかげでぼくの日常は、心地よく仕事できるんです。
Sep 24, 2007
WORKSHOP
また風邪ひきまひた。
寒くなりましたからねえ。
皆さんもお気をつけて。
今日はインフォメーションです。
先日お伝えしたように、
映画演出のワークショップやります。
カメラとかの技術じゃなくて、演出のやり方です。
これから映画つくりたい、、
この際映画作りの基礎を知っておきたい、、
という初心者向けではありますが、
特に
「映画監督ってどうやるの?」
というなんにもわからない方にお勧めします。
プロでも意外と知らない「そうだったんだ」話がたくさんでることでしょう。
単なる映画ファンの教養としてもいいし、、
「これでコネつけて映画界に入ってやれ」
というヨコシマな動機でもいいし、、
「憧れの手塚サマに逢って話が聞ける」
というあわよくばな動機も歓迎です。
10月12日と26日。(2回連続)
朝日カルチャーセンター新宿教室
http://www.acc-web.co.jp/shinjuku/0710koza/A0102.html#
やさしく指導します。
Sep 19, 2007
NEXT PLAN
本当は明日、ショート・ムービーを撮影する計画があったのですが、少し延期。
準備など足りないので。
もともと無理な予定ではあったのですが。
自主制作は必然や締め切りがないので、気を許しているといつまでも作らずにいてしまいます。
「撮る」「撮る」といって、少し自分にプレッシャーをかけた方がいいんです。
自分で自分に義務感を持たせて緊張させないと。
今度はオリジナルのハードSFです。
ルーカス監督が学生時代に『THX1138‐4EB』を作ったでしょう。
そんな感じ。
もう学生じゃありませんけども。
いま、数本のショート・ムービーを抱えつつ、
長編の企画を練りつつ、
あと年内の予定は、
月末はひさびさに新潟で講演。
赤塚りえ子さん、坂口綱男さんと“2世アーティスト”トークショー@新津美術館。
10月は朝日カルチャーセンターで映画演出のワークショップやります。
11月は SERAPHIM のショー@渋谷ル・デコで映像パフォーマンスします。
8mm新作も流すつもり。
http://www.seraphim.com.
12月は8mm映画(アート・フィルム)だけの上映会やるつもり。
『2006』(ニューバージョン)ほか新作と、数年ぶりの『惑星TEトLA』(!)を披露します。
これは一生作り続ける“成長する映画”。
上映のたびに作り替えてしまう幻の作品です。
はるか85年から続くプロジェクト。
年末にはひさしぶりに『白痴』の上映もあるかも。
それぞれ詳細は未定。
決まり次第、書きますね。
相変わらず盛りだくさんの日々です。
それにしても、パワーが足りない・・・。
ちょっとちがう次元に行って力つけてこないと。
Sep 2, 2007
CINEMA DAY
今日は映画の日で、劇場は1000円。
観なくちゃ。
いつも新聞の映画欄を切り抜いて持ち歩いてるんです。
土曜の映画欄は充実していて、東京だと3段くらいの量があります。
なので毎週土曜に切り抜くんです。
わー。これを片っ端から全部観たい〜。
と毎月想うのですが、なかなかそうはいきませんね。
いつでも観られると想う気の緩みが、結局行かないまま過ぎてしまうもんです。
今日は時間がある。
意地でも観るぞ。
さすが夏だから、話題作も地味な渋い映画もたっぷりやってる。
うう、
どれを観よう。
迷いますね。
結局、トニー・ガトリフの新作『トランシルヴァニア』と『トランスフォーマー』という、
どちらも「トランス」だけど対局的な2本のハシゴ。
観客としても多重人格す。
この世界に入るきっかけのひとつが『吸血鬼ドラキュラ』な人間にとって、「トランシルヴァニア」は特別な響きがあります。
もちろんこの映画はホラーじゃなく、いつも通りロマのロードムービー。
ガトリフ節。
『トランスフォーマー』は『鉄腕アトム』のマンガのロボットのネタをまんま映画にした感じです。
いや、そんな気のきいたドラマじゃありませんが。
ファースト・フード・ムービー専門のマイケル・ベイ監督らしい、アメリカン・バーガー(本場)な味。
しかも子供向け。
夕方にクア・アイナでハワイ風ハンバーガー食べたけど、やっぱ大味というか、味は二の次というか。
疲れますね。
アゴが。
映画もそんな感じでした〜。
やっぱりこういうのは1000円くらいで観なくちゃね。
Sep 1, 2007
PREVIEW
夏の終わりに、2本の作品の(自主)試写を一度にしました。
8ミリ映画『2006』とネットシネマ『漫画探偵539』。
『2006』は7月までフェスティバルで上映してましたが、編集を変えて場面を増やしたニュー・バージョン。
一度完成させた作品をすぐに変えてしまう悪い癖ですが、ムカシから(30年も!)そうなんです。
どちらもエロミさんとカオリンが出演している、という以外はまったく対象的な2作。
同じ作者とは思えない、ひとつは純粋なアートシネマで、ひとつはコミカルなドラマ。
はかなく繊細な美的イメージと、やんちゃでポップで、でもしっとりとしたドラマ。
どちらも自分らしい。
自分の二面性が如実に出てますね。
二面どころか五面くらいありそうですが。
ゴメンなさい。
その後、打ち上げ兼ねて夏の締めくくりパーティを行ったんですが、その模様はいつもながらお見せできません。
前にも書きましたが、このブログ、完全に携帯で書いてます。
が、携帯が古くて、うまく写メできないので、写真は撮らんのです。
集まった顔ブレは、
内田春菊さんご一家、飴屋法水さんご一家、ツネマツ“フリクション”マサトシさん、赤城“フィルムス”忠治さん、女優さま水島かおりさん、あんじさん(誕生日おめでとう!)、『エヴァ』大月さん(初日おめでとう!)、『ニコニコ動画』川上会長、オブジェ作家・菊地拓史さん、催眠術師アリさん、ポールダンサーNoemiさん、ヴィヴィアン佐藤さん、そしてもちろん岡野玲子ほか、
いつもながらの品よく濃いメンツですわ。
顔が五面もあると、いろんな才人と知り合うもんで。
そんな50人が、何を語るというワケでもなく、ただガヤガヤ交わっているだけなんですが、フシギと眼に見えない何かが生まれてゆく感じがして、
それがちっちゃな歴史なのか、ユニークな未来なのかワカリマセンが、
ワクワクするんです。
憂さ晴らしやストレス発散ではない、サロン風パーティの醍醐味です。
今月は、何が生まれるのかな。
Aug 7, 2007
AMATUREISM
“部活”フリーハンドのショートムービーの撮影がありました。
メンバー全員がスタッフ兼キャスト、
といっても監督+撮影+プロデューサーは自分なので休みなく動いてます。
今回の主演はあんじ。
彼女の「もうひとつの顔」を見せる、『AFTER』という企画です。
ホール楽屋で打ち上げの場面があって、リアルに見せるため、本当にホール楽屋を借りて、本当に客を呼んで打ち上げ(パーティ)をしちゃいました。
友人、知人ほか関係者数十人が昼間からかけつけてくれた。
持つべきは画になる友ですね。
客に紛れてそのまま撮影。
その部分は台本もなし。
ほとんどドキュメンタリーのノリです。
そこに、役を演じるメンバーがさりげなく混ざるという。
ちょっと新鮮な演出です。
『ブラックキス』のときもクラブ・イベントをやって、まんま撮影しましたが、今回はさらに自然に。
しかし、撮影の後に打ち上げはよくありますが、撮影しながら打ち上げというのもフシギなものです。
それから、
衣装と美術コーディネイトをヴィヴィアン佐藤さんに任せました。
彼(彼女)の本業は建築(とイベント・プランナー)です。
でもスタイリスト以上の仕事をしてくれて、結果は良かった。
こういうのも小さな冒険。というか、挑戦。
ふつうにスタイリストに任せたら、美術全般はコーディネイトできないし、美術のスタッフはセンスの良い衣装を安くは集められない。
問題は美的センス。
ちいさな自主作品だから、そんな思い切りができます。
ぼくは出演者やスタッフに専門外の人をよく使います。
いい意味でのアマチュアイズムです。
「完全主義」という言葉があって、黒澤明さんに言わせると「完全主義じゃない作家なんかいるか」
ってことなんですが。
ぼくは「不完全主義」です。
ベテランの俳優、スタッフを揃えて、時間と予算をふんだんにかければ、イメージは厳密になるけれども、フットワークは当然鈍くなるし、視界も狭くなる。
あらゆる偶然のチャンスに従順でいるためには、アマチュアでも学生でも参加させて、一緒にどんどん作る。
スキはできるけど、ユニークなものになるから。
いわゆる偶然のノイズを作品に生かす、という考えです。
クラシックの演奏ではなく、コンテンポラリーの発想といいますか。
ノイズや歪みを美的と見なければ、このアマチュアイズムはやや危険ですけども。
ただヘタなだけの出来損ないに見えたりもするから。
そのあたりが観る人との距離が微妙です。
出来損ないもいいもんですけどね。
ぼくにとって、映画はすべてモダン・アートだから。
Aug 1, 2007
MICHELANGELO
アントニオーニ監督も逝ってしまいました。
ベルイマンと同じ30日に。
どおりでその夜は寝苦しかった。
嫌な夢にうなされてました。
94歳。
高齢だったと言ってしまえばそれまでですが、
またひとり、映画の歴史を作った人を失ったと想うと、やはり侘びしいです。
フェリーニ、パゾリーニ、アントニオーニ。
ぼくが強く刺激を受けたイタリアの巨匠たちは、もうみんないません。
アントニオーニの『欲望』を観て、フォト・カメラマンに憧れた人は少なからずいるはず。
ハービー・ハンコックの即興的なプレイを効果的に使っていました。
『ある女の存在証明』は日本ではひっそりと上映されましたが、なんとジョン・フォックス(!)をはじめとする当時のUKエレポップをふんだんに使っていましたっけ。
人生の虚無を巧みに描いた作家でしたが、音楽の感性は豊かでした。
かつてのヨーロッパの映画作家には、ハリウッドとは異質の明確な個性がありました。
その個性が、そのまま映画の歴史になった。
そして、作家の教養や趣味から溢れ出たイメージが豊かに映画を彩っていました。
ただストーリーをわかりやすい画にするだけじゃなく、ただ感動させるだけの感傷的なドラマではなく、迫力あるCG映像を羅列するだけじゃない、
広がりと深さがあり、違う世界や次元に触れられる、
それが映画なんだと無意識に感じてきたのです。
そんな映画が減ってはいけないと想う。
Jul 31, 2007
INGMAR
最近、ベルイマンの映画をDVDで観直していました。
若い頃に熱中した、
というより一番影響を受けて、一番尊敬していた映画監督。
いま観てもどの作品も色あせない。
『仮面・ペルソナ』の静かな衝撃、『狼の時刻』の神秘、映画の教科書のような『鏡の中にある如く』、『沈黙』の冷徹な完璧さ・・・
『叫びとささやき』の美しさと怖さに改めて震えて、エンディングでは図らずも泣いてしまった。
とてつもなく冷たいやさしさ。
こんな映画は撮れない。
観れば観るほどそう想えてくる。
そのベルイマンが亡くなった。
89歳だった。
映画の歴史が、また去って行ってしまった。
そう、ベルイマンこそ映画の歴史だった。
彼の映画から学ばなかった作家はいない。
あのスピルバーグでさえ。
深く豊かな『ファニーとアレクサンデル』の長い引退のあと、急に作られた新作『サラバンド』の見事な出来映え。
フィルムをまったく使わず上映されていたのにも驚いたのですが、
本当の遺作だったのですね。
そしてそれに出演していたリブ・ウルマン。
切ない。
「映画の面白さを味わいつくした」
と彼は語った。
ぼくらはまだ、彼の映画を味わいつくしていない。
Jul 18, 2007
INFO
「ところで手塚さん、映画撮らないのですか?」
―それが、いくつか長編の企画があって、どれがいつ動き出すかわからない微妙な時期なんです。
長編映画は映画会社やらプロデューサーやらの都合もあって、監督ひとりの意向で進まないもので。
今年中にはどれかを具体的にしたいと想ってますが。
「100本つくるといっていた映画は?」
―なかなか渋い質問で(笑)。
企画だけはすでに100本以上あるんですがね・・・。
また8ミリでも、ごく短いアートフィルムを撮ろうかと。
夏の間に。
アイデアばかりたまってしまって。
“部活”フリーハンドで用意しているショート・ムービーは、7月中に撮影できると良いのですが。
ミーティングは定期的にやってますし。
ロケハンとかキャスティングとか、少しずつ動かしてます。
明日、晴れたら何か撮ろう。
「そういえば、探偵のネットシネマはいつ観れるのですか?」
―スミマセン。ゆっくり仕上げてたもので。
昨日、やっとオンライン本編集。
来週には完成予定です。
が、
ネット配信はまだ数カ月先のようです。
そうそう。
関西の方に朗報。
今月は宝塚の手塚治虫記念館でトーク・イベントやります。
7月28日。土曜日。13時。
『手塚眞ミュージアムトーク 手塚治虫・天才の秘密』
詳細は手塚治虫@Worldを見てね。
http://news.tezuka.jp/
Jul 12, 2007
EVA
久しぶりにキングレコードの大月さんと飲みました。
ぼくはアニメ界のことにウトいので、けっこう後になって知ったのですが、彼は『エヴァンゲリオン』のプロデューサーだったんですね。
ぼくは大月さんとは同い歳で、学生時代からの知り合いです。
彼が言うには、東京に出てきて一番古いつきあいがぼくなんですって。
といっても学校も違うし、よく会っていたわけでもない。
当時、ぼくがやっていた映画ファンのサークルがあって、ある日彼が参加してきたという感じです。
当時から怪獣にやたら詳しい変わったヒトでありました。
ちなみにそのサークルにはエッセイストの永千絵さんや、映画評論、ミュージシャンの中原昌也くん(当時高校生!)もいたので、いま考えるとスゴイ顔ぶれです。
その後、大月さんはキングレコードに入社し、アニメのレコード(まだCDはあまりなかった)をヒットさせていて、そこでぼくが押しかけて岡野玲子の『ファンシイダンス』のイメージ・アルバムをプロデュースしたのは有名な話。
(でもないか)
それからしばらく会わないうちに、『エヴァンゲリオン』を作っていたのです。
その間会っていなかったので、まったく知らなかったというワケなんですよ。
最近は実写の映画もプロデュースしているので、ちょっとまた世界が近づきましたね。
ほかに同い歳の映画プロデューサーには『呪怨』をヒットさせた一瀬隆重さんがいます。
彼も学生の頃から知り合い。
もっとも、一瀬さんは当時からぼくと同じく学生映画を監督してましたけど。
実は彼のプロデューサー・デビュー作はぼくの商業映画監督デビュー作『星くず兄弟の伝説』なんです。
以来、一度も一緒に仕事してませんけども。
古い知人たちがいつの間にかヒットメーカーになっているのは(ムカシを知っていると)驚かされますが、うれしいことでもありますね。
ついでにもうひとつ、過去ネタ。
中川翔子ちゃんのお父さんとぼくは、友達でした。
カッチャンの葬式では、弔辞を読みました・・・。
意外なイガイな関係が、イロイロあります。
Jun 5, 2007
EDIT
『漫画探偵539』の編集をやっと終える。
締め切りなしという言葉に甘えて、つい1ヶ月も空いてしまいました。
他の仕事だらだらしながらだったので。
実質1週間くらいでしょうか。
編集は、ホントに楽しいです。
ひとりで没頭していると、時間を忘れてしまいます。
業界には編集が面倒というヒトがいるのですが、信じられない。
ずっと前にも書いたことですが、
映画作りを料理に例えると、撮影は買い物。
編集こそが厨房に入っての料理。
文字どおり切ったり、焼いたり煮たりって感じ。
ぼくの場合は創作料理ですが。
いまさら言うことじゃないですが、
ぼくは編集うまいです。
編集は芝居を繋げるだけじゃなく、リズムとかテンポも造ります。
撮影のミスを隠し、ヘタな芝居も少し助けたり。
(少し、ですが)
1コマ(24分の1秒)を切るかどうかで数十分悩むこともあるし、ただ誰かが立ち上がるだけのショットを何回もやりなおします。
編集に正解はない。
自分の感覚のみ。
納得ゆくまで、映像をいじる。
これが楽しくなくて、何が映画か。
ひと段落したあとの祝杯は、ひとりで事務所そばのベルギービール・パブで。
ここは10年くらいやってる店なんですが、実は今日初めて入りました。
ま、プチ祝いということで。
May 30, 2007
PRODUCER
映画プロデューサーと企画の打ち合わせをする。
もし皆さんが映画監督を目指すなら、アドバイスしましょう。
プロデューサーの言葉だけは信じてはいけません。
スタッフも場合によっては信用できません。
でもスタッフはいざとなれば頼りになります。
プロデューサーは「俺に任せとけば大丈夫だ」と言いますが、いざというときほど頼りにはなりません。
彼らの意見に耳を傾けるのは自滅行為です。
なぜなら、彼らの意見は日々変わるのです。
中には10分おきに変わるヒトもいます。
「それは常にあらゆる可能性を検討しているからだ」と彼らは言いますが、その可能性を可能にしなきゃならないのは彼らではなく監督です。
そしてまとまりかけた話がネジくれて、取り返しもつかぬほどイビツになると、決まってプロデューサーは
「作品は監督のものだから、後は任せた」
と言い捨てて帰ります。
きっと、どこの国でもプロデューサーは同じ調子でしょうね。
しかし、映画はプロデューサーとの話し合いなしには始まらない。
いったいどうすれば良いのか。
それは、面倒な儀式だと思ってやり過ごすことです。
「わかりました! すべてあなたの言うことが正しいのでその通りにします」と素直に答えましょう。
おそらくプロデューサーは不安にかられ、
「いや、一意見を言ったまでだから、好きにするがいいさ」
と言うかもしれません。
それにしても、なぜプロデューサーは監督のことを子供扱いするのでしょう?
きっと、そうする以外に自分たちのアイデンティティーが保てないからでしょうね。
May 21, 2007
FINALCUT
いや、
ずっと寝ていたワケじゃ〜ないですよ。
『539』の編集もボチボチ始めたし。
最近は映画の編集をデジタルでやるんですね。
つまりパソコンのソフトなんかでやる。
ぼくみたいに8ミリから始めた世代は、やっぱりフィルムでの編集が身についてしまってるものですから、デジタル編集は性に合わなくて。
あと、
アナログビデオの編集はジョグダイヤルを使っていたので、マウスだのキーボードはなかなか手に馴染まない。
実際には10年近く前からデジタル編集を導入してはいるのですが、ぼく自身はアナログでオフライン(仮編集)やって、パソコンはオペレーター任せ。
って感じ。
いまムービーを作るヒトたちはフィルムなんかいじらずに、最初からデジタルでしょ。
ぼくら、かないませんよ。
な〜んて言ってちゃいけない。
これからはデジタル編集くらい自分でできなくて、どうする。
というワケで、週末から会社のパソコンの前に座り、編集ソフトをいじり始めました。
みんなに「簡単ダヨ」と言われたものですからね。
今日で3日め。
ビギナー向けマニュアル読破。
基本操作はマスター。
ホラ、やればできるじゃないか。
できちゃった編。
なんて言ってるバアイじゃないですが。
でもね。
やっぱりデジタルとは相性わるいというか。
好きになれないです。
だって、便利なだけでしょ。
May 11, 2007
FREE MEMBERS
撮影があってひさしくできなかった“部活”フリーハンドの集まりです。
実は『539』の撮影ではメンバーにエキストラで参加してもらいました。
みんな決して素人ではない俳優なので、
スミマセン!
ありがとう!
なのでした。
しかし、
メンバーも互いに言いたいこと言えるくらい親しくなってきていい感じです。
とはいえ、感じだけじゃすまされない。
100本のショートムービー制作のために集まったグループです。
作らなければ意味がない。
まだメンバー間で企画の話し合いをしてますが、そろそろ具体的な制作の体勢に入らなければ。
『539』のようなネット用ドラマとも、8ミリの実験作とも違う、これはこれでひとつのムービーの世界を築く。
不安気な若い俳優たちに囲まれながら、あれこれ妄想する日々がスタートします。
その一方で『539』の仕上げをし、次の長編映画の企画を詰める。
やっぱり、これが自分の自然なスタンスですね。
しかし集まりの後についみんなと飲みに行ってしまうのはどうか。
いや、だからこそバーチャルではない真のコミュニケーションが・・・
と、自分でフォロー。
May 7, 2007
LOCATION
『539』の撮影も最終日。
はやいものです。
今回はシリーズの2回分、前後編なので6日間と余裕ありましたが、通常1回分の撮影は3日なのだそうです。
『ザ・バースデイ』は1日で撮っていたから、3日でも贅沢です。
今日は唯一のロケ。
静岡まで来ています。
朝7時に渋谷・元パンテオン裏集合。
パンテオンというのは映画館で、いまは工事中でないのですが、だいたい映画のロケはここか、新宿スバルビル前集合というのが業界の慣わし。
東名高速使うときが渋谷、中央や関越の場合が新宿となっとります。
なので、朝7時くらいはロケバスのラッシュです。
2時間ちょっとのドライブで、現場。
事前にロケハンして撮影場所も決めてあるので、撮影はスムーズです。
ロケは天気に左右されますが、夜の場面がない限り昼間のうちに終わるので気が楽です。
どうしてもスタジオだと、時間の感覚がユルくなっちゃうからね。
スタジオだけの撮影は解放感がないので、少しロケが入ると気分転換にもなります。
観客にとってもそれは同じで、
だから脚本を書くときは、そんなことにも気をまわすものです。
なんて言ってるうちに、15時21分!
予告通りにすべての撮影終了。
撮りこぼしなくクランク・アップ。
どうしてぼくは終了時間が正確にわかるのだろうか。
それは、監督だからです!
出演者の皆さま、スタッフのみんな、
お疲れさまでした。
と、ビールで乾杯。
やっぱりここは、シャンパンといきたかった・・・ 。
May 5, 2007
STUDIO 3
毎日、撮影ログ書こうと思ってたのですが、タイトなスケジュールでそれどころじゃなく、あきらめました。
例によって現場では様々な出来事が起きているわけですが、
今回はさしてトラブルもなく、楽しく監督やらせてもらってます。
それもこれも『探偵事務所5』の撮影チームがすでにできていて、ぼくは演出だけに専念していられたからですね。
だっていつもショートムービーは、プロデューサーと監督と撮影を兼ねるわけだから。
撮影監督の異才・長田勇市さんとも初めて仕事できたし、なんでも作ってしまう嵩村さんの美術もあきれるほど面白かった。
なにかお願いすると、その倍のものを用意してくれるんです。
主演の山下真司さんは元漫画家で離婚歴ありの探偵という複雑な役を余裕でこなし、ユーモアと格好よさは期待以上でしたね。
あまりおかしくて思いだし笑いしちゃう場面が多数。
オチャメな大人です。
その娘役のエロミさんはすっかりTZKムービーの常連ですが、今までで一番ナチュラルな役です。
なにしろ脚本があることが驚き。
と、本人が言ってました。
エロミさんはこの撮影の後、朗読の舞台をこなし、秋葉原でDVD発売記念のイベントをやります。
アイドルDVDなんですって。
実は彼女はなんちゃってアイドルなんです。
もうひとりの、正真正銘グラビア・クイーン、ヤブキさんとの2ショットは他では見られない光景でした。
ヤブキさんは数年前から仕事したくてオファーを続け、やっと実現したってワケです。
ウレシイです。
極めて美人なのですが、顔かわります。
魔法みたいに。
そこが気になります。
ヤブキさんもかなわない(役の)佐野史郎さんとぼくは、20年ほど前に映画で共演したのが初めての出会いでしたっけ。
しかも主演は郷ひろみさんだった・・・ 。
(その映画はなにか。 答えはそのうちに)
かつての共演といえば、水島かおりさんとぼくとのカンケイは彼女のブログを読んでください。
もうひとりのカオリンは今回もセクシー路線。
やっぱり似合いますな。
それから、ハードなアクションがさすがに決まるプロレスラーの大向美智子さんは、実は『ブラックキス』の面接で会っていて、今回やっと出演となりました。
山下さんとの対決は、かなりヤバイかも。
フツウの女優にはここまでできない。
って場面。
アイドルからプロレスラーまで。
やっぱりTZK映画ですね。
そして夢あり笑いあり涙あり、セクシーありアクションありと、相変わらず詰まってます。
明日はやっと撮休。
寝るぞ〜。
May 3, 2007
STUDIO 2
2日めの撮影は7時開始。
だいたい映画業界の定時は
8時準備開始、9時撮影開始、12時昼食、17時夕食、
という感じです。
まあ、17時に夕食になる場合は少ないですが。
切りのよいところまで撮影を続けて、食事の時間を遅らせることを「メシ押し」といいます。「押しズシ」ではありません。
俳優は準備開始の前には衣装を着てメイクを済ませてなければなりません。
なのでスタッフより早く現場に入ります。
メイクのかからない男優はともかく、今回の出演者の矢吹春奈さんやエロミさんのようにきれいな人たちは、ぼくの要求が高くなるものですから、1時間も2時間もかけてヘアとメイクをするので、6時集合とかになってしまいます。
スミマセン。
そして夜まで撮影を続けて、また翌朝は6時集合でしょ。
俳優もなかなかハードな仕事です。
今日は2日めにしていきなりクライマックスの場面。
山下真司さん佐野史郎さん水島のかおりさんエロミさんそしてヤブキさんが一堂に会しての長〜く難しい芝居で、スタッフも緊張しながら行いました。
でも緊張感ある撮影をやると、俳優もスタッフも一体感が沸いて、現場はかえって和やかになるものです。
ネタばらしになるので詳しくは書けないのですが、撮り応えありましたよ。
22時49分終了。
自分の予告では22時45分に終わらせるつもりで、4分遅れたのはちょっとした音トラブルがあったため。
明日は夕食前に終わるつもりです。
(ホント?)
Apr 30, 2007
STUDIO
朝5時に起きて川崎のスタジオに向かう。
連休中なので道は空いていて、予定より1時間もはやく到着。
今日の予定表には「祝クランク・イン」と書かれています。
映画界で撮影初日というのはめでたいのですね。
出演者や関係者の事務所からも、ちょっとしたご祝儀が届けられる。
制作現場にはそれについていたノシ紙が貼り出されて並びます。
建築の棟上げ式みたいな感じ。
なぜ撮影がすべて終わった日ではなく、始まる日がお祝いなのか。
こういう風習はおそらく歌舞伎あたりの舞台の伝統を受け継いでいるのじゃないかな。
船出みたいな気分です。
だったらシャンパンでも抜いて、
と想うのですが、そこまでオシャレではない。
ショートムービーで予算も多くはないので、スケジュールはタイトです。
それでも6日間たっぷりある。
今日は5シーンもあったのですが、20時には何事もなく終了。
食事して解散。
意外と早撮りなんですよ。わたし。
明日は5人のスターが一斉に揃います。
楽しみ。
Apr 29, 2007
C IN
いよいよ明日、
ゴールデンウィークのさなかですが、
『2006』の初公開。
なにしろ試写会もしていない。
自分以外誰も観たことのないプライベートな新作です。
と同時に『漫画探偵539』のクランク・イン。
林海象監督の創り出した世界で楽しませてもらいます。
かたや8ミリによる実験作品で、かたやネットムービーの探偵ドラマ。
しかもどちらも同じ人たちが出演している。
というところが、TZKらしいですね。
さらに、先にネタばらしをすると、どちらもテーマが
「決別と再生」
なんですね。
(『2006』では「訣別と再成」となっている)
別れの儀式から始まる新しい関係。
『2006』
明日と5月4日は、8ミリフィルムを8ミリ映写機で上映します。
大きなホールなので少々見にくいかもしれませんが、大スクリーンに映る8ミリ画面そのものの躍動を見てください。
www.imageforum.co.jp/festival
では、ぼくは探偵の世界に、行ってきます。
Apr 16, 2007
GLOOMY
最近メゲたこと。
次の映画出演者がけがをした。
苦労して撮影したショットがリテイクになったこと。
近所にある焼鳥屋にはじめて入ったら、あと4日で閉店と貼り紙があった。
このところ作業で徹夜が続き、アタマがぼんやりしている。
しかもトラブル続き。
まあ映画仕事にトラブルはつきものです。
極めて不安定でアナログなものを扱っているのだし。
もう十分わかっているつもりでも、時間もなく疲れているところに問題連発ではさすがにメゲます。
そんなときはいくら根気のあるぼくでも、つい弱気になります。
たまに覗く海外の占星術サイトがあって、今週の獅子座の運勢を見たら、
「あなたは難問を処理する名人。難問大学の優等生です。あなたはチャンスをつかむより、問題を処理する方が得意です」
ときた。
難問大学?
そんなところ入った覚えは・・・
ハッ。
もしやそれって、映画界のこと?
Apr 9, 2007
ACTRESS
手塚治虫は一度に7本の原稿を抱えていたことがあるので、驚くには当たらないけども、一度に4本以上のムービーを抱えるのもなかなかスリルあります。
『漫画探偵539』のキャスティングは8mm仕上げ中にも淡々と進んでますが、
その8mmに主演しているエロミさんとカオリンはこちらにも登場。
ふたりともすでにTZKムービーのレギュラーの感あり。
そしてひさしぶりの水島かおりさん!
(ここにもカオリンが・・・)
実に『白痴』以来の仕事ですが、『妖怪天国・ゴーストヒーロー』のヒロインで、そもそも『ねらわれた学園』の同級生だったという。
永いつきあいになります。
かつてのヒロインと、いまのヒロインの共演。
それはそれで、監督冥利に尽きるというか。
撮影が楽しみです。
しかも。
さらにサプライズ女優が共演の予感。
なんか、ネットムービーにしてはキャスト豪華なんですけど。
いいんですか、林海象プロデューサー。
Apr 7, 2007
8
今週は家にこもって、ひとりでコツコツと8mm映画の仕上げ。
なにしろ設計図はアタマの中にしかないので、誰も手伝うことができない。
あくまで個人作業。
その方が8mmらしいけど。
これがなかなか難物で、複雑なアドリブだから、一度はじめたら途中で手が止められない。
撮影の記録が残せないし、アタマが冷めてしまったらそれまで。
だから一気にやる。
すると必然的に徹夜になってしまう。
しかも作業姿勢が長いこと変えられない。
足が固まる。
背中が歪む。
アタマはフラフラ。
実験作品はそんなところが一般映画と違いますね。
比べればふつうのドラマの撮影は健康的だな。
これが終われば、次はドラマの撮影が待っている。
個人で作る実験作品と、大勢で作る劇映画。
どちらが好きかと聞かれても答えられない。
たぶん、両方必要。
ACTOR
ネットムービー『漫画探偵539』(仮題)の主演が山下真司さんに決まりました。
ちょっと意外でしょ。
TZKムービーに山下さん。
どうなるか、楽しみですね。
よく考えてみれば、ぼくの映画の主演男優って、けっこう幅広いかも。
何しろ最初が船越栄一郎さんでしょ。
もっとも、まだ学生のときでしたけど。
それから伊武雅刀さんは、とてもお世話になりました。
草刈正雄さんもかなりの常連。
なにしろ4本も出ていただいている。
浅野忠信さん、永瀬正敏さん、安藤政信さんら若い方々とやり、
『ブラック・ジャック』で大塚明夫さん。
実力派から個性派、演技派と、さまざま。
まあ、ひとついえることは、みないい男だってことでしょうか。
男から見ても、魅力的な。
『漫画探偵』は女優も素敵なんですよ。
このシリーズの中では群を抜いて女性が登場する。
そういうところは、相変わらず自分らしいと想いますね。
Mar 5, 2007
BK USA
『ブラックキス』がアメリカでDVDリリースされることになりました。
ジャケットはもちろん日本とは違っていて、あんじのクローズアップでかなりコワイ。
日本のも、こうすりゃよかったのに。
っても後の祭りですね。
配給会社が作ったビジュアルはなんかスクウェアで、あまり気に入ってなかったから。
ハリウッドで気に入られるといいんだけど。
Mar 3, 2007
0093
久しぶりに映画出演依頼がくる。
やった〜!
これも「ヤクザ23区」効果か。
と喜んでいたらば、脚本は届かず、1ページだけのコピーがペラッと送られてくる。
タイトル『0093女王陛下の草刈正雄』。
・・・・。
これって、なんか、やな予感。
役柄を尋ねると、
「ご本人で」
と。
な〜んだ、出演といっても、役じゃなくて顔見せかい。
朝、7時45分に埼玉の新座まで呼ばれる。
某大学構内を使った撮影。
草刈正雄さんと仕事したことのある監督(本人)が集まっている。
なぜか水野晴郎さんも(やはり本人役で)いらっしゃる。
ギャグスパイ映画らしい。
現場に着くと、説明もないまま会場に通されて座らされる。
やはり呼ばれてきた小中和哉さん(『ウルトラマン』や『アストロボーイ・鉄腕アトム』の監督)がいたので、隣に座って話していると、やはり説明もないまま(着替えもメイクもなく)座り位置を指定され、なんだか本番らしい。
2、3テイク撮るとすぐ終了で、名前書いて、交通費もらって帰る。
なんか、エキストラみたい。
みたいじゃなくて、エキストラか。
監督の篠崎誠さんは『刑事(デカ)まつり』の仕掛け人。
プロデューサーの丹羽多聞アンドリウさんは『スパイ道』や『携帯刑事』の生みの親で、ふたりともお世話になっていますが、
実は篠崎さんは小中さんの大学の後輩であり、丹羽さんはやはり小中さんの高校の後輩であった。
その小中さんは、高校でぼくの1年後輩だ。
つまりぼくはみんなの先輩なのである。
先輩だけども、エキストラなのですね。
いい後輩を持ったなあ。
Mar 2, 2007
FREEHAND
100本のムービーのプロジェクト、いよいよ稼動。
ユニット名は「フリーハンド・オペレーション」(通称フリーハンド)のキックオフ・ミーティングをやりました。
ここで募集して集まってくれた役者やスタッフ希望者が集まって、説明+懇親会。
まあ、ノリとしてはサークル活動。
「部活」 ってヤツです。
プロの役者もいたり、脚本家やらヘアメイクやら、演劇人から学生まで幅広い。
初めて顔あわせる人々に、馴染みの顔も混ざって、なにやら楽しげな集団ができあがりました。
「オレ、クラブ活動したことなかったんでこういうのウレシイです」
「わたし、大学いかなかったから、ここでサークル楽しみます」
とか、いろいろな声があがり、初日にして和気あいあいな感じです。
気がつけば夜中まで語り合ってました。
いろいろ爆弾企画もあり、期待度たかいですよ、このサークル。
詳しくはニフティのNeoMのサイトにそのうち書きますね。
Jul 17, 2006
BERGMAN?
ドイツ映画祭でヘルツォークの未公開新作『ワイルド・ブルー・ヨンダー』を観る。
懐かしい、かつてのヘルツォークのスタイル。
ぼくの大好きな『蜃気楼』のような。
語り手としてブラッド・ダリフが登場する。
ヘルツォークの映画はいつもレクイエム的だけど、これはことさらそんなイメージが強い。
こういう作品は(『蜃気楼』がそうであるように)DVDにもならず、静かに観られてゆくのだろう。
でも、なぜヘルツォークは原点に回帰した?
その会場で、信じられないものを手にする。
ベルイマン監督の新作のちらしだ。
えっ、ベルイマンは引退したのでは?
20年前に「映画を味わい尽くした」と言い残して、映画監督を辞めたはずだった。
しかも、
なんと『ある結婚の風景』の続編だ。
なんと、リブ・ウルマンも出ている。
たぶん、それだけでぼくは観ると泣いてしまう。
なんというか、自分の若い頃を想い出すから。
本当に観たい!
どんなにベルイマンに影響を受けてきたことか。
どんな敬意をこめて、その映画を観てきたことか。
なんとか日本で発売された『狼の時刻』のDVDを、どんな心持ちで手に入れたことか。
でも複雑な気分。
なぜ、ベルイマンはまた映画に戻ったのだろう。
正真正銘の映画の“最期”の巨匠。
20年前、『ファニーとアレクサンデル』で、あれほど光と愛に満ちた至福のエンディングを見せてくれた後で。
自身が「遺作」と公言する、これは自作に対するレクイエム?
それはつまり、映画に対するレクイエム?
映画は滅んでしまうの?
Jul 13, 2006
SILENTHILL
ひさしぶりにとんでもない映画に出会う。
『サイレントヒル』は日本のゲームの映画化だが、(原作のゲームの方は知らない)。
映画はオープニングから(もう1秒めから)アメリカン・ホラーの匂いをさせて喜ばせておいて、そのあと恐ろしい加速度で逸脱してゆく。
それが気持ち良い。
まったく先が読めずに引き込まれてゆくが、急に飛躍があったり破綻して魅せたり。
演出は細かなところが実にウマイ。
そしてウマイな、と感心した瞬間に反則ギリギリにかわす。
やるじゃないか。
反則技を使いながらも映画を保っている。
そしてセンスの良い悪趣味と、堅実なヘンタイ性。
くやしいほどよく作った映画だ。
ゲームの表現をこうまで忠実に映画に消化してしまう異能は賞賛できる。
監督のクリストフ・ガンズは同い年。
それを知ればうらやましい、いや幾分

